世界で最も重いエキゾチック反物質核「反ハイパーニュートロン4」を発見 ブルックヘブン国立研究所
2024年8月21日、ブルックヘブン国立研究所(BNL)の科学者たちは、世界で最も重いエキゾチック反物質核「反ハイパーニュートロン4」を発見しました。この発見は、金原子核の衝突から生成された6億の衝突イベントを解析することで得られました。「反ハイパーニュートロン4」は、反陽子、反中性子2つ、反ラムダ粒子で構成されており、これまで観測された中で最も重い反物質核です。
この研究は、物質と反物質の性質が非常に類似しているにもかかわらず、なぜ宇宙が物質で満たされているのかという根本的な疑問に対するヒントを提供するかもしれません。理論的には、ビッグバンの際に物質と反物質は同じ量だけ生成されたはずです。しかし、現在の宇宙にはほとんど反物質が存在しません。この不均衡を解明するための手がかりとして、反物質の性質を詳細に研究することが求められています。
反物質研究の中心となっているのが、BNLの相対論的重イオン衝突器(RHIC)です。RHICは、初期宇宙の条件を再現するために、ほぼ光速に加速された原子核を衝突させる装置で、物質と反物質をほぼ等量生成することができます。この環境で生成された粒子を詳細に比較・解析することで、物質と反物質の微細な違いを見つけ出し、物質優位の宇宙の謎を解く鍵を探ろうとしています。
今回の「反ハイパーニュートロン4」の発見は、この研究の重要なステップです。物質と反物質の寿命や質量を比較することで、対称性の破れやそれに伴う宇宙の進化の謎に迫ることができます。研究チームは、さらなる実験を通じて、物質と反物質の質量差を測定し、対称性に関する理論の検証を進める予定です。
この研究成果は、物理学の理論を強化するだけでなく、反物質の性質に関する実験的研究における大きな前進と位置づけられています。また、反物質研究が今後の宇宙論研究において重要な役割を果たすことが期待されています。
詳細内容は、ブルックヘブン国立研究所が提供する元記事を参照してください。
【引用元】
【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7