プリンストン大学、超伝導における現行理論を覆す急激な量子挙動の変化を発見
プリンストン大学の物理学者が、3原子厚の絶縁体をスーパーコンダクターに変換する実験で、現行の理論に反する急激な量子挙動の変化を発見しました。この研究は量子物理学や超伝導の新たな方向への展望を提供し、Nature Physics誌に論文が掲載されました。
研究者は絶対零度近くの温度でスーパーコンダクター内で起こる量子揺らぎを調査し、これまでの理論には含まれていない新しい量子相転移を見つけました。この相転移では、電子密度の調整により超伝導状態が急激に崩れ、量子渦の信号が消失する現象が観察されました。
実験では、タングステンジテルライド(WTe2)を逐次的に剥がして単一原子厚に変換し、極薄の材料で絶縁体から超伝導体に切り替える新奇な挙動が観察されました。量子渦の流れを検出することで、量子揺らぎの実験的測定が可能になり、これまでにない強度や耐久性を持つ渦が発見されました。
驚きの一つは、量子渦が超伝導体相を超えて存続し、また臨界電子密度で急激に消失する「急激な死」が観察されたことです。これにより、既存のギンツブルク・ランダウ理論やBKT理論では説明できない新しい量子臨界点が示唆されました。
研究者たちは今後の研究で、この現象を説明する新たな理論を模索し、理論的・実験的アプローチを組み合わせていく意向です。この発見は超伝導と量子物理学の分野において新たな展望を開く可能性があります。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7
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