レーザーが影を作る?光の新たな可能性を切り開く発見 オタワ大学
「レーザー光が影を作る」一見すると矛盾したこの現象が、オタワ大学の研究チームによって実験的に確認されました。この発見は、光が他の光を透過し干渉しないという従来の物理学の理解を覆し、新たな応用の可能性を示唆しています。
研究チームは、緑色の高出力レーザー光をルビー結晶に通し、横から青い光を照射することで、レーザー光による影をスクリーン上に可視化しました。この影は肉眼で確認でき、普通の影と同様に光源の形状や動きに追随する性質を持っていました。この現象は、「逆飽和吸収」と呼ばれる非線形光学効果によるものです。緑色レーザーが結晶内部で青い光の吸収率を変化させ、光の密度が低い領域を形成することで影が現れたのです。
研究者たちはこの現象を予測する理論モデルを構築し、実験結果と一致することを確認しました。影のコントラストは緑色レーザーの強度に比例して高まり、最大で22%のコントラストに達しました。これは晴れた日の木の影に匹敵する濃さです。この現象を再現するためには、適切な波長と高い光強度を持つレーザーが必要であり、材料選びが重要なポイントとなっています。
この研究は、レーザーが他のレーザーを制御できる「光スイッチング」技術への応用の可能性を示しています。この技術は、通信、精密な光学制御、高出力レーザーシステムにおいて重要な役割を果たすと考えられています。研究チームは、今回の発見を基に、他の材料や波長で同様の効果を生む可能性をさらに探求する予定です。
今回の発見は、光学技術における新たな道を切り開くものです。光の挙動をより深く理解することで、次世代のデバイス開発や基礎科学の進展が期待されます。
詳細内容は、OPTICAが提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7