海と生活
空調とカフェインで違和感を抱えた
身体は浮腫んだ針金のよう
網膜の恥と呼ぶほどの青を目の前にして
子どもは走って、走って、待つ光のもとへ
あるかなきかの海を今日も見る
うすら白く広がる
鮮やかな罪悪感にあぶくが湧いて
モチーフは退屈な日々に溢れ返り
脚の裏に砂を確かめる 寛解
夏の残像は空に浮かんで
たそがれた輪郭を手に入れる
山の端から雲へ
君も寝そべって見下ろしているんだろう
ここは西日がひどく差し
あなたは家路を急ぐ
黒い窓の縁取り
うらぶれた家屋で
魚の背、緻密さは世界だね
包丁は料理に使うもの
私だけが見逃した美しい瞬間
死にたい夏の思い出の束
もう、いいから
ざらざらと流れていけよ
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