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世界初、生きた患者への遺伝子組み換えブタ腎臓移植に成功 eGenesis

世界的な臓器不足への対処に向けた大きな一歩

アメリカ合衆国で、進行性腎臓病の患者に世界で初めて、遺伝子組み換えされたブタの腎臓を移植する手術が成功しました。深刻な臓器不足問題の解決に大きく前進する可能性を秘めています。

臓器移植は、心臓や肝臓など機能が停止した臓器を、ドナーから提供された健康な臓器と入れ替える手術です。しかし、ドナー不足が深刻な問題となっており、世界中で移植を待つ患者が数多くいます。特に腎臓移植では、アメリカだけでも待機者が9万人以上、年間の移植件数は2万5千件程度と、需要が供給を大きく上回っています。

今回移植されたのは、アメリカのバイオテクノロジー企業「eGenesis」が開発した遺伝子組み換えブタの腎臓です。ブタの腎臓はそのままでは人間に拒絶反応を起こしてしまいますが、eGenesisは3種類の工夫を施しました。

一つ目は、人間の免疫系が異物と認識して攻撃する糖鎖抗原を作る遺伝子を無効化すること。二つ目は、拒絶反応を抑える仕組みを調節する遺伝子を複数追加すること。そして三つ目は、ブタの遺伝子の中に潜んでいるレトロウイルスを働かないようにすることです。

今回の手術は、アメリカ食品医薬品局(FDA)の認可の下、マサチューセッツ総合病院で執刀医の川井辰雄氏とナヒール・エリアス氏によって行われました。移植を受けた患者は術後良好で、経過観察が続けられています。

eGenesisの最高経営責任者であるマイケル・カーティス博士は、「今回の手術は、臓器移植における臓器不足という壁を打ち破る可能性を示す、画期的な出来事です」と述べています。また、手術を成功させたマサチューセッツ総合病院のレオナルド・リエラ氏は、「臓器不足問題という世界的な課題に立ち向かう上で、今回の共同研究は重要な一歩となります」とコメントしています。

今回の移植は、これまで動物から臓器を移植する試み(Xenotransplantation)が長年続けられてきた成果であり、今後、臓器移植を待つ多くの人にとって希望の光となることが期待されます。

詳細内容は、eGenesisが提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7

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