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【パロディ】浦島太郎
むかしむかし、ある海辺の村に浦島太郎という若者が住んでいました。浦島太郎は毎日毎日海で魚を釣って、それでお母さんとの暮らしを立てていました。
ある日のことです。一日中魚を捕っていたのに、魚が三匹しか捕れなくて気の重い浦島が家に帰る途中、浜辺で騒いでいる子供たちを見かけました。
浦島がのぞいてみると、子供達が亀をつかまえて、仰向けにひっくり返して足で蹴ったり、砂の中にうずめたりして、亀をいじめているのです。浦島は見かねて子供たちに注意しました。
「まあまあ、そんな可哀想なことをするものではない」
浦島が言った途端に、子供たちは一斉に振り返りました。みんな一様に浦島を責めるような眼をしています。思わず浦島の心臓はどきんと鳴りました。
「おい、あんた、今なんて言った?」やがて子供の一人が口を開きました。
「なにって、私はそんな可哀想なことをするものじゃないって言ったんだよ。ほら、亀も嫌がっているだろう」浦島は精一杯の勇気を振り絞って、亀の方を指さしながら答えました。
子供たちは人を見下すように顎を上げ、白い眼でななめに浦島を睨んでいました。誰一人として口を開きません。子供たちの態度に浦島は少し腹を立てました。「そんなに睨むことないだろう」
子供の一人がゆっくりと浦島に近づき、浦島の言ったことが信じられないというような顔つきで、浦島をじろじろと見つめました。
「なんだって?」やがて彼はいぶかしげにそう訊ねました。
「おっさん、今、なんて言った?」
「そんな眼で、人を見るもんじゃないって言ったんだよ」
浦島はできるだけ穏やかに言ったつもりでしたが、子供たちはみるみるうちに顔をこわばらせました。
「どんな眼で見たっていうんだ」やがてリ-ダー格とおぼしき子供がゆっくりと言いました。「おれたちは亀と遊んでいただけなんだ。そしたら、おっさんがやって来て止めろと言い、挙句の果てにおれの眼付きが悪いという」
「いや、私は何も君の眼付きが悪いなんて言った憶えはないよ」
「さっき、そう言ったじゃないか」
この子は虫の居所が悪くてからんでくるのだろう、と浦島は思いました。こんなところで子供と言い争いをしてもはじまりません。
「いや、これはおじさんの言い方が悪かったようだ。ただ私は亀が嫌がっていたから、止めなさいと言いたかっただけなんだよ」
彼はうつろに浦島を見つめ、もぐもぐと浦島の言葉を繰り返しました。
やがて、にやりと笑って浦島に顔を近づけました。
「あんたは亀が嫌だと言ったのを聞いたのか?」
浦島は少しあきれて、子供の顔を見つめ返しました。
「そんなことは言ってないよ」
「今、言ったじゃないか」
「亀が喋れないのは君たちも分かっているだろう。君たちに足で蹴られて亀が嫌がっていたのは、誰でも見てたら分かることだ」
「へえ、あんたは見るだけで亀の心の中までが分かるのか?」彼は浦島を横目で見ました。「亀が嫌がってたっていう証拠があるか?」
「証拠。そんなものはないよ。馬鹿な」
「馬鹿とはなんだ」彼は拳を握りしめました。
「い、いや、君を馬鹿と言ったわけじゃないよ」
「今、馬鹿と言ったじゃないか」彼は浦島を睨み続けました。
浦島はたじたじとして、彼の顔から眼をそらしました。
勝ち誇ったように胸を反らせて、子供は言いました。
「亀の心の中がどうしておれに分かるんだ。証拠もないのに……そうだろ? 証拠がないんだから、おれたちが遊びを止める理由はないだろ」
浦島はできるだけ悲しげな表情を作り、彼に言いました。
「証拠がなくても、そんなことは分かるじゃないか」
