元気予報(雨)

はぁ…とため息をつく。
帰っても散らかっているままの心、
ウロボロスな脳みそ、
常夜灯の中でしばらく黙祷、
ゆず茶にお湯を注いで冷めるのを待とう、

「疲れた…」
半開きの口から寂しいワンルームにこぼれた言葉
それが一層今週を思い出させる。
嫌なことがあった。嫌なことしかなかった。そう思ってしまうほど疲れるようなことがあった。
残業ばかりで給料は増えない。明日の休みも仕事になった。
こんな典型的で古典的な悩みはいつ消えるのだろう。

そろそろ冷めたろう。嫌なことを考えても嫌になるだけだ。
手を伸ばす。指がかじかんでマグがぐらつく。
あっ！と思うより先に諦めと悲観が僕の頭に満ちていた。見れば汚らしいテーブルを広いプールにして、ゆず皮が微かに泳いでいた。

。。。。。。(やっぱりな、またか)

。。。。。。(また俺だ、俺だな)

。。。。。。(…………)

もういいや。明日になったら机も絨毯も顔も乾いてら。
気分転換にテレビをつけるとニュースも終わりがしだった。
「続いては週末の元気予報です。明日土曜日は土砂降りのようですが、明後日になるとカラリと晴れる見込みです。」
明日だけ、明日だけだよ、俺。
頑張るしかできない俺。