未知への準備としてのサブスクリプション
学校の先生をしています。
「最近の高校生は社会の出来事に興味がない!」と、よく言われる。
確かに、授業中などでニュースの話題を振ると、「そんなの知らなかった!」と言うリアクションをもらうことがある。私もそんなに世相に敏感な方ではないが、それでも、そういう場面に出くわすことは多い(もちろん、そういう話をして、知ってると言わんばかりに首を縦に振りまくる人もいる)。
最近の高校生は忙しい。スクラップ&ビルドが下手な学校では様々な課題が課され、日々締切に追われている。SNSもタイムラインの流れが速くて目を離せないし、スマートフォンは面白い。
目の前のコミュニティのことで精いっぱいな時に、広く世の中を見渡すことは、確かに出来ないかもしれない。
私も、高校生当時は同じような感じだったと思う。面倒なことはなるべくしない、ニュースもテレビで流れているものくらいしか知らない。
そんな状態から、今、その時よりは興味を持つようになった。Twitterやnoteのタイムラインをすべらせながら、気になる記事は読むか、貯めておくかする。誇れるほどではないかもしれないが、それが習慣になっている。
いつ、どのようにしてこの変化が起こったのだろう?と考える。
私は極度の面倒くさがりだ。今でも、自分の事は後回し。さらに高校生当時は、好きな音楽でさえ、その興味を広げる努力をしなかった。同じ曲を繰り返し聞き、「何か違うものが聞きたいな」と思っても、行動に移すことをほとんどしなかった。
やがて、Youtubeが出てきて、その辺りから変わった。公式の動画や、関連動画の欄に知らない歌手の映像に表示され、気軽にアクセスできるようになった。どこかのタイミングで、それをちゃんと見ようと思い始め、少しずつ見るようになった。新しい音楽を、じっくり見たり、流し聞きしたり、時には「後で見る」に貯めたり笑、少しずつではあるが、「知らないこと」への関わり方が変わった。それが今も続いている。
今の私の、新しいニュース記事を探してみようとする姿勢は、その姿勢と地続きかもしれない。
いきなり、興味を持てないニュースに触れることは、なかなか難しい。それならば、自分が好きなジャンルで、「開拓する練習」をするのがいいのかもしれない。そしてそれは、いわゆるサブスクリプションサービスを利用するのが効果的なのではないか。
音楽が好きならば、SpotifyやApple music、アニメや映画やドラマが好きならば、huluやNETFLIX。もちろんYoutubeでもいい。そこで「知らなかったけど知ってよかった」という感覚を養うのは、意味がある気がする。そして、例えばSNSで、好きな人が薦めている記事を読んでいく。やがて、新聞のような媒体に慣れていく。という道筋が上手く描ければいいのではないだろうか。
新しい音楽を自分で見つけて自分の範囲を広げるのは、少し手間だけれど、楽しい。その感覚で、少しずつ世の中のことを知っていくというのを面白がれるかもしれない。
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