量子ビットの誤り訂正機能を備えた物理量子ビットの生成に成功 東京大学、ドイツ マインツ大学他の研究者チーム
東京大学、ドイツ マインツ大学、情報通信研究機構(NICT)、理化学研究所、チェコ パラツキー大学(オロモウツ)の研究者らは、固有の誤り訂正能力を持つ単一の光パルスから論理量子ビットを生成することに成功した。
通常、量子ビットは外部の影響を受けやすく、エラーが発生しやすいですが、この新しいアプローチでは、単一の光パルスを使用してエラーを訂正する能力を持つ量子光学状態に変換されます。これにより、物理量子ビットと論理量子ビットの間に一体性が生まれ、効率的な量子計算が可能になります。この研究成果は、東京大学 古澤明らの実験グループとマインツ大学 ピーター・ファン・ロック(Peter van Loock)の理論チームの協力によるもので、Science誌に発表されました。
従来の量子コンピューティングでは、量子ビットのエラー訂正は課題でした。通常、量子ビットは環境からの影響を受けやすく、エラーが生じやすいためです。そのため、量子ビットを論理的に結合し、エラーを訂正する仕組みが必要です。しかし、これまでの手法では、多くの物理量子ビットが必要であり、効率的な量子コンピューティングが困難でした。
この問題に対する新たなアプローチとして、マインツ大学などの研究チームは、単一の光パルスから論理量子ビットを生成する方法を提案しました。従来の手法と異なり、この手法では、光パルスそのものがエラー訂正機能を持つように設計されています。具体的には、レーザー生成の光パルスを使用し、その光パルスを量子光学状態に変換することで、エラーを訂正する能力を付加します。この結果、単一の光パルスだけで物理量子ビットと論理量子ビットを同等に扱うことができるようになりました。
この手法の優れた点は、超伝導体などの他の手法と比較して、室温での動作が可能であることです。また、従来の量子ビットとは異なり、物理量子ビットと論理量子ビットの間に一体性が生まれるため、エラー訂正がより効率的に行われます。
この研究成果は、科学誌に発表され、量子コンピューティングの分野において大きな注目を集めています。今後の研究では、さらなる実験を通じてこの手法の性能を向上させ、実用化に向けた道を切り拓いていくことが期待されています。
詳細内容は、マインツ大学、東京大学が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7