第8回 実際に利用してたどり着いた「療育施設の選び方5選」&番外編



子育てに困っている。診断はついた。さぁ療育をしてもらおう。どこがいいかな? 
というわけで、我が家が、アスペルガー長女いっちと高機能自閉症の長男にっちの療育施設を探し始めたのは5年前の2017年ごろでした。どこがいいのか、どうやって選べばいいのか、大変困りました。 
児童相談所や市役所に相談しましたが、「公的な立場からは、ここがおススメと特定の施設をお知らせすることができないのです」と言われました。今日は4か所見学し、実際に3年間利用している私から見た、療育施設の選び方5選です。 

療育施設選びは多角的に判断する

さっそく、療育施設を選ぶポイントを見ていきましょう。

第①位 家から近い 
送迎サービスがあれば楽です。私の居住地ではないところの方が多いです。 
時々片道1時間以上かけて通う方がいると耳にします。 
発達障害児を連れての長時間の移動は、子にも母親にも負担が大きいです。 
連れていく親も疲れていらいらするし、それが余計に子の落ち着かなさにつながり、 
困りごとの症状がひどくなると思います。何のために通っているのか分かりません。 近ければ近いほど良い。片道15分以内が望ましいと思います。

見学に行った際には、炎天下の日、大雨の日、雪の日などと、天候が悪い日に通うシミュレーションをしてみてください。徒歩やタクシーで無理なく通える範囲が良いです。 

 

 

第②位 固定で週に1回以上の利用が可能 
何事も週に1回数時間通ったくらいでは定着もしないし、改善することは難しいと思います。どこの療育施設もキャンセル待ち状態で、月に2回しか利用できない施設もあると聞きます。 
できたら週に1度以上利用できる施設が好ましいと思います。 
それから、今週は月曜日、来週は木曜日、とランダムになるよりも、 
「月曜日は療育」と予定を固定すると、子どもも頭の中で理解しやすいので、落ち着きにつながります。 

 


*ただし、突発的な理由で月曜日に療育に行けなかった場合、「月曜日は療育」の前提が崩されてパニックになることがあります。 我が家では
 
対策①早めに予定変更は伝えます。対策②わざと4週間に3回利用、を予約して「月曜日だけど、今日は療育はお休み」の日を設けるようにしています。 


第③位 子どもがスタッフになつく 

人間なので、合う合わないは、あります。特に発達障害児の場合は「理由を説明することは難しいけど、この人とは合わない」があります。私から見た予想の理由は、匂いや声のトーン、言葉がなんとなく否定的と推測しています。 

1回の体験では判断しにくいですが、数か所の療育施設を体験すると、子の反応で「ここは合うかもしれない」判断できると思います。もし、利用が始まってから「合わない」と感じたら、替えればいいだけです。 

第④位 母親のケアをしてくれる =子育ての味方を増やす

正直に言います。「発達障害の子育ては、親の心が病むことが多いです」。
そして、母親の心の安定は、子どもの心の安定だと感じています。 
お母さんの機嫌が良ければ、子どもも、のびのびにこにこしています。なので、母親のケアをしてくれる施設が良いです。ケア、と言っても大層なことではなく、「母親の体調や心の様子を気にかけてくれる」「困った出来事があった時、親身になって時間を作って話を聞いてくれる」そのくらいです。 

妻の顔色でスタッフは、今週の家での子たちの調子を察してくれます。妻は、子育てに対してネガティブな気持ちを、感じることもあるようです。そして、そんな母親としての自分に、罪悪感も覚えて。療育のスタッフに話すことで、リフレッシュさせてもらっています。 

また、療育中の数時間を母子ともに一緒に過ごす方針の施設もあります。 
できたら、1時間でもいいので、母親を子から解放し、母だけの時間を作ってくれるところがいいです。療育の成果よりも、母の心の回復が何より大事です。 
 


 
第⑤位 公的な補助が使える 


療育を利用する際にはは自治体で「受給者証」(障害福祉サービス受給者証)を発行してもらいます。国からの補助と、自治体からの補助で、実際の保護者の上限負担額は0円~数千円です。(前年度所得による)世帯での負担額なので、我が家の場合は子3人が月に何度利用しても、上限額の3100円を事業所に支払っています。 

ネット上には自称「発達障害カウンセラー」や自称「発達障害セラピスト」のような、身分を名乗り、高額でレッスンを行っている方もいるようです。概要を見たところ、エビデンスに乏しく、信用するに足りないように思います。もちろん私が知らないだけで、素晴らしい方もいるのかもしれません。 
しかしお金は有限なので、自治体経由で療育施設を安価で利用する方がいいと思います。そうでなくても、発達障害児の子育ては、余計なお金がかかります。 
 

番外:作業療法士や言語聴覚士の指導が受けられるか 
この他にも、作業療法士(OT)さん、言語療法士(ST)さんの療育が受けられる施設があるようです。 
しかし、数は圧倒時に少なく、空きがありません。私たちの市では、対応施設はかなり遠方か、重症児のみに限定しており、見学すらかないませんでした。 
協調性運動障害のある長女いっちには作業療法のような、体の使い方の訓練が適しているのではと思っています。
いつかOTさんの療育を受ける機会があれば、また報告させてください。


<まとめや次回予告>  

実際に、「療育を受けましょう」となっても、現在、多数の療育施設があります。医師や看護師に意見を聞きたくても、正直、医療者側も民間サービスの療育の質に関しては、中々知識がつきません。また、立場上、特定の施設のみを勧めることも出来ません。 

見学や、家族会などを通した先輩パパ・ママのうわさを頼りに動くしかないのですが、発達障害や自閉スペクトラム症は子どもによってタイプは様々ですし、相性が合う・合わないは存在します。まずは、一歩踏み出すところから始めてみてはいかがでしょうか。


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