NTTの秘密計算技術がISO国際標準化に採択、IOWNのプライバシー保護を強化し、安全なデータ流通基盤を実現
日本電信電話株式会社(NTT)が長年にわたる研究開発と標準化活動の成果として、2024年3月6日に国際標準化機構(ISO)から発行された『ISO/IEC 4922-2:2024』が注目を集めている。
この規格は、秘密計算技術に関するものであり、NTTの独自技術が採用された初のISO標準である。秘密計算はデータを暗号化したまま処理するため、通常の処理速度よりも遅くなるという課題を解決するために開発された技術であり、NTTの持つ高速性が特徴の秘密分散技術が採用されたことが特筆される。
規格化された内容には、加算、減算、乗算、乱数生成などが含まれており、特に高度な処理効率を持つ乗算方式にNTTの独自技術が採用されたことが挙げられる。
NTTは今後も秘密計算技術の高度化や普及に向けて積極的な取り組みを行い、安全なデータ利活用の実現に貢献していく方針だ。
秘密計算技術とIOWNの技術を融合させた新たなサービスの開発も進めるだろう。
IOWNとは、「Innovative Optical and Wireless Network」の略称で、2019年に発表された次世代の情報通信ネットワークに関する構想です。
IOWN構想は、光技術を中心とした革新的な技術を活用することで、現在のインターネットでは実現できない、新たな世界、豊かな社会を実現することを目指しています。
具体的には、以下の3つの柱から構成されています。
・オールフォトニクス・ネットワーク:
光ファイバーによる超高速・大容量通信を実現するネットワーク
・デジタル・ツイン・コンピューティング:
現実世界をデジタル空間に再現し、シミュレーションや分析を行う技術
・コグニティブ・ファウンデーション:
AIや機械学習を活用して、ネットワークを自律的に制御する基盤
これらの技術を組み合わせることで、IOWN構想は以下のような社会の実現を目指しています。
・時間や場所に縛られない、自由な働き方:
高速・大容量通信とデジタルツイン技術により、遠隔でもリアルタイムなコミュニケーションや作業が可能になります。
・一人ひとりに最適化された医療・教育:
AIや機械学習を活用することで、個々の患者や学生に最適な治療や教育を提供することができます。
・安全・安心な社会:
サイバー攻撃や自然災害に対する防御力を強化し、安全・安心な社会を実現します。
IOWN構想は、NTTグループだけでなく、国内外の多くの企業や大学が参画して研究開発が進められています。2025年には実用化に向けた第一歩として、IOWN構想に基づいた光ファイバー伝送システムの運用開始が予定されています。
詳細内容は、NTTが提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7