『愛と誠』電子版の「基本的に発表当時の表現」という嘘
概要
現在「ヤンジャンアプリ」で配信中の『愛と誠』について。
毎回、最後にこういうページが表示されるのですが、
これは嘘で、実際には「不適切と思われる用語や表現」を差し替えたものが使用されています。
たとえば、第46話の3ページ目には、こういう変遷があって……。
ヤンジャンアプリの電子版は「発表当時の表現」ではなく、1995年版を受け継いだものみたいです。
ほかの例を挙げると、第90話の会話シーンはこんな感じ。
これも、ヤンジャンアプリでは1995年版と同じ台詞でした。
その他、確認した範囲では、電子版の台詞はどれも1995年版と同じでした。
変更自体の是非はともかく、少なからず表現を変えているのに「基本的に発表当時の表現を使用」としているのは、良くないと思います。
……と、今日言いたかったことは、そんな感じで。
これだけで終わる話について、無駄に色々書いたのが、以下の文章です。
『愛と誠』とは
連載当時の『少年マガジン』
『愛と誠』は、1973年~1976年の『週刊少年マガジン』に連載しました。
当時の『少年マガジン』は、たとえばこんな感じ。
キャラクターの顔と一緒に、作者の梶原一騎先生&ながやす巧先生の写真も並んでいるのが素敵です。
この号では『デビルマン』が終盤に入っていて……。
『天才バカボン』も、有名な「等身大バカボン」の回でした。
そんな時代の『マガジン』に連載して、トップクラスの人気を誇ったのが『愛と誠』でした。
このガリ勉の岩清水くんは、中学生にして「きみのためなら死ねる!」というラブレターを同級生に渡した猛者です。
(いまのネットでも「ことばの洪水~」のコマが有名です)
『愛と誠』の影響など
パロディの有名どころは、Wikipediaに載っているので、
ここに載っていないマイナーなものを少し挙げると、たとえば、あだち充先生の実兄・あだちつとむ先生も『愛と誠』ネタをやっています。
同じ「中学コース」の別学年でも、同時期に『愛と誠』ネタが見られます。
『カイジ』の福本伸行先生も、漫画家デビューする前、20歳のころに持ち込んだという読切がモロに『愛と誠』の影響でした。
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