列車で春を追いかける旅③海辺の温泉・民宿編
秋田〜青森
R5.4.14〜4.17(3泊4日)
リゾートしらかみ利用
旅行二日目。深浦町。
午後おりかえしの記事
淑女と別れてから日本海を目前に眺められる【黄金崎不老ふ死温泉】へ日帰りで向かった。
こちらは雨の予報がなければ次の日ゆっくりと巡りたかった場所。
曇り空、人数もまばらで待望の海辺の露天風呂は貸切状態だった!
波が一定のリズムで打ち寄せる。
汐風の香りがほのかに香る。
石灰岩が酸化し、赤茶色のお湯がこんこんと湧き出ていた。
一人湯船に浸かり、今日の半日を振り返る。絶景をハイライトで鑑賞し興奮する一方、正直、極端に便が少ない僻地の列車旅に疲れもあった。
日々、小さくもなんと便利に暮らしている事か。。
今日はあとは何も考えず、ずっと温泉に浸かっていたい気持ちだった。
しばし空と海と、漂うかもめを眺め、過ごした。
その後、今日予約していた民宿へ。
迎えの送迎車は素朴なおじいちゃん。荷物をひっくり返したような散らかり放題の車で、名所を案内しながら送ってくれた。
名所をまわりながら自分が切り抜いた新聞の記事など大切にファイリングされた資料を見せてもらった。この土地を愛してるんだなぁと実感。
私の一日の旅行程を話すと「大変だったな〜。。。」と。
心からの言葉に思えて、胸がキューっと痛くなった。誰かに心配されたりっていつぶりだろうか。
本当に大変でした、ここに辿り着くまで不安でしたと言ってしまいたかった。
きっとこのおじいちゃんは物心ついた時からこの土地でゆるやかな時間の中、自然と共存して生きてきたのではないかと思う。
その後何ヶ所かまわり、宿に着いた。民宿は送迎車と同じく、荷物をひっくり返したような場所だった。人を泊めるのにこれでいいんかな。。温泉で落ち着いた心が再び揺らぐ。。。(^^;;
ご夫婦で経営されていて奥さん(おばあちゃん)が出迎えてくれた。
私の他、工事現場の作業員3人が宿泊しているとのこと。※昨年、令和4年夏の土砂災害でまだ通行止めになっている箇所の現場復旧が今でも続いており、作業員達が寝泊まりしていた。
風呂を先に済ませ、ほっとしたのも束の間、ドヤドヤ浅黒い顔の男性3人組が玄関から入ってきた。この作業着をきた人達だろう。40後半くらいか。若そうな人も一人混じっていた。先頭の人が「おばちゃん、今朝ズボンのほつれを直してくれてありがとー!!」と大きな声で感謝を述べ、ずたずた室内に入ってくる。私のことなんか見えない感じで通り過ぎ、それぞれの部屋へ瞬く間に散って行った。
嵐のような時間。
夕飯まで部屋で過ごした。
少しうたた寝してしまったのだろうか、19時ぴったりにおばあちゃんがドアの前まできて大声で「おねーさーん!!夕飯だよー!!」
ここは友達の家なのか。。頭が混乱
食堂に向かうとテーブルに並べきれない料理の数々。口コミ評価が高かった理由はこれだったかーと納得。
こんなに食べきれるかしらん。。
でも山菜もその土地の魚も淡白で繊細な味で美味しい。海のものも山のものもありがたくいただいた。
男性3名は何やら早めに食事を済ませ、晩酌もそこそこに。近くのホワイトボードに書き込みをして部屋に戻って行った。
食べ終わってそっとホワイトボードを覗きに行くとすみっこに豆粒みたいな字で「ご飯いつもありがとうございます。全部食べきれなくてすみません。少し量を減らしてもらえると嬉しい。○○(名前)」というような内容だった。大体3人とも同じ内容。
これ毎日書いているのかしら。悪い人じゃない気がした。
その夜、0時過ぎには雨が降り出した。
予報通りだった。
しとしと雨が降る中、眠りについた。