「わからないね」子供は高飛車に、おっかぶせるような調子で言いました。
「それはあくまでおっさんの主観だ。そんな主観で判断されて、文句まで言われたら、たまったもんじゃない。あんたはおれたちに因縁をつけたいだけのならず者なのか」
「いや、私の言い方が気に食わなかったんだったら謝るよ」浦島は吐息をつきました。
「だけど、その、人をならず者呼ばわりするのは、やめてくれないかね。いや、これはお説教ではなくて、頼んでるだけなんだけどね」
「邪魔をしといて、今度はおれの口のききかたにけちをつけるのか? おっさん、あんた、さっきからおれにけちばかりつけてるな」彼は低い声でぼそぼそと言いました。
「じゃ、次はおれに言わせてもらおう」
そう言ってから彼は指を浦島に突き出し、まん丸に眼を見開いて声を張りあげました。
「貴様は自分の思い込みだけで、おれたちの遊びを邪魔したんだ。それどころかおれたちに因縁さえつけてくる。それじゃ、ならず者扱いされても仕方がないじゃないか」そこまで言って子供は大きく息を吸い込んで続けました。
「勝手なことを言うな。悪いことをしたのなら、いさぎよく、悪いことをしましたと言って、這いつくばって謝れ!」
その声は海岸中に響きわたりました。あまりの声の大きさに、浦島は息をのみ、怒鳴り続ける彼の顔をただ眺めているだけでした。
「なんだ、なんだ?」
子供は浦島の視線に気づき、口を尖らせて突っかかってきました。
「なぜそんな心外そうな顔をするんだ。え? 今度はおれに何を言いたいんだ。そんなに怒鳴るなとでも言いたいのか?」
浦島が反省を求める視線を彼に向けたまま黙り続けていると、子供はやや身を引いて眼を細めました。
「そうか。そんなに怒鳴るなと言いたいんだな。そうだろ?」
「そうだよ」浦島は嘆息し、小さな声で言いました。
「目上の者に対して、あまりにも失礼すぎるじゃないか。少なくとも私は年長者だろ」
子供はせせら笑った。「嘘ついておいて、なにが年長者だ」
「もういいよ」浦島はもう話しても無駄だと思い、その場を去ろうとしました。
「おっさん、あんた、白痴か」と子供は言いました。
浦島は自分の耳が信じられませんでした。
「さんざん嘘をついて、人に因縁つけといて、旗色が悪くなったら帰るのか。被害者のおれに断りなしで帰ってもいいと思ってるのか。え? 嘘はつくし、それを注意しても反省しないし、しまいには、謝りもせず帰ると言う。おっさん、あんた、天才的なまでに自己中心的な人間だな」
彼は続けました。
「おい。嘘をついといて、それを論破されたから帰らせてくれと言ったって、そいつは駄目なんだぜ。嘘は嘘。因縁は因縁。罪は罪なんだぜ」
「じゃ、罰金を払うよ。それでいいだろ」浦島は懐中から銭入れを出しました。
「ほう、財布をふりまわしはじめたな」子供は浦島の考えを見透かしたとでも言いたげに、にたにた笑いました。
「おっさんはそんなに金持ちなのか?」
「金持ちじゃないよ。だけど、こんなことでごたごた揉めるのはもう厭なんだ」
「こんなことだって?」子供は世にも不思議な事が起きたかのような顔をして、素っ頓狂な声を上げました。
「嘘がこんなことだって? おれたちに因縁をふっかけることがこんなことだって?」
「いや。それは私の言いかたが悪かった。嘘をつくことはよくないことだが、私は嘘をついたつかないっていう押し問答が厭なだけなんだよ」
「ほう。もしかするとそれは、皮肉じゃないのか。まるでおれが無理矢理おっさんに、罪をおっかぶせたように聞こえるねえ」
「だから、それを言い出すと押し問答になるじゃないか。だったら私が罰金を払って、それでけりをつけようと言っているんだ。それでいいだろう」
