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第27話 他県に住む彼女と同棲した話

「兄ちゃんみたい」と言って慕ってくれた歳下の恵介と別れ、友人同士のいざこざの仲介を土下座で解決し、恵介の兄・航太の元カノと同棲することになった16歳頃の私は、岡山県にいた。

桃太郎

岡山県の市区町村までは覚えていないが、近くに「桃太郎通り」みたいな名前の通りがあったのは覚えている。
桃太郎物語の発祥が岡山県なのだろうか、とにかく岡山県は桃太郎の町だった。
よく晴れ、大雨が降っても2時間ほどであっという間に道路が乾き、その水捌けの良さや湿気の少ない特徴から別名・晴れの国とも呼ばれているらしい。
岡山県を振り返ると、真っ先に「おえまー」を思い出す。
これは「いけんなぁ」「よくないなぁ」「そりゃいかん」などの意味を持つ岡山弁の方言で、岡山県では出会う人みんなが使っていた印象。
関西弁でいう「あかん」や博多弁の「いけん」の類義語にあたる言葉である。
岡山県といえば、当時はよく聞いた”お兄系”と呼ばれるファッションスタイルが岡山県発祥だったらしく、有名なデニム工場を構える事でも有名だ。

日本最古のジーンズ工場・ベティスミス

そんな見知らぬ土地にやって来た私は、彼女のあいと同棲生活をするにあたり、彼女のご家族と挨拶を済ませる必要があった。
藍の家族は父、母、妹、弟、祖母の5人だった。
藍の父はやから感たっぷりの大柄な男で、暴君であった…あとで語ろう。
藍の母は関西のお母さんといった感じで、オラオラな男を手玉に取った気の強い女性。
藍の妹はHIPHOPが大好きな中学生で、弟くんは「先生マンコってなんですか!」と参観日をザワつかせる小学1年生。
おばあちゃんは女性の割に縦にも横にも大きな体格をしていたが、優しい方だった。
そして犬が1匹。

私は比較的すぐに受け入れられたと思う。
いや、私が子供で何も気付いていなかっただけかもしれない。
面識のないチャラチャラした青年が他県から突如やってきて娘と同棲をするなど、並の感覚じゃなかなか受け入れられないはずだ。
しかし、当時はきっとSEXの事しか頭になかった。

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