人の真似がすぐにできるのも才能
うちの娘は、幼少の頃から、人のマネが上手かった。
母親を笑わせるために、スーパーで見かけたおばあちゃんのモノマネをして見せたり、学校の先生だったり友達だったり、いろいろな人のモノマネをして見せる子供だった。
要は、人間観察の集中力。
どこが面白い要点かを把握する能力。
それを自分の身体を使って、練習とかなく1回目で表現する能力。
それらの能力に長けているのだと思う。
武井壮が言っていた。
イメージ通りに身体を動かせることが、トップアスリートの条件だと。
目を瞑っていても、自分がどんな姿勢をしていて、手足が今どこにどんな角度であるのかをイメージして修正できる能力を、彼は毎日確認しつつ鍛えているのだという。
イチローが言っていた。
素晴らしいと言われる高度なプレーを、例えばあのレーザービームと言われる送球を、何度もチャレンジしたうちの何回かできるのなら凡人。1回目で成功させるのが一流だと。
初心者に技術指導していると、いろいろな発見がある。
まずは説明して理解させる工夫。
例え話を織り交ぜたり、やって見せたりして、どういう動きをするべきかを理解させる。
中学からの初心者は、頭では理解できるが、やってみるとできないということが多い。
とにかくやらせてみて、さらに悪い点を指摘して、修正する、試行錯誤の繰り返し。
特に、スパイクの時の腕の振りは、初心者にとって一番難しいのかもしれない。
スピードが速くて、イメージできないということもあるだろうし、分かっていても毎回同じ軌道で振れないという感じだった。
打とうと思った時に、自動的にいつもの腕の振りができるようにならなければ、試合で使いものにならない。
YouTube動画を参考に、壁の前に立ってタオルを振るということを家でもやるように指導した。
レシーブやブロックは、とにかく姿勢、フォームが身体に染み込むまでクセづけ。とにかく毎日、指摘して、進歩したら褒める、の繰り返し。
そんな中、やっぱり飲み込みが早いのは我が娘。
私が指摘するとムスッとした顔をしているので、理解できてるのか不安になるのだが、いつのまにか自分で修正して、コーチの手を煩わせない。
親に何度も言われるのは悔しいので、必死に修正していたのかも。
やっぱり真似をする才能が活きていると思った。
いずれにしろ、何かを新しく覚える際には、まずは素直に説明を受け入れるか?が第一段階。
謙虚さ、素直さ、直向きさがある子は、コーチの指導を信じて、そうできるように努力する。
武井壮が言うように、説明を聞いてイメージし、そのイメージ通りに身体を動かすためには、謙虚さと素直さが必要だ。
これができない子は、もう自己流の変なフォームで貫くしかない。
その次の段階には行けない事は承知の上で、自分が自分らしくプレーする道を行くしかない。
確かにそれでも、相手の意表を突いたプレーとなって、得点する場合も多々あるので、格好悪いのを度外視すれば、けっこう効果的であったりもするのだが。
無理なフォームでケガなどしなければ、それでもいいかと思います。
次の段階では、その覚えた動きを、いつでも同じクオリティで再現できるように反復訓練する。
その根気、粘り、執念が必要だ。
力の加減にはメンタルの安定性も必要。
イチローの言うように、一発目で決める技術にまで昇華させなければならない。
強豪校がずっと強豪校であり続けるのは、良い見本がいつも見られるから。
自然と良いフォームをイメージしてしまうし、自然と真似してしまう。
強豪校ではない、少人数の、初心者だらけの部活動には、やっぱり見本となる専門的な技術コーチが必要だ。
やって見せることのできる、そして何が悪いかを指摘できる外部コーチが必要だ。
学校の先生は忙し過ぎるので、バレーボールの技術を専門に教えられる外部コーチは、これからますます必要になって行くだろう。
それも、私のように、夕方の部活動に参加することができるコーチは、我ながら貴重だと思う。