句:社会的構築(物)
社会的構築物とは、偏見や(悪い意味での)常識のこと。
多くは『解体すべきもの』を指す、否定的なレッテルのひとつ。
(解体済の)社会的構築の例
ある時代、天動説はごく当たり前の考えで、どんな理由があろうと疑う方がおかしいと言われる程、まるで実体ある構築物のように強く信じられていた。
もちろん実際には地球の方が太陽の周りを周っている。現代では既に解体された、誤った世界観だ。
他に『参政権は男性だけのもの』や『黒人は白人に劣る』なども、かつては同じように当たり前の観念だった。
その時代においては不変のものと思われがちだが、解体可能だったことは現代から見れば間違いない。
そして、現代の我々が不変の法則のように感じているものにも、社会的構築は多く存在している。
社会的構築だ→火を放て!(?)
この語は攻撃対象を指すことがとても多い。そういった主張においては、社会的構築を庇い立てしただけで古臭い旧弊を維持しようとする体制側/資本家/男尊女卑側の犬と見做されてしまうことさえある。
もちろんそれは暴論だ。なにせ人権思想・自由や平等の価値・民主主義や法治主義など、人類が歴史を通して獲得してきた観念もすべて、社会的構築には違いないのだから。
“天は人の上に人をつくらず、人の下にも人を作らず” は、多くの人が賛同する理想ではあっても宇宙の法則ではない。
確かに、解体すべき固定観念もある。だがそれは被害者を出したり社会に害を為したりするから問題なのであって、社会的構築であること自体は非難する理由にならない。
社会的構築ではない(はずの)もの
『当たり前だと思っているものこそ当たり前ではない』という未来からの問いなので答えにくいが、例えば地球という惑星は社会的構築ではない。遺伝子や染色体も社会的構築ではない。
人類社会が新たな合意を結んでも消えるようなものではないからだ。
──常識的には。
地球が丸いという説を天動説のような陰謀論だとする人は実在する。
彼らの常套句は『君は自分の目で地球が丸いと確かめたのか?』『確かめてないなら疑うべきだ、君は騙されているんだよ』『常識? それって思考停止だろ?』といった具合。
今や驚くべきことに、身体的性さえ解体すべき構築とされることがある。
社会的性規範が解体され始めた時も当初は驚かれたことだろうが。
なんとなれば、世間が当たり前で解体不能だと見なしているものほど、古臭い社会的構築だと指摘することの社会的インパクトは大きいのだから。
つまるところ
社会的構築とは、冒頭で述べたように、否定的レッテルである。
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