【JMS#04】思い出の半分はマッチボックスだった
『ジャンクモーターショー』、マッチボックス編はじめます。子どもの頃になにかの空き箱に詰め込んでいたミニカーたちで、一番多かったのはトミカなんですが、その次に多く持っていたのがマッチボックスでした。皆さんのところはどうでしたか?
◉謎の「tomica」シールに妄想が膨らむ
MATCHBOX「FIELD CAR」(1972~1974)
トミカの展開にも影響を与えたといわれるマッチボックス。1950年代後半から本格的な商品展開が始まって、日本では60年代頃から輸入販売されていたようですね(当時はどのくらいで売ってたんだろう?)
今、手元にあるジャンクの中で最もキャスト年が古いのがこちらのフィールドカーです(1968年製造開始)。「1-75」シリーズという、ホットウィールで言うところのメインラインのラインナップで、ホイールの違いで数バリエーションあります。写真のモデルは1972年から74年の間に販売されていたタイプのようです。
これはリペントしようと思っていた1台で、欠落しているリアのスペアタイヤも復元しようとタイヤパーツなんかも購入しましたが、結局手つかずのまま。ルーフやボンネットには油性マジックで落書きもありますが、一番気になっているのが、ドアに貼られた「tomica」の紙シール。反対側のドアにも貼られていた形跡があるのですが、いくら調べてもトミカが販売した記録は無いので、おそらくオーナーさんが個人的に貼られたものなんでしょう。これはこれでなんだか物語を感じて味わい深くて、リペイントを躊躇する理由でもあります(笑)
◉牙を抜かれた傷だらけのクーガー
MATCHBOX「MERCURY COUGAR(RAT ROD DRAGSTER)」(1970~1973)
ボンネットにぽっかりと穴が開いた傷だらけの、これぞジャンク!な1台です。クーガーのドラッグ仕様になりますが、ちょうどマッチボックスが後発のホットウィールをライバル視して、<スーパーファスト>の名のもとに類似アイテムを作り出した時期のものです。当時ファンからは「マッチボックスはド派手でチャラいクルマなんか出さなくていいから!」と言われてたようですね。結局今は同じマテル社傘下になっていますが・・・。
左ドアには「RAT ROD」のシールが残っています(右側ドアは剥がれていました)。基本的にこの頃のマッチボックスはタンポ印刷ではなく紙のシール貼りがスタンダードだったようです。全体に傷が目立つ個体ですが、やはりボンネットのメッキ・エンジンパーツが無くなってしまっているのが一番惜しまれますね。
◉押すとシューッと転がっていく、ってこと?
MATCHBOX「Woosh-N-Push」(1972~1976)
そもそも"Woosh"が何を表す単語か良くわからなかったのですが、どうも日本語で言うところの「シューッ」に相当する擬音語のようです。お子さま向けのネーミングなのでしょうか? 70年代に数多く誕生したというオリジナルデザインの一つですが、人気はイマイチだったようで、カラーバリエーションを3色リリースして(うち1色、メタリックマルーンはナンバーシールが「2」と「8」の2パターンあり)1976年を最後に途絶えていますね。
上の画像は色調調整に失敗してますが、実際は下のようなレモンイエローのボディカラーです。背中にナンバーを背負っているのでレースカーという設定だと思われます。うちのも変色してますがしぶとくシール残ってます。
◉これは救急車だ。だって患者が乗ってるもの
MATCHBOX「STRETCHA FETCHA」(1972~1976)
これもWikiによれば<スーパーファスト>の1台。何語かもよく解らない名前が付いていて「す、すとれっ・・・ちゃ、ふぇ・・・ふぇっちゃ?」てな感じにになってしまうのですが、どうやらスウェーデン語らしいです。ストレッチはなんとなくわかるので、ストレッチャーの役目を果たす車、すなわち救急車ということなんでしょう。
もちろん、これは実在しない車輌。こんなガラス張りの救急車、嫌でしょう💦 運ばれるほうも周囲の人も。水陸両用車っぽいフォルムですよね。これ面白いのはテールゲートが開いて、中が覗けるんですが、ちゃんと右サイドのベッドみたいなところに、誰かが寝ているんです。
美品には左右側面に「AMBULANCE」の文字と赤十字の入ったシールが貼られています。シャシー部分が無塗装のバージョンと赤塗装のバージョンがあるようですが、僕のは赤バージョンでしたね。
◉コイツも子どもの頃、おもちゃ箱の中にいた
MATCHBOX「SOOPA COOPA」(1973~1974)
そうなんです。こいつもジャンク山の中にあった1台なんですが、実は幼少期に持っていたミニカーの中にいたのを克明に覚えていまして、予期せぬ再会に感動しちゃった1台だったりします。
忘れもしないメタリックブルーのボディに、クリアオレンジのキャノピー。これもオリジナルデザインだと思いますが、どことなくスタイルは「Woosh-N-Push」に似ていて、後部に突き出ているエンジンパーツは、まったく同じものが使われています。ただ、こっちはインテリアのほうはゴージャスなモールドの4人乗りシートタイプになっています。
眺めているだけで、なんか無性にノスタルジックな気持ちになってしまいますね。それだけでジャンクとはいえ、僕にとっては価値ある1台です。
それにしても「すーぱくーぱ」ってどういう意味?
ということで、マッチボックス編、70年代前半に作られた5台を紹介してみました。なぜかホットウィールに比べて古い初期の頃のモデルが多いんですよね。もう50年以上も前に販売されたクルマたちなので、痛みも激しいのは当然ですが、ダイキャストだからこそ、こうして今も楽しませてくれているんですよね。ありがたや。
次回は<マッチボックス編#02>で残りのジャンクカーをご紹介します!