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手術前の人を対象とした脳波計測で、話す内容を計画する脳の仕組みが明らかに ニューヨーク大学ランゴンヘルス

ニューヨーク大学ランゴンヘルスによる研究で、手術前の人を対象にした脳波計測により、話す内容を計画する脳の仕組みが明らかになりました。

てんかん発作の原因となる脳の異常部位を特定するために行われる手術の一環として、電気刺激により脳の活動を活性化させながら患者に話してもらう実験が行われました。この際、電気刺激を与えた場所によって言葉が乱れるまでの時間「latencies」に差が見られることが判明したのです。

刺激を与えてから発声が乱れるまでの時間が長いほど、その脳領域は話す内容を計画する機能に関わっていることが今回の研究で示唆されました。反対に、乱れるまでの時間が短いと、実際に声を出すなど話すための運動に関わる領域であることが推察できます。

研究チームは、運動野の下部領域と眼窩下面回旋と呼ばれる領域で刺激後1秒程度発話が持続したことから、話す内容を計画する機能に関わっている可能性が高いとしています。一方、運動野の他の領域では刺激後0.5秒程度で発声が乱れたことから、こちらは発話するための筋肉の動きを制御する機能に特化していると考えられます。

今回の研究結果は、話すための準備と実際の発声は脳の別々の領域で行われていることを裏付けるものであり、将来的にはてんかん手術の際の脳機能マッピングをより精密なものにする可能性を示唆しています。

研究者たちは今後、さらに多くの脳領域を調べ、話す内容を計画する機能や発声機能のより詳細なマップを作成することを目指しています。また、話している本人が自分の声を聞いて発音を調整する仕組みについても、電気刺激後の回復時間などを調べることで解明を進めていくとしています。

詳細内容は、ニューヨーク大学ランゴンヘルスが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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