【JMS#05】マッチボックスの混迷が見える車たち
『ジャンクモーターショー』、マッチボックス編の後編になります。ジャンクとして手にいれたマッチボックスは今回ご紹介したもので全部。意図せずして出逢ったビンテージミニカーたちをご覧あれ。
◉走らせたら回る&動くギミックが楽しい!
MATCHBOX「TURBO FURY」(1973~1978)
マッチボックスには<ROLAMATICS(ローラーマティックス)>というカテゴリーがありまして、この「ターボ・フューリー」もその1台。タイヤを繋いでいる車軸にギア的なものが仕込んであって、タイヤの回転にあわせてボディの一部が可動するという面白いプロダクトです。
「ターボ・フューリー」の場合は、テールエンドにデッカイふたつのプロペラが付いてまして、これが左右それぞれのタイヤの回転に連動して回転するんです。往年のブラバムF-1のファンカーっぽい。あるいは『マシンハヤブサ』っぽい? はたまた『マッハGo!Go!Go!』っぽい?
ホットウィールにもこういうタイプのモデルとかありそうですが、実物を見たことがないですね。どうなんでしょう? この時期、マッチボックスもホットウィールに負けじと、いろいろ創意工夫を凝らしていたんでしょうね。他にもドライバーが上下するバギーとか、マフラーが上下するマシンとか、こういうギミックは子どもたちには人気だったんじゃないでしょうか。
◉走ったら風圧でのけぞっちゃうT-BIRD
MATCHBOX「1957 FORD THUNDERBIRD」(1986)
お分かりのようにオープンタイプのクルマですが、肝心なフロントガラスが割れて無くなっちゃっていますね。このタイプのミニカーにはあるあるなダメージです。僕も子どもの頃は、この手の破壊を繰り返していた記憶があります。実車だったらとても普通に乗っていられませんね。
80年代のキャストなんですが、傷み具合は70年代モノに匹敵するくらい激しいです。この手のフォルムが好きな僕としては美品が欲しくなる1台です。光沢ブラックにクリアオレンジのウィンドウが、めちゃくちゃ渋いなーと思います。やはりマッチボックスは、こういう渋いオールドカーがハマってますね。
◉ギンギラギンにさりげなくないフェラーリ
MATCHBOX<SLEEK RIDERS 5-PACK>
「FERRARI F40」(1997)
この時代のモデルになってくると、ホットウィール同様に世界のあちこちで生産されているマッチボックス。このF40も製造はタイになっています。もともと1988年キャストのモデルですが、これは<SLEEK RIDERS>という5台セットの中の1台としてメタリックなカラーリングが施されています。
"SLEEK"というのは"洗練された"という意味だそうですが、個人的には洗練された感じにはちょっと見えず・・・(笑) 皆さんはどうですか? ここまでくるとマッチボックス感がほぼ失われてしまって、ホットウィールじゃないの?と思ってしましますね。でもチビッコたちはこういうピカピカで派手なのが好きなんだろうなあ。
ちなみにリアウイングが湾曲しているのはデフォルトではありません。誰かに踏んづけられたのかな。
◉チーム・マッチボックスの2人のドライバー
MATCHBOX「HI-TAILER」(黄:1978/青:1975~77)
なぜか2台セットでやってきた<スーパーファスト>「ハイ・テーラー」。型は同じですが、乗っているドライバーの色が違っていて、黄色のほうは後期タイプで、青色のほうが前期タイプになります。スケールが1/58になっていて、他のモデルよりもひとまわりサイズが大きいですね。前後のホイールが違うデザインになっているなど、面白いところもありますが、ディティール自体は大味で、眺めて楽しむというよりもコースをガンガン走らせて遊ぶやつですね。
剥き出しのV8エンジン部分が、茶色と銀メッキで違っていて、最初はそういうバリエーションがあるのかと思っていましたが、調べてみると単純にメッキが綺麗に剥がれて素地の茶色のプラが露出しているだけでした💦 黄色ドライバーの後期タイプは、シャシーも赤く塗られているはずなのですが、こちらも色がすっかり剥げてしまっています。
というわけで、マッチボックスのジャンクカーたちをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? ホットウィールに比べて年代の古いモデルが多かったですね。ジャンクひと山買いの面白さは、普通なら買わないようなモデルに出逢えることですね。
ああ、そうそう、いわゆる3inchサイズを紹介してきたのですが、マッチボックスでもう1台、大きめサイズのジャンクもあったので最後にそれを紹介しておきます。
◉これはもはやミニなカーではない気がする
MATCHBOX<SPEED KINGS SERIES>
「BERTONE RUNABOUT」(1972~1977)
マッチボックスの大型サイズラインナップ<スピードキングス>というシリーズの1台です。これ元になった実車があるんですよ。「アウトビアンキA112・ランナバウト」で、ベルトーネが1969年にデザインしたコンセプトカーです。僕と同い年のクルマですね(笑)
手元にやってきたランナバウトは、ボンネット上のシールも剥がれていて、ジャンク中のジャンクになっていました。海外サイトなどでは美品が1万円台で取引されていますね。
しかしデッカ過ぎて持て余しちゃいますね。ここまで大きいと、もはやミニカーと呼ぶのが躊躇われます。