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amazarashiファンポエトリー「かつて焼け落ちた町」

もしも土が喋れたなら
「またそれをするつもりか」と怒るのだろうか
あぁでもそれは土に心があって、目があって、口があればの話だよな

もしも僕らが昔から今を知っているなら、
「またそれをするつもりか」と怒れるのだろうか
僕らには心があって、目と口があって、考える頭もあるのにね

そんな目や口や体の一部や、心までを奪おうとすることを
止めない道理がない
と怒るエゴ的な老人は、この町の歴史を語りだした
ここは昔、墓場だったって

もし、もしもだよ
もしも僕らが死ぬことを恐れるのなら
殺し合うことはやめられないのだろうか
死ぬことを恐れるから殺し合うのか、そっか
僕の考えは浅かったのかな

単純な理屈で、殺し合うことは理解できなくて
複雑に考えるからこそ殺し合うのだとしたら
僕らはなんのために生きてきたんだ

あの日の悲劇が、自分に降りかからなかったら
僕らはどう生きていくんだ

まあでもどうせ、人ってそんなもんだよって君は言うんだろ
君は人を人より知っているから
複雑に考えることの出来る君だから
でもどうせ、人って案外タフだよ、なんてのも、言うんだろ

かつての喜劇がかつての悲劇を引き起こして
かつての悲劇がかつての喜劇の引き金になって
その喜劇がまた悲劇を生むんだから
全く人ってやつは
って
そんなことを、思うんだろう

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リズムの書き遺し
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