見出し画像

失われた時代の繋がりを解明!恐竜の足跡が語る、2億年前の大陸移動の真実 アメリカ南メソジスト大学

約1億2000万年前、地球上の大陸は現在のような形をしていませんでした。当時の地球は、ゴンドワナと呼ばれるスーパーコンチネントにより、南半球の大部分が一つに繋がっていました。しかし、プレートテクトニクスの作用により、この巨大な大陸が分裂し、現在の南米、アフリカ、オーストラリアなどの大陸が形成されていったのです。この古代の地球の形を理解するために、恐竜の足跡が貴重な手がかりとなっています。

アメリカ南メソジスト大学(SMU)の古生物学者ルイス・L・ジェイコブス氏率いる国際研究チームが、恐竜時代における大陸移動の証拠を発見しました。彼らは、ブラジルとカメルーンで発見された恐竜の足跡が、一致するものであることを確認したのです。この発見は、ゴンドワナ大陸が分裂する前、恐竜が現在の南米とアフリカを自由に移動していた可能性を示唆しています。

この調査では、特に「獣脚類」と呼ばれる肉食恐竜の足跡が注目されました。獣脚類はティラノサウルスのような恐竜で、三本指の足跡を残します。この種の足跡が、ブラジルとカメルーンの両方で発見されたことは、これらの地域