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【MONO-OKI】#19 最後にかるた取りをしたのはいつだろう?

久しぶりに押し入れに整理したMONOをご紹介することにします。一時期、お絵描きの参考資料としてコレクションにハマっていた昭和レトロな「かるた」から「仮面ライダー」のかるたをご覧ください。


大人気だった「こいでのかるた」

子どもの頃はあまりメーカーなど気にかけることも無かったのですが、当時の昭和特撮やアニメのかるたと言えば「こいでのかるた」がポピュラーだったようです。「こいで」は正式には「小出信宏社」という東京の会社で、いろはかるたの世界ではキャラクター物をほぼ独占的に販売することで成功を収めていたようですが、70年代の半ば、経営判断ミスがたたって突然の倒産をしてしまいます。現存する「こいでのかるた」たちは、少なくとも会社が存在していた1974年(昭和49年)までに発売されたものです。言い換えると1974年以降の特撮やアニメ作品のかるたは、「こいで」からは出ていないということですね。※詳細は以下のサイトを参照しました。

キャラクター物のかるたをほぼ独占していた「こいで」の倒産は、業界に戦国時代を招き、多数のメーカーがキャラクター物のかるたに参入したようですが、最終的には「セイカノート」「ショウワノート」の2社が「こいで」の築いたマーケットをモノにすることになったようです。

「仮面ライダー」かるたを見てみよう

さて、今回は1971年(昭和46年)に放送開始となった『仮面ライダー』のキャラクターかるたを持ってきました。絵柄からするとTV版の内容ではなく石ノ森章太郎が当時描いていた漫画版を素材にしているようです。
全部を紹介するのは間延びしてしまうので、個人的に興味深いと感じた絵札を中心にピックアップします。

◉特撮版とは違うショッカー怪人たち

読み札で名前が明らかなショッカー怪人6体

漫画版が元になっているというのは、4本腕で描かれている蜘蛛男の姿で一目瞭然です。このかるたで名前が読み札で明らかになっている怪人は6体。蜘蛛男、蝙蝠男、さそり男、はち男、サラセニアン、わに男なんですが、実は石ノ森センセの漫画版に登場するのは蜘蛛男、蝙蝠男のみ。

さそり男はTV版に出てくるヒューマノイド型とは似ても似つかぬ、どっちかというと『仮面ライダーアマゾン』の獣人みたいなフォルムですし、はち男に至っては姿もそうですが、雄雌も入れ替わってしまってます。わに男も獣人っぽいですよね。唯一、なぜかTV版にしか出ていないサラセニアンが、サラセニアという名前で登場。TVでサラセニアンの回が放送されたのが1971年(昭和46年)の4月24日だそうなので、それ以降あたりで商品化されたんでしょう。個人的には「わに男の尾にはねられる仮面ライダー」がなんだかツボです。

名前の明かされていない怪人も2体います。
「ほ」のほうは漫画版のうつぼ男にも見えますが、特定できませんでした。

◉本郷猛のプロフィールにフォーカス!

タッチは石ノ森センセっぽさも感じつつ、すがやみつる先生版っぽくもあり。
かるたの絵は描き手不詳なのが残念!

望まずして改造人間になった本郷猛のとまどいや苦悩を読み札にしたり、漫画版で表現されている怒りモードの際の顔の筋も取り上げられていて、なかなか渋いところを攻めてるな~と思ったりも。

◉やたらと多い"ルリ子"札

しょっちゅうピンチに陥ってることがわかりますね

当初はヒロインとしてもっと存在感を出す予定だった緑川ルリ子さん。TV版では藤岡さんの事故によるシナリオ変更の煽りを喰らって、早々に姿を消してしまいましたが、かるたではわりと頻度多めに出てきます。
それにしてもこのファッションはちょっと・・・。黄色いマフラーのせいなのか、サイボーグ009のメンバーみたいに見えます。

◉知られざるショッカーの秘密

ショッカー基地がかるたにも登場!
みんなやっぱり気になるんですねー、ショッカー基地

「おそいくるあくまのてさき」と言いながら、早々に「ショッカーの命令指揮はコンピューター」ってバラしちゃうあたりがスゴイです(笑) 漫画版でも最後のほうにようやく判明する事実をサラッと。
このかるたが連載や放送が終わってからの発売なのかもしれませんが・・・それにしては出てくる怪人が序盤のヤツしかいないし・・・。謎です。
見せしめに焼き殺されちゃってる戦闘員とか、リモコンで操られている改造人間とか、あんまり見たことのないシーンが見られます。そもそも戦闘員もショッカーっぽくないですしね。漫画版ともTV版とも違いますね。

◉パッケージからわかること

今回紹介しているかるたの箱絵なんですが、そこにはヒルゲリラ、ユニコルノス、ミミズ男が描かれていまして、側面にはギルガラス、ジャガーマン、カブトロングが描かれています。となると、1972年(昭和47年)6月24日放送のカブトロング登場回以降の製品ということになるのですよね。

で、実は「こいで」の『仮面ライダー』かるたはもう1種類あるようでして。こちらがその箱絵。もしかして、僕の入手しているかるたは、もともとこちらの箱に入っていたバージョンなんではないかと推察しています。

どうやら「ほ」の札に描かれていた名前不詳の怪人はコブラ男っぽいです

もうひとつのバージョンの絵札・読み札は、ほとんど怪人登場の札になっていて、地獄大使や2号ライダーまでフィーチャ―しているので、このかるたよりは後年に作られたのは間違いないでので、初期版と後期版の箱と中身が入れ違ってしまっているのではないか?と思うのですが、オークションサイトなどでは、どちらのパターンもあったりするので確証はありません。

かるた文化はまだ息づいているんですね

僕らの子どもの頃はこういうカルタをお正月のたびに買ってもらっていたような記憶がありますが、最近はどうなんだろう? と思って調べてみたら、なんとなんと、ちゃんと販売されてるんですね!

セイカ(サンスター文具)のかるたはトリガーとドンブラザーズが最新っぽい

仮面ライダーにいたっては最新の『ガッチャード』版がショウワノートさんから。そしてバンダイナムコ資本下のサンスター文具さんからは、セイカブランドでウルトラマンとスーパー戦隊のものが販売されていました。なんとなく、サンスター文具さんのほうは放送終了からやや遅れ気味っぽいですけど。ショウワノートさんの商品は、数遊びやABCも学べるハイブリッドなかるたになっていて時代の流れを感じますね。

マイコレクションの昭和かるたは、他にもいくつかありますが、また折を見てご紹介できたらなと思います。

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