Yuri UMEHARA
ソーヴ・キ・プ。 生き延びることができる者は全力で生き延びよ。
※某所で出されたお題(設定)を元に書いたショートショートです 「ちいさな0211」 <そうだ、星空は、いつだってぼくをわらわせてくれる!> 本がこのくだりにさしかかると、私は本を床に置いてばんざいをしながら読み上げる。MATSUYAはそのやかんというものを模した丸っこい体をぽんぽんとはねさせる。宇宙船から見える星空は、いつもなにも教えてはくれないけれど、私たちのくらしの中でかすかに変化する唯一のものだ。 <空をみてみよう、心でかんがえてみよう。> <おとなのひとは、
如月水の潔いショートカットの襟足を見ながら、制服の白いシャツの襟との対比が眩しいなと思いながら、5時間目はなぜこんなにも夏に溶けていかないのだろうと思いながら、皐月かなたはほおづえに疲れてきていた。 満腹で受ける老教師の地理はもはや昼寝のための時間だ。それをかろうじて繋ぎ止めているのが、前に座る親友の後ろ姿だっ……うそうそ、もう眠い、寝るしかない。 ぽとり、と水がたたんだ紙をよこす。 《学園祭でやるオリジナル曲のタイトル考えて》 その下にすぐ 《kurokami short
友人が「身も心もダメになったときにすることのリスト」なるものを公開しているので考えてみた。 ※本当に身も心もダメになったときはちゃんと病院へ行ってください。 とりあえず自分で動けそうなら、 ・肌触りのいいものに包まれる(服、毛布、抱き枕など)(心身) ・あたたかくて好きなものを飲む。基本は中国茶(でも淹れるのにわりとエネルギー使う)冬ならチャイとかマシュマロをたくさんいれたココアとか(心身) ・カットフルーツ盛り合わせを食べる。そのまま食べられるフルーツでもいいけど見た目
私たちの間にあるのは友情ではなかったし、夏だけではなく春も秋も冬もあった。 でもなぜか、いつも夏だった気がしている。思い出すシーンが、すべて夏になる。初夏の木漏れ日。炎天下。夏の夜。雷を伴う夕立ち。夜店。秋の気配。秋の気配。 一番最後に、そして一番無邪気に、ふたりの時間を楽しく過ごしたのが夏だったから、すべての記憶をそこにぎゅっと詰め込みたいのかもしれない。 星野源の「friendship」という歌が好きで、iPodにも入れているので割と聴いていたつもりだった。でも先日AN