百人一首と取り札の行方
学校の先生をしています。
昨日は、私が所属する学年で、プチ百人一首大会を。各教室で、和気あいあいと、札を取り合う姿をずっと見ていた。
やっぱりかるたは楽しい。それに、かるたという遊びの中で、カジュアルに「言葉のルーツ」をたどっていくというのも、良いと思った。強い感情と記憶とは、結びつきが強い。かるたで盛り上がったこの感じが、皆の頭にほんのひとかけらだけでも残れば、嬉しい。
競技が終わって後片付けも済んだ放課後、一人の生徒が私のところへ来て、今かばんの中を見て気づいたんですけど…と、手の中に百人一首の取り札が一枚。もう片付けも済んでいたから、今からどの取り札セットに戻すべきか分からなくなってしまった一枚…。
その日使ったセットは45セット。もとに戻そうにも、あまりに途方なくて、思わず二人で笑ってしまった。
その取り札は、「やくやもしおの みもこかれつつ」。上の句は「来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに」、そして「焼くや藻塩の 身もこがれつつ」と続く歌だ。
取り札のもとの場所が分からない今、ちょっとその気分。
まあ、そんな日もある。
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