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量子コンピュータが実用的な計算を行うための目安1000を超える原子量子ビットを実現! 量子コンピュータ開発の新記録 ダルムシュタット工科大学
ダルムシュタット工科大学の研究チームが、量子コンピュータの構成要素である原子量子ビットを世界で初めて1000個以上制御することに成功しました。従来の限界を突破する新たな手法により、量子コンピュータの実用化に向けて大きく前進したといえます。
量子コンピュータは、従来のコンピュータとは異なる原理で計算を行う次世代の情報処理技術です。その鍵となるのが、量子ビット(qubit)と呼ばれる情報単位。通常は0か1かの情報しか持たないビットに対し、量子ビットは0と1が同時に存在する「重ね合わせ」という状態を取れます。これが量子コンピュータの強力な計算能力の源泉となっています。
しかし、量子ビットを増やすことは簡単ではありません。原子を量子ビットとして利用する場合、レーザー光で原子を操る必要がありますが、従来の技術では使える量子ビット数がレーザー性能に制限されていました。
今回、ダルムシュタット工科大学の研究チームは、「量子ビット超充電」と呼ばれる新しい手法によりこの制限を打破。なんと1305個の原子量子ビットを一度に操作して、欠陥のない441量子ビットの構造体を作ることに成功しました。複数のレーザーを並行して用いることで、技術的限界を大きく超えた成果です。
1000量子ビットは、量子コンピュータが実用的な計算を行うための目安とされており、世界中の研究者がこの壁を越えることを目指していました。今回、原子量子ビットにおいてはダルムシュタット工科大学の研究チームが世界で初めてこの閾値を突破した意義は大きいです。研究論文では、さらにレーザー源を増やすことで量子ビット数を1万個以上にすることも数年以内に可能と予測されています。
この成果は、量子コンピュータの実用化に大きく近づいたことを示すものであり、今後様々な分野での革新的な技術開発につながることが期待されます。
詳細内容は、ダルムシュタット工科大学が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7