【雑記】『THE NEW COOL NOTER賞』記念文集
『THE NEW COOL NOTER賞』の記念文集が出版されるそうだ。
先日「あとがき」をお願いされたので、いま書いている。
もともとはみこちゃんの「THE NEW COOL NOTER 批評宣言」を読んだのがきっかけ。
この宣言の中で、みこちゃんの作品一つ一つに対する愛情を感じて、『THE NEW COOL NOTER賞』に興味を持った。
ただ、全然関係ない話であるが、
ピカソに似た絵を「この鼻をもっとこうすればもっとすごい」とお父さんが言いました。これが私の親なら私は二度と絵は描かないでしょう。
このくだりを読んで、なぜか子供の頃に読んだドラえもんを思い出してしまった。
たしか、のび太がしずかちゃんの絵を見て「僕が直せばもっとよくなるよ」と言ったときに、しずかちゃんが放ったひとこと。
「あんたはクラスでも一番のへたくそなのよ」
しずかちゃんは他にも、のび太に対して、さまざまな毒舌を吐いている。
「クラスでいちばんわすれんぼのあんたが?」
「あんた」っていう言葉が、子供心にズシリと来たことを思い出した。
極めつきは、しずかちゃんが完膚なきまでにのび太を叩きのめした一言。
「頭も悪い、顔も悪い、スポーツもなんにもできない。よりごのみできる身分か」
しずかちゃん、怖っ、と子供心に震え上がった。
かなり初期の単行本がボロボロの状態で実家に残っているのだが、息子がその本をさらにボロボロにしてしまった。
たしか残っていたのは、1、4、5巻。
いまだに覚えているが、子供のころ、この単行本の4巻を読んで「ドラえもん終わったな」と思った。
なぜなら「ソノウソホントウ」というアイテムが出てきたからだ。
「ソノウソホントウ」とは、口に装着して嘘をつくと、その嘘が本当(現実)になるクチバシだ。
「いやあ、それがあれば、他のアイテム全部いらないでしょ」と思った。
以来、「ドラえもんのアイテムで欲しいものは?」という問いには、タケコプターでもなく、タイムマシンでもなく、どこでもドアでもなく、「ソノウソホントウ」と答えるようになった。
でも実際に手に入ったら、万能の神になって、人生なんてなんにも楽しくなくなるから、いろいろ考えて、最終的には欲しくないアイテムということになる。
やっぱ、このアイテム、反則でしょ?
※『THE NEW COOL NOTER賞』記念文集の話が、途中からドラえもんの話になったことを深くお詫びいたします。
小説が面白いと思ったら、スキしてもらえれば嬉しいです。 講談社から「虫とりのうた」、「赤い蟷螂」、「幼虫旅館」が出版されているので、もしよろしければ! (怖い話です)