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世界最速でミシュラン取った年末の残高

TIRPSEがオープンして不思議な感覚だったのは、空いてるテーブルがあったこと。

カンテサンスは僕が知る限り(昔は知らない)1席も空きがなく、キャンセル待ちのリストもずら〜っと並んでた。「キャンセル出てませんか?」
って電話もとりすぎるほどに。

僕自身も、何度もカンテサンスで食事をして料理が大好きだったので、働きたいと思ったわけだし。
だから、同じ空間でまったく電話も鳴らないし、お客様で埋まってないダイニングを見るのが初めて。

その景色にも慣れるもんで(それじゃ、ダメなんだけど笑)
よくわからないまま、月末に給料、家賃や食材などの振り込みをするたびに通帳を眺めては

「あれ、もうすぐゲームオーバー?」

と身体中から汗が吹き出る事も良くあった。

それでも、運だけで生きてきた人生と同じように2ヶ月半でミシュランの1つ星を取ります。

ボク的な考察(ミシュランの中の人は、ここから見ないでください)では、2013年は「ボンヌターブル」というレストランが、フランス料理枠では年内トップの話題・評価になっていた。
とはいえ、ミシュランはある程度の価格のコースのところに星をつけるからボンヌターブルだと星がつけられない。
このままでは、去年とガイドブックの内容が一緒になっちゃう。

ミシュランマンの会話想像
「あれ?カンテサンスの跡地に、元スタッフが店はじめたぞ。行ってみっか。
(訪問後)まぁ〜ギリだめじゃない?でもガイドブックに変化つけるためにも、星いっちゃう?もう一回訪問して話聞いてみっか。(訪問後)シェフ26歳で、オーナー29歳?あいつらフランス料理わかってんのか?なんか調子乗りそうだしなぁ〜えっ!?もう締め切り!?あ〜つけちゃえ!」
(ミシュランの中の人は、ここから見てもいいですよ)

ミシュランが出た日は、僕がミシュラン発表の会場に行ってる間に「当日予約が入りました」とスタッフから連絡がありました。そのお客様は普通にお食事をして、帰り際に「今日発表になったミシュランとかに出られるように頑張ってね」とお言葉を。

なんかハマる日本語がみつからない気持ちになりつつも、星を獲ったことは「嬉しい!」「やった!」という感情は本当になくて、これで、ゲームオーバーが逃れられるかなぁ・・・ってくらい。

翌朝には見たことないくらい、Web予約が入っていたし
「おれたちは、やること何にも変わってないのになぁ」って思う気持ちも。

さてさて会社を始めて、初めての年末。
12月は、ヤフーのトピックスにも出た「世界最速で1つ星」&クリスマスのラブラブなカップルたちはガブガブとワインを飲み、低過ぎた10・11月の売り上げを合わせても届かないほどの売り上げになりました。

ちなみに余談ですがクリスマスイブのTIRPSE・個室のお客様は2013・2014と2年連続で男性と女性が口論になり(まったく別の方々)女性が前菜食べずに出て行くという悪魔の棲む個室です(2015からはクリスマスの個室営業をやめたww)

12月はクレジットカードでの支払いばかりで、現金は手元になかった。
年末は銀行も早く閉まり、支払いは全て年内にしないといけないのにカード会社からの振込は年明けだという事を、ギリギリに知る。

年末はとても忙しくネットでの振込の手続きをするのを忘れてて「今日が最終日なのかよぉ〜休ませてくれないねぇ〜」と思いながら銀行へ。

みずほ銀行のキャッシュカードでの振込限度額は200万。
そこからは、1枚1枚手書きで書くことになり「スタッフみんな冬休みに入ってるのに、なんで俺だけこんなメンドくさい事しなきゃダメなんだ」と考えながら全てを記入し、振込をしていきます。

途中から、計算上ギリギリ足りると分かっていても減り続ける残高に振込をせず逃げたい気持ちになる。

全ての支払いを終わって、会社の口座の残高は5万円。
しかも自分の給料は支払えずに。

支払いを終えて家に帰ると、ホッとしたのと、来年から大丈夫なのかと考えてるうちに、40度の発熱で年末年始は布団から出られず。
ミシュランの恩恵は12月で終わったの?というガラガラの予約帳を見ながら2014年が始まっていく。。。

やば、まだオープンしてから3ヶ月半しか経ってない(笑)
思い出して汗かく(笑)

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