「よくないねえ」彼はかぶりを振りました。
「この問題は金だけですますわけにはいかんよ」
「き、君はいったい何を言っているんだ……」浦島の背筋を冷たいものが走りました。
「おっさんは早くおれに金を払いたいんだろ。そうだろ。おれに金を払えば、おれに金を恵んでやったような気分になれるからだ。な。そうだろ? なぜかと言うと、あんたはまだ、嘘をついたってことを自分で認めてないからだ」それから彼は吐き捨てるように言いました。「見ただけで亀が嫌がってることが分かるだなんて、馬鹿にするにもほどがある」
「普通は動物を蹴ったら嫌がるんですよ」浦島はわざと馬鹿丁寧に言いました。
「普通は嫌がるのか? さっきは見れば分かるって言ってたよな。おっさん、あんた、さっきから言ってることが支離滅裂だぜ」子供はわざとらしく意外そうな顔をして見せました。しかし、浦島を言い負かした嬉しさが隠しきれぬように唇の隅にあらわれていました。
「じゃあ、どうすれば早くこの場を解放してくれるのかね」浦島は今度は尊大な調子で言ってみました。
彼は尊大な様子を作って、浦島の口真似をしました。
「どうすれば早くこの場を解放してくれるのかね」嘲笑を浮かべ、子供は浦島の鼻先に顔を近づけました。
「急に態度がでかくなったな、この野郎」
「野郎とはなんだ」むっとして、浦島がそう言い返したとたん、子供の平手が浦島の頬に飛びました。
「でかい口をきくな! 人に嘘をついといて、その態度はなんだ。おっさんが先におれたちに因縁をつけたんだろ。ならず者のようなことをしたからには犯罪者同然の扱いをされても仕方がないだろ。わかったか!」
焼け付くようにひりひりと痛む頬を押さえながら、浦島は彼の勢いに圧倒され、頭を下げて謝りました。
「すみません」
「貴様はいったい何者だ。お代官様の親類か? ああん。それとも将軍様のご子息か?」
たたみかけるような子供の調子に、浦島はどぎまぎしながら答えました。
「いえ。私はただの浦島太郎っていう者です」
「浦島太郎ってのは何だ。あの竜宮城に行く予定の浦島太郎か?」
「そうです」
「へへえ、あんた有名人か」彼はやや意外そうに浦島を頭のてっぺんからつま先まで舐めまわすように眺め、ややおだやかな口調で訊ねました。
「そうか。あんたたが浦島太郎かい。で、今日はなんなんだ?」
「ですから、あの亀を助けて……」
「ははあ、そうか。だからおれたちに因縁をつけたのか」
「はい」
「それであんたは亀の背中に乗って竜宮城に行き、両親のことも忘れて、自堕落な生活を送るんだよな」
浦島が黙っていると、彼はまた浦島に思いっきり、ビシッと平手を食らわせました。
「馬鹿野郎。あれほど開けてはいけないって念を押された玉手箱を勝手に開けて、じじいになりやがって。おっさん、あんたの物語からは何も得るものがないんだよ。全くつまらない物語にしやがって。分かってるのか?」
浦島は強い罪悪感に苛まれ、深くうなだれました。
「すみませんでした」
「そういう具合に、素直に謝ればいいんだよ。で、どうだ? 亀が嫌がってたっていう嘘のほうも素直に謝ってしまえよ」また話をぶり返してきました。
「それであなたの、お気がすむのなら……」と浦島は言いました。
「お気がすむのなら? なんだいそれは? それで謝ってるつもりかい」彼はかぶりを振りました。
「それじゃ謝ったことにはならないな。おっさんの記憶力はニワトリなみかね? おれはさっき何て言った? 這いつくばって謝れ。おれはそう言ったんだぜ」
浦島は眼を丸くしました。
「本当に這いつくばらせるつもりですか?」
「そうだよ」彼は平然としてそう言い、やっと気づいて大きくうなずきました。
