記憶と挑戦
学校の先生をしています。
副顧問として所属しているバドミントン部の大会が近い。
今回の順位が、上級生の最後の大会につながってくる。今大会での順位が高ければ高いほど、次の時にトーナメント表で有利なところに配置される仕組み。この冬の練習の成果が試される、重要な大会だ。精一杯の力を使って、私も、思いつく限りの提案をして(主に身体操作の部分)、とにかく技術を向上させるしかないのである。
今日は活動後のミーティングで、「自信と挑戦心」について話した。
各校、大会に向けて技術を高めるべく日々練習している。当然「上手いチーム」の方が勝っていくわけだが、勝利のための条件はそれだけでもない。特に、実力が同じくらいのチーム同士の試合には、それが顕著に分かる。
勝つためのもう一つの要素は、「コートにいる選手が自信をもってプレーできているか」だと思う。かなり主観が入ってしまうが、自信を身にまとった選手のいるコートは狭く見える。打球はネットにかかったりコートの外に出ることがないのもわかる。
自チームの選手がこの「良い状態」を保てていると非常に頼もしい。普段練習していることが素直にプレーに出てくる上、練習で見たことのない動きに挑戦し始めることもある。自信がついてくると、新しいことに挑戦するエネルギーが出てくる。たとえ本番の試合中でも、だ。
普段の練習は、技術の向上を目指すのはもちろん、この「良い状態」を作り出す準備も同時に行っていく必要があるのである。
それでは、挑戦心が出てくるために自信をつける、というのは、どうすればよいのか。
今、割と再現性がある方法かなと思っているのは、「普段の練習で良いプレーを認識する」ということだ。
自信は記憶だ。成功体験を得て、それをきちんと覚えておくと、行動に自信が出てくる。逆に、ミスしたことばかり覚えようとすると、「どうせ次も失敗だろう」という思考になってくる。当然、挑戦しようなどとは思わず、ただただ委縮していく。
失敗した時は、その原因を分析することことあれ、くよくよと悩んだり、いつまでも後悔したりしてはいけない。ただひたすら、「今」にフォーカスし、次のプレーを考える(そういう文脈で、あらゆる指導者は、叱責することについて、その必要性をもっと考えた方が良いと私は思います)。
良いプレーが出来たら、自分でそれを認識し、記憶し、それを取り戻そうとせず、意識を次へ向けていくと、良いマインドが整うのではないだろうか。
・・・というようなことを、今日は話した。そしてそのために、まずはダブルスのペアの良いプレーをちゃんと言葉で伝えると良いよ、ということも付け加えた。
寒い日が続く。底冷えの体育館で、充実した大会になることを願っている。
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