【JMS#10】メッキで主張するイカツイやつら<その①>
その昔、ホットウィールというと「なんかメッキピカピカでデフォルメ過ぎてオモチャ感ハンパないよね~」なんて思ってた僕ですが、最近はそれが逆に魅惑ワクワクに感じてしまっているのは、なぜなのでしょうね。
◉異常に巨大な6気筒の野獣
HOT WHEELS「SIXY BEAST」(2006)
「SIX SHOOTER」というキャスト(下の写真参照)をデフォルメ(Tooned)したものらしいのですが、「こういうデフォルメのしかたがあるのか」と思わされる変化っぷりです。実車のデフォルメではなく、架空のキャストをデフォルメしてしまう、というのもHWらしさと言えますね。
ピカピカ6気筒どデカエンジンもいいですが、個人的には全て径の違うデザインの3つのホイールがひと手間かかってる感じで好きですね。あと燻したようなオレンジにくすんだブルーのフレイムマーキングも好みです。この間、沖縄から来てくれた1台。ジャンクと呼ぶにはそこそこ美品です。
この2006年バージョンと、2004年のパールパープルカラーの2バージョンしかリリースされていないので、レアといえばレアかも。
◉グリルもメッキだったら最高の1台
HOT WHEELS「1941 FORD PICKUP(TOONED)」(2003)
ちょっと前にピックアップ好きをカミングアウトした回では紹介しなかったToonedモデルのフォードです。こってりしたイエローとブラックのカラーリング、前傾姿勢のザ・ホットウィール!なフォルムと横出しマフラー、ルーフに描かれた"Flying 41"のグラフティも相まって実にウエストコースト。
このフォード、うちには2台やってきていて、もう1台は傷みが激しいので美品のほうでご紹介です。グリル部分がボディと同じイエローになっていて、ここもメッキにしてくれたら文句無しなんですけどね。
◉前がまったく見えない超デンジャラスカー
HOT WHEELS「TWIN MILL(HARDNOZE)」(2006)
「ツインミル」は1/1レプリカも造られるほど、HWでは人気のキャストですが、これはそのデフォルメバージョン。"HARD NOZE"の名前の通り、フロント部分が異常に「でっかくなっちゃった」シリーズの1台です。HWのこういう発想が面白いなーとつくづく思います。こういうのを好むファンがいるというのがアメリカの裾野の広さというやつでしょうか。トミカじゃなかなか出てこないですよね。
👇実際のツインミルの実車版。乗ってみたい! 普通のツインミルでも、めちゃくちゃ前が見にくそうなので、このハードノーズ版なんか前は全然見えないでしょうね。
◉1000ccの'50年代英国車を激カスタム
HOT WHEELS「MORRIS WAGON」(2003)
1952年(昭和27年)にイギリスで造られた「モーリスマイナー1000"トラベラー"」という実車がベースになったカスタムモデル。ちなみにベースの車の設計者はあのミニの設計をしたアレック・イシゴニス氏だそうで、言われてみれば顔立ちはどことなくミニっぽいです。
ルーフには金色と白で"Birthday"と"1"の文字が印刷されています。そもそもこの<バースデイパック>ってなんのバースデイなんでしょう? HWのバースデイ? ボディはいわゆる"ZAMAC"と呼ばれているダイキャスト剥き出しのタイプですね。
下の実車写真を見てもらうと分かりますが、このタイプの車にドドン!とデッカいエンジンを乗せてみちゃうという発想がもう、HWです。変態です。常識に囚われていてはこういうこと思いつきませんよね。
◉究極のダイエットを果たしたヤツ
HOT WHEELS「LOW CARBS(DROP TOPS)」(2005)
直訳すると「低炭水化物」という妙な名前は、ボディの余分な部分を削ぎ落したスタイルからきているのでしょうか。「ドロップトップス」と呼ばれる屋根がつぶれたような扁平ボディにデフォルメしたシリーズの中の1台で、この「ローカーブス」はシリーズ最初の年(2005年)の10台の中のひとつ。重心が低いので走行競技などでは優秀な成績を出すキャストなんだとか。
前半分のメッキはすっかり剥げてしまって輝きは失われてしまっていて、ちょっと残念ですが、クリアルーフの上のストライプなどはかろうじて残っていて、つや消し黒のボディと相まって、バットモービル系の渋クールな面影を残していますね。同年リリースで、ホイールが別パターンのものも存在するみたいですね。状態のいいヤツがあったら欲しいなー。
というわけで、メッキの主張が激しい連中を紹介してみました。第1回はここまで。
HWでは主にエンジンパーツに多用されているメッキ加工ですが、子どもの頃はなぜかあのピカピカに心奪われがちでしたね。遊んでいるうちに少しづつ剥げてしまい、プラスチックの地味な下地が見えてくるのは悲しいものでしたが、こうしてジャンクと割り切って眺めていると、それはそれで時の流れを感じさせる味わいもあります。革のお財布やジャケットのように・・・って、そこまでいいもんでもないか💦