「そうか、有名人の浦島太郎ともあろうおかたが子供なんぞの前に這いつくばって、謝るなんてことはできない、つまりおっさんはそう言いたいわけだな?」
「あのう、罰金をお支払いすれば、それでいいのではないかと思うのですが」
「何度同じ事を言わせるんだ。金では解決がつかないと、さっき言っただろ。相当頭が悪いね。そんなことだから、おっさんは約束を破ってじじいになっちまうんだ」
浦島は俯き、ぶつぶつと呟くように言った。
「そこまで私を馬鹿にするなら、仕方がない」
子供は浦島に近寄り、耳を浦島の口元に寄せ、大声で叫ぶように言いました。
「え? 何? 何? なんっと言った? ちっとも聞こえないなあ。そんな小さな声で喋られたんじゃあ」
彼は片方の肩でどんと浦島の胸を突きました。
「もう一度言ってみろよ」また肩で胸を突きました。
「さあ。もう一度言ってみろよ。さあ。え? 何だって?」
「そこまで私を馬鹿にするのですか」
「いや、そうじゃない。おっさんはこう言ったんだ。そこまで私を馬鹿にするなら、仕方がない」
浦島は小さくうなずきました。
「仕方がないというのは、どう仕方がないんだ。何をされても仕方がないと言うのか。そうなんだな。あきらめたんだな。たとえ、ぶん殴られても仕方がないと、そう腹を決めたんだな」彼は突然、浦島の顎に強烈に拳を叩きつけました。
浦島はげふと息を洩らしてよろめきました。
「こうされても仕方がない。そう思ったわけだろ」彼はそう言いながら、浦島を殴り続けました。
浦島は頭から流れ出る血をハンカチでぬぐいながら、砂浜に手をつきました。
「それで気が済んだのなら、もう許していただけませんか」目の前に赤い火花が飛び散っていました。
「おれの気が済む、済まないの問題じゃないよ」彼は荒い息をついて言いました。
「おれがおっさんを許してそれでどうなる? どうにもならないよ。そうだろう?」
「じゃ、つまりこれは、あなたの一存でやっていらっしゃるのではないと……」
「おれの一存で、こんな好き勝手、できるわけないだろう」
「では、誰の命令でこのようなことを?」
「命令ではない。意志を代行しているだけだ。おっさんをとっちめてるのは、浦島太郎というつまらない物語を読まされるであろう将来の子供たちの意志であり、さらには日本中の国民の意志でもあるわけさ。わかったか、この馬鹿野郎」
「おおい。どうしたんだ」
騒ぎを聞きつけて、遠くから人が集まってきました。その方向を見た浦島は恐怖でいっぱいになりました。
かけつけてきたのは、犬、猿、雉を引き連れた桃太郎と熊を従えた金太郎でした。よく見ると一寸法師もいました。以前から、三人が浦島のことをよく言ってなかったのは知っていました。浦島太郎のような何のとりえもない人間は、断固として、日本昔話の主役にさせてはならない。三人は方々でそう言いふらしていたのです。
浦島は身震いしました。あんな怪力どもに逆らったら首の骨くらいはへし折られるかもしれません。一刻も早くここを逃げ出したいという思いがますます強くなりました。
浦島は銭入れの中から小判を2,3枚、震える手で抜き取り、子供にその小判を渡しました。彼はそれをうなずいて受け取り、懐に収めました。浦島はそそくさと、その場を立ち去ろうとしました。
「おい、おっさん、どこへ行く?」子供は浦島の肩に手をかけました。
「まだ、行けとは行ってないぞ」
浦島は驚いて振り返りました。「えっ? だって、今……」
「今、なんだね。おれがもういいから行けとでもいったかね?」
「いいえ」
「そうだろ。言ってないだろ。だいたい、そんなことおれが言うはずないよ。だって、まだ話は終わっちゃいないんだもんな」彼はにたりと笑いました。
やがて、三人が肩をいからせてやってきました。浦島は恐怖で2,3滴失禁しました。
「どうしたんだ?」金太郎が子供に尋ねました。
「こんにちは、金太郎さん。このおじさんが有名な金太郎さんと相撲を取りたいんですって。ほら、お金も貰ってありますよ」子供はさっき渡したお金をその男に手渡しました。
「ほう」金太郎はじろりと浦島を見やりました。
こんな怪力男と相撲を取るなんて自殺行為です。浦島は何の武術の心得もないのですから。浦島は泣きそうな声で言いました。
「い、いえ、結構です」
「結構だって?」金太郎は眼をつり上げて言いました。
「なにが結構なんだ。あんた相撲を取らないって言うのかい?」
「は、はい……あの、遠慮させて頂きます」
「なんだ。遠慮してるのか?」金太郎は大声で笑いました。
「遠慮なら無用だよ、あんた」
「いえ、遠慮しているのではなく、本当に相撲は苦手なんです」
「相撲は苦手」そう呟いて、金太郎は眼を丸くしました。
「本当に相撲を取りたくないのかね?」
「はい」
金太郎は浦島に顔を近づけて言いました。
「それなら、あんた、なんでこんなお金出したんだい? いったい、このお金は何のお金なんだい?」
子供が浦島を睨みながら横から口を出しました。
「そうだ。あんた、それならなぜこんなお金を出したんだ? おっさんは一体どういうつもりでおれにこのお金をよこしたんだい?」
「は、それは、その……」浦島の心臓は破裂しそうに高鳴っています。
「おい、お前、まさか」子供は唸りました。「まさかこのおれを買収するつもりで、そのお金を出したんじゃあるまいな」
浦島は即座に床に這いつくばり、土下座して謝りました。
「もうしわけありませんでした」鳴咽しました。
「私は嘘をついただけでなく、あなた様を買収しようとしました。私は大変なことをやってしまいました。本当にごめんなさい」
子供は浦島の顎を足の先で強く蹴り上げました。浦島は仰向けにひっくり返りました。鼻から血が吹き出し、何か言おうとすると、口からも血が吹き出しました。
「おいおい、何も暴力をふるうことはないんじゃないか」今度は一寸法師が子供を止めました。
「あっ、そうだ。紹介します。このおじさんは浦島太郎なんです」子供は無情にもこう言い放ちました。
「何だって。こいつが浦島太郎か!」今度は桃太郎がその巨大な体を震わせて怒鳴りました。
「それならば、おれたちは日本中の子供たちのためにも、この男にお仕置きしなくちゃいけないのかね?」そう一寸法師が言いました。
「そういうことになるな」金太郎は浦島の髪の毛を引っ張って浦島に念を押しました。
「そうだろ。どうせあんたは親のことを忘れて竜宮で遊びつづける放蕩息子だからな?」
浦島は這いつくばったまま、うめきながら答えました。
「はい。何をされてもいたしかたございません」言い終わるなり、げほげほと咳きこみました。あたりに血が飛び散りました。
「おうおう、可哀相に」
桃太郎は浦島を立たせ、力まかせに殴りつけました。浦島は後ろに数メートル吹っ飛びました。よろよろ立ち上がったら、金太郎が走ってきて体当たりをくらわし、浦島は再び後ろに跳ね上がりました。浦島の目の前で火花が飛び散っています。
今度はうちでの小槌で大きくなった一寸法師の右ストレートが、浦島の胃袋に炸裂しました。一瞬息ができなくなり、その直後に浦島は胃液を吐きました。
「あんたの物語は意味が分からないし、つまらないから、仕方がないよな……悪く思うなよ」
桃太郎は死相が現れている浦島の顔を見て、歯をむき出して嬉しそうに呟くと、浦島の体を持ち上げました。
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