パプリカ
暑い夏の夕方。
窓の外からにぎやかな声が聞こえてくる。
太鼓の音やスピーカーから流れる声。
ああ、盆踊りか。
今年ももうそんな時期なんだな。
盆踊りらしい曲が何曲か続いたあとに、
ひとしきり放送があって、なにやら聞いたことがない曲が流れ始めた。
音が反響してうまく聞き取れない。
でもずいぶん楽しそうな曲だ。
かすかに聞いた記憶があるような気もするが、なんの曲かわからない。
子供が歌っているのかな?
いわゆるなんとか音頭ではなさそうだが、とにかく楽しそうな歌だなぁ。
その曲が「パプリカ」という曲だと知ったのはずいぶん後のことだった。
子供に人気の曲らしい。
きっとなんとか音頭では満足しない子どもたちのために流したのだろう。
鬱々としてベッドから抜け出せない日々に聞いた「パプリカ」は、切ない気持ちとともに心に残っている。
僕の心に深く残っている歌たちのことを書いていきます。