変換ミス(駄ネタ)
先日、ボカァ、お客様への暑中お見舞いのメールを送ったんです。
あとで送信済みメールを見てみると、「暑中お見舞い脳死上げます」になってました。
このボカァ、急いで訂正とお詫びのメールを送りましたよ。メールを送ってほっとしてしていたら、お客様から電話がかかってきました。
「牛をくれるってどういうこと?」
「は?」
「さっきメールに書いてたでしょ」
あせって送信済みメールを確認してみると、
「暑中お見舞いの牛あげます」
と書いてありました。
ボカァ、村山さんにこの話をしました。
「派手に入力ミスしちゃいました」
彼は眉間にしわを寄せて、しばらく黙って何事か考えているようでしたが、やがて真面目な顔で言いました。
「自慢ではないが、私も入力ミスでお見合い相手に振られたことがあるよ」
「入力ミスだけでですか?」
「薬剤師の彼女に『ヤクザ医師のお仕事、頑張っていますか』というタイトルでメールを送ってしまったんだよね」
「そ、それはだいぶまずいですね」
「それに、このあいだ大阪出張で会議すっぽかしたものだから、『私も腹くくって頑張ってみようと思ってます』と書いたつもりが、『私も首くくって頑張ってみようと思ってます』と送ってしまってた」
「なんと!」
「メールの最後に、『結婚したい』とプロポーズしたつもりだったんだけど、なぜか『血痕死体』ってなっていてね」
彼はまばたきをひとつした後、寂しそうに笑みを浮かべました。
「彼女からの返事は、『はやまらないでください』。それっきりだね」
「でしょうね」
そう言えば昨日、村山さんから全員あてに、「女心をくすぐるってやつか?」という謎のメールが来ました。真相は不明のままなんですが、村山さんは一体何を言いたかったのでしょうか。
いまだに怖くて聞けずにいます。
小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)