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好きな人からの情報の方が脳は記憶しやすい! ルンド大学

私たちは何気なく、好意的な人からの方が知識を吸収しやすいようです。スウェーデンのルンド大学の研究が、脳は好き嫌いで記憶力を左右されることを明らかにしました。

記憶は新しい体験から学び、既存の知識を更新する重要な役割を果たします。しかし、単に学んだことを覚えるだけではなく、それらを結び付けて新しい結論を導き出す力も重要です。例えば、公園で犬を連れている男性を見かけ、その後街中で女性と一緒にその犬を見かけたら、彼らは夫婦だろうと推測します。こうした「記憶統合」と呼ばれる能力は、学習を効率化し、柔軟な思考を可能にします。

ところが、ルンド大学のイネス・ブラマオ准教授らの研究によると、記憶統合は情報源によって影響を受けることが判明しました。実験では、参加者はスプーンやボールなど身近な物体を覚え、関連付けるタスクに挑戦しました。その結果、好意的な人物から提示された情報の方が、そうでない人物からの情報よりも記憶統合しやすいことがわかったのです。好意的な人物とは、政治的見解や趣味など個人の基準で定義されていました。

この研究結果は、政治など現実世界にも当てはまるといいます。例えば、医療費増税を掲げる政党を支持していた人が医療機関の改善を見たら、その改善を税制改革の成果と結びつけてしまうかもしれません。たとえ別の要因が改善の原因だったとしてもです。

研究者らは、このようなバイアスは記憶の仕組みそのものに根ざし、ソーシャルメディアのフィルターバブルだけでなく、情報処理の生来的な方法とも関係していると指摘しています。

つまり、誰から学ぶかが記憶の定着率に影響を与え、好意的な人物からの情報にはより強く反応しがちなのです。情報に触れる際に、情報源のバイアスを意識することも大切かもしれません。

詳細内容は、ルンド大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


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