【第十六歩】2023年、高畑充希ファンならば観るべき映画3本「アンダーカレント」「市子」「女優は泣かない」
2023年もあと僅か
本日は2023年12月30日。
2023年も残り1日。
約1ヶ月に1本くらい続けていたこのテキスト(冒険)も本来ならば、もっと頻繁に更新されるべきだった。
とはいえ、物書きでもなく、ただの一般中年男性であるワタシにとっては、結構この文章を書くにもそれなりの労力を必要とする。
「高畑充希」について書くことは、「書くこと」への原動力になるということではじめたものの、今年に限っては、その高畑充希の活動そのものが少々物足りなかったと言わざるを得ない。
そのことが、更新頻度低下の理由のひとつというと言い訳になってしまう。
個人的には、今年初旬の「宝飾時計」は、素晴らしかったので、良い年だった。
ワタシは3回ほど鑑賞し、そのうち1回は最前列にて鑑賞できた公演もあったのだから、それだけで幸せな一年だったのだ。
その後のドラマ「unknown」はかなりの期待外れで、その後、日本語版吹き替えを担当した「バービー」があったが、まだ観ていない。
(レンタル開始されたので、近日鑑賞予定)
そういう現状なのだが、今回は、最近上映された、もしくは上映中の映画で、「高畑充希ファンならば観るべき映画3本」と題して書いてみることにする。
その1:「アンダーカレント」
映画「アンダーカレント」の主な出演者は次のとおりで、いずれも高畑充希と共演している。
・真木よう子:「問題のあるレストラン」で共演
・井浦新:「にじいろカルテ」「unknown」で共演
・永山瑛太:「怪物」で共演
・江口のりこ:「奇跡の人(2019)」で共演
そして、監督の今泉力哉は、2024年夏公開予定アマゾンプライムドラマ「1122(いいふうふ)」の監督でもある。
ということで、何かと高畑充希と関係ある人々が関わっている映画なので、鑑賞した。
ワタシの勝手な妄想に過ぎないが、女優としての高畑充希の目指す方向性は、真木よう子がひとつの指標となっていると考えている。
真木よう子の持つややジェンダーレス感のあるカリスマ感のある女性像は、ベタベタな恋愛モノは似合わないが、現代の「ある種」の映画、ドラマ、舞台に絶対的に必要とされると思っている。
その「ある種」がなかなか難しいと思われるが、それこそこの時代を象徴する何かを反映するとも思うのだ。
ここでいうところの「ある種」とは、ここ数年のうちに「女優」という名詞よりも、「俳優」という呼称がよく使われるようになったことと深く関係しているだろう。
つまり、「俳優」と呼ばれる女性のアクター(何のことやら)の歴史は、まだはじまったばかり。
既存の映画ではない「ある種」の映画で必要とされる「俳優」がいる。
その最前線にいるのは、ワタシは「真木よう子」なのではないかと感じている。
そして、30代前半の高畑充希は、その「真木よう子」の後を追っているのではないか?
そのような邪念を抱きながら、この「アンダーカレント」観た。
その感想は、Yahoo!検索(旧Yahoo!映画)に記載した。
「アンダーカレント」レビュー:「映画」の「不在」について考える
ということで、やや回りくどい難解な文章を書いたのだが、単純に評価という意味では、大絶賛とは言わないものの、ある程度満足できる映画ではあった。
高畑充希ファンならば、「1122(いいふうふ)」の予習的な意味で観て損はないと思う。
しかし、2023年12月末、ほぼほぼ劇場公開は終了しているので、配信、レンタルで観ていただきたい。
その2:「市子」
映画「市子」主演の杉咲花は、「とと姉ちゃん」で高畑充希の妹役で、その後、その演技力から大活躍しているのは、誰しもご存知のとおり。
だが、個人的にはファンということでもなく、朝ドラ「おちょやん」でさえ未見である。
数作、出演作にも出会っているが、杉咲花目当てに観たわけではない。
例外的に観ていて好きな作品は、ドラマ「ハケン占い師アタル」だけである。
「同期のサクラ」とややテーマがかぶるお仕事ドラマで、脚本は遊川和彦である。
音楽も同じく、平井真美子が担当していて、テーマソングが素晴らしい。
余談ながら、このテーマ音楽(作曲:平井真美子)は、ワタシの携帯の着メロ(自作)にしているくらい好きなのである。
この「市子」はたまたま予告編を観たのだが、面白そうだった。
また、髪型のせいもあるだろうが、杉咲花が数年前の高畑充希に見えて仕方がないのだ。
そういう理由もあり、観ることにした。
これも感想は、「アンダーカレント」同様にYahoo!検索に記載した。
「市子」レビュー:気味の悪い中年男性の雑感
ということで、各メディアによればおおむね好評な映画だが、ワタシはあまり受け入れられなかった。
ただし、杉咲花の迫力のある演技を、否定するものではない。
聞けば、杉咲花はまだ26歳であるというから、凄い。
同じく演技力を評価されていた高畑充希が「とと姉ちゃん」をやっていたのが25歳くらいなのだから、恐れ入る。
というか、杉咲花以外にも有望な若手女優(俳優)はたくさんいるが、この杉咲花を観る限り、ちょっと怖くなるくらいの迫力に満ちていた。
そして、少し羨ましいとさえ思った。
映画としての完成度は、疑問であるものの、この映画は間違いなく杉咲花の代表作のひとつとなると思われるからだ。
高畑充希の映画出演作では、今のところこのようなかたちで主演した代表作はない。
TVドラマを含めれば、主演作はいくつもあるが、映画でこのような作品がないのは、残念なかぎりである。
なお、これは単なる偶然だろうが、「市子」では重要なシーンで童謡「虹」が出てくる。
高畑充希ファンとしては、「にじいろカルテ」でも登場したことで記憶しているこの童謡だが、個人的にはこの歌を子供の頃に聞いたことはない。
調べてみれば、1990年にできた童謡のようで、1970年生まれのワタシが知るわけがないのだ。
1990年以降に生まれた人々には馴染み深いのだろう。
ということで、賛否両論ある映画だとは思うが、「百聞は一見にしかず」。
気になる方は観ていただきたい。
2023年12月公開なので、現在上映中。
その3:「女優は泣かない」
最後に本日鑑賞したばかりの映画「女優は泣かない」も付け加える。
本年「宝飾時計」で高畑充希と共演し、このマガジンの前々回でも取り上げた伊藤万理華が出演している映画である。
あらゆるタイプの役をこなす伊藤万理華は、数年前TVドラマに立て続けに出ていた頃の高畑充希のような存在に見える。
今秋は、「日常の絶景」「時をかける恋人たち」というドラマに連続出演していた伊藤万理華。
このふたつのドラマともに、彼女の魅力が十分に引き出されていた。
しかしながら、やや落ち着いたキャラクターが彼女の持ち味を若干活かしきれていないとも感じた。
だが、この映画では、少し勝気な気性ながら元気なキャラクターを演じていた。
TV局の若手ディレクター役なのだが、これがバッチリハマっていた。
やや猫背なのもいい。
個人的には顔をしかめながら懇願するような表情がとてもよい。
ここでこの文章で取り上げたふたつの映画「アンダーカレント」「市子」はややひねりの効いたストーリーで、2作ともにある意味で問題作と言ってもよい映画だと思う。
その点、「女優は泣かない」は極めて明確なストーリーとたいへんわかりやすい展開、それでいて予測不可能な最後を迎える。
今回の3本の中で郡を抜きいちばん良かったのが「女優は泣かない」だった。(まだYahoo!検索にレビューを書いていない)
結局のところ、この種の奇をてらわないオーソドックスなストーリー、演出の映画は、今の時代にはあまり流行らないのかもしれない。
「俳優は泣かない」ではなく、「女優は泣かない」というタイトルが象徴的なのである。
当然ながらタイトルが「俳優は泣かない」では映画にならないだろう。
この映画では、無視されているが、古き良き「女優」という概念が正当化されている。
現状、それは問題ないはずだが、一部の人には、または数年後は、悪とみなされるかもしれない。
しかし、十分に楽しめて、しかも、「家族」とは何か?「プロ」とは何か?という問題を突きつける。
古い考え方かもしれないが、これこそ、「映画」だと思う。
2023年12月公開だが、上映館が少ないのが悔やまれる。
しかし、全国で順次公開とのこと。
結論:オススメは「女優は泣かない」
結論として、高畑充希ファンならば、3本観ていただきたいところだが、普通の人に単純に勧められる映画は「女優は泣かない」の1本のみだ。
こうして、1年振り返ると今年はじめに「宝飾時計」で伊藤万理華を発見しなければ、「女優は泣かない」も観ることはなかっただろう。
別に高畑充希と比較しても仕方がないが、作品的には、圧倒的に伊藤万理華が多くの仕事をしていたといえる。
しばらくは、高畑充希と平行して、伊藤万理華も追いかけなければならない。
とはいいつつ、来年は、高畑充希ももっと仕事をしてもらいたい。
ということで、来年はまずは、「光る君へ」を毎週観なければならないのだ。