黙殺された日本経済停滞の原因、そして誰も本当のことを言わなくなった②
①はこちらです
今回取り上げる徳田博美氏(当時野村総研理事長)、沼田忠一氏(当時第一勧業銀行取締役)、黒沢洋氏(日本興業銀行副頭取)はBIS規制適応前、なんと1988年※にBIS規制が日本経済に与えるインパクトをほぼ言い当てていた方々です。
※1988年はBIS規制の国際合意(日本も参加)が成立した年で邦銀への適応は1993年前後からです
↓徳田博美氏
BIS規制は経済界全体に重大な影響を及ぼし、貸し出しの伸び率が抑制される
採算性の悪い中小企業と取引ができなくなる。儲からない年は貸し出しが増やせなくなる。
この100年の仲を90年代に経済発展の為の改革という完全な嘘の説明で金融ビッグバンでぶっこわしたのが対米従属の自民党です。
ご存じのようにその後30年に及ぶデフレで、貸し出しが全銀行で増やせなくなり名目GDPが停滞しました。
日本経済はBIS規制で縮小均衡に陥る
これこそが失われた30年の日本経済の姿です。利益がすでに出ている会社に金を貸そうとしても低金利でしか借りてもらえず、大きな投資で将来価値を生み出す現時点で利益の出ていないプロジェクトや企業には金を貸せなくなるからです。(信用創造は市中の貨幣量を膨張させます)
そうするとマクロでは売り上げと利益率が社会全体で増えなくなるのです。
BIS規制は日本の銀行の活動抑制のための報復である
高度経済成長を作った方々は失脚。失われた30年を作った人々は天下り
ちなみに徳田博美氏は90年代にスキャンダルで失脚し、沼田氏の第一勧業銀行や黒沢氏の日本興業銀行は金融庁によって倒産させられています。
90年代の金融ビッグバン(BIS規制の強化や不良債権処理)を計画立てた池尾和人氏、実施した金融庁の五味廣文氏や乾文男氏など、その後の金融再編で天下りしまくっている方々と対照的です。(小泉内閣で不良債権処理を大臣という立場で推し進めた竹中平蔵大先生のその後のご活躍もしかりです)
私にはこれがある種の革命がおこったように見えます。
この革命は下記のような人々によって引き起こされ、日本の中枢はかなりの割合で現在も彼らに乗っ取られているのでは?
日本経済を封じ込めたい欧米+その漁夫の利にあやかりたい日本人(の裏切り者)+極左(共産主義者=実態は超エリートによる国家支配をもくろんでいる人々。自分がそれに値すると考えている。エリート封建主義者)
日本は55年体制などではなく何か別の90年代体制になっており、誰もそのことに気が付いていない可能性があるのです。