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【朗読】しん劇の関西弁で名探偵ホームズ『赤毛組合』

おはようございます。
しん劇でございます。

名探偵と言えばシャーロック・ホームズ。

これは世界の常識であり、そう認識せねばならない揺るぎない基準だと思います。

ただし、日本では少し様子が違うみたいでして…

まず、日本には名探偵明智小五郎がおります。
江戸川乱歩が生み出したこの名探偵は、名作短編『心理試験』で推理マニアを唸らせ、『蜘蛛男』『魔術師』『黒蜥蜴』『黄金仮面』といった通俗長編の数々で一般大衆を熱狂させ、少年探偵団シリーズで子供たちをとりこにした、稀有な存在。

特に少年探偵団シリーズ。これはポプラ社が出している、子供向け探偵活劇で、大人向けの作品を子供向けに編集した作品も多いのです。

この、ポプラ社の存在が、日本独特なんです。

ポプラ社の3本柱が、乱歩の少年探偵団シリーズと、ルブランの怪盗ルパンシリーズ、そしてドイルの名探偵ホームズシリーズ。

ルパンとホームズは、いずれも訳者が少年探偵団同様に子供向け編集した内容で、おそらく今の40代50代は、子供時代にポプラ社の洗礼を受けているはず。

問題はルパンシリーズで、作中にルパンのライバルとしてホームズが(原作者に無断で)登場し、ルパンにしてやられるのです。
特にシリーズ中屈指の名作と言われる『奇岩城』の中でのホームズの扱いたるや!
ひどい、ひどすぎる!(笑)

いや、笑い事ではなく、ルパンシリーズを先に読んだ子供は、みんなホームズに対して印象が悪くなるものですから、ホームシリーズ読まなくなるんですね。

かく言うあたくしも、生まれて初めて読んだ推理小説(探偵活劇)が、ポプラ社の『奇岩城』なものですから、新潮文庫のちゃんとしたホームズを読んだのは、高校生になってからでして…

その頃にはすでに、金田一耕助やポアロやエラリークイーンを読んでしまったあとなので、ホームズを物足りなく感じちゃって…

罪作りなポプラ社です(笑)

しかし、高校生と言えば大人の読者でございますから、書かれた時代やなんかをちゃんと考慮した上で、作品を評価いたします。決して物足りないだなんて的はずれな過小評価はいたしませんよ。
そう言えば、何年か前に乱歩作品を舞台化したとき、お客様アンケートに「今どきこんなトリック、バカにしてる」と書かれたことがあります。けっ!(笑)

推理小説の基本的なパターンは、ホームズシリーズで全て出来上がったと言っても過言ではないでしょう。
それをふまえた上で、ホームズシリーズを読む楽しみ。

ホームズシリーズは、いつまでも色褪せない不滅のミステリー作品なのです。

さて、10月中旬に、あたくしの所属しておりますミステリー専門劇団回路Rが、朗読サスペンス劇場スペシャルとして、ホームズシリーズから『まだらの紐』と『黄色い顔』を2本立て有料配信いたします。

今年2020年は、回路Rが昨年一昨年とホップステップと来て、ジャンプする大躍進の年になるはずだったんですよね(笑)

手始めとして2月に朗読劇『名探偵明智小五郎 黒蜥蜴』

これが好評で、いよいよ6月には、満を持して横溝正史作品の舞台化『名探偵金田一耕助 不死蝶』

のはずが、新型コロナウイルスの影響で中止。
もちろん他にあった様々な企画も全て中止。
活動は中止するわけには参りませんので、動画配信…Zoomで連想クイズやるだけなんですけど、あと、銀傘さんが監督するリモート短編ミステリーに出演して、なんとか劇団はケイゾクしております。

朗読サスペンス劇場スペシャルは、回路Rがコロナ禍の中で悪戦苦闘しながらの企画です。
ぜひ、お聴きくださいませ。

その前に(笑)

あたくしの朗読にもお付き合いください。
関西弁でシャーロック・ホームズシリーズを読む。
その第3弾『赤毛組合』

その新聞広告は、赤毛組合に欠員が1名出たので組合員を募集するというものだった。
億万長者だった赤毛の男が、自分と同じ赤毛の人に富を分け与えるために設立した赤毛組合は、組合になると、簡単な仕事をするだけでけっこうな報酬をもらえるのだ。
しかし、この広告には秘密があった…
シャーロック・ホームズが鮮やかに謎を解く!

お楽しみください。

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