スマートフォンを直で衛星につなぐ、新市場を狙う衛星企業連合
携帯電話の電波が届かない場所でもスマホで通信できる衛星サービスの市場が立ち上がりつつあり、米国の衛星企業5社が新団体を設立して市場開拓に乗り出しています。
この団体「Mobile Satellite Services Association (MSSA)」は、Viasat、Terrestar Solutions、Ligado Networks、Omnispace、Yahsatの5社で構成され、衛星を使った新しい通信サービスの普及を目指しています。
MSSAが注目しているのは、既存の携帯電話会社が使う電波ではなく、衛星が持つLバンド・Sバンドと呼ばれる周波数帯を利用したサービスです。衛星企業連合は合計で100メガヘルツ以上の周波数帯を保有しており、これを活用すれば世界中の携帯電話ネットワークの範囲を広げられるとしています。
具体的には、Skyloという企業が衛星を使ったテキストメッセージサービスを今年末にも開始する予定。Viasat、Ligado、Terrestarの持つ静止衛星を利用し、衛星とスマホを直接つなぐことで、携帯電話の電波が届かない場所でもメッセージの送受信が可能になります。
さらにMSSAは、携帯電話業界と同じ規格に合わせたサービスを提供することで、複数のネットワーク間をシームレスに利用できるようにし、ユーザーの利便性を高めることも目指しています。
この動きとは別に、SpaceXやLynk Global、AST SpaceMobileといった企業は、携帯電話会社と提携し、既存の携帯電話の周波数帯を利用したサービスの提供を進めています。これらのサービスは、特別な端末ではなく、現在使っているスマホのまま利用できるのが特徴です。
Lynk Globalは昨年サービスを開始しており、すでにパラオやクック諸島、ソロモン諸島など7カ国で利用可能になっています。
衛星を使ったスマホ直結サービスは、新しい可能性を秘めていますが、携帯電話会社の周波数を利用する場合は、電波干渉などの課題が多く、規制上のハードルも高くなっています。MSSAと他のサービス業者、どちらのサービスが市場をリードするのか、今後の動向が注目されます。
詳細内容は、SpaceNews が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7