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非常に高い周波数帯域を使用するレーザー通信により、従来の無線技術の1000倍高速なデータ転送速度を実現 西オーストラリア大学 テラネットプロジェクト

西オーストラリア大学のテラネットプロジェクトは、宇宙通信の未来を大きく変える成果を挙げました。テラネットは、ドイツの人工衛星OSIRISv1からのレーザー信号をキャッチし、従来の無線通信の限界を超えた超高速通信の可能性を示しました。レーザー通信は、従来の無線技術と比較して1000倍のデータ転送速度を実現できるとされており、今後、宇宙と地球間のデータ伝送に革命をもたらすことが期待されています。

この成果は、西オーストラリアに設置された光学地上局ネットワークを通じて達成されました。特に、テラネットは天候による通信の中断を避けるため、3カ所に地上局を分散配置しています。これにより、一方の局が天候の影響を受けても、他の局で通信を続行することが可能です。また、地上局の一つは移動式であり、必要に応じて迅速に展開することができるため、災害時の通信手段としても非常に有効です。

さらに、テラネットは地球観測衛星のデータ伝送を大幅に高速化するだけでなく、軍事通信の強化や、自動化された鉱山運営、災害対策など、さまざまな分野での応用が期待されています。このプロジェクトは、オーストラリア政府や西オーストラリア政府からの支援を受けており、特にオーストラリア宇宙庁の「ムーン・トゥ・マーズ・デモンストレーター・ミッション」プログラムの一環として、光学地上局の建設が進められています。

テラネットのネットワークは、西オーストラリア大学の地上局、パース北部300kmに位置するミンゲニュー宇宙施設、そして欧州宇宙機関(ESA)のニューノーシア施設での移動式地上局によって構成されています。このネットワークは、低軌道から月までの国際的な宇宙ミッションをサポートし、従来の光通信規格だけでなく、深宇宙通信や量子暗号通信などの高度な技術にも対応する予定です。

この技術の進展により、宇宙通信の新時代が幕を開け、地球規模でのデータ伝送におけるボトルネックを解消することが期待されています。宇宙と地球の距離が物理的に縮まると同時に、情報伝達の時間も飛躍的に短縮されることで、人類の活動範囲はさらに広がるでしょう。

詳細内容は、西オーストラリア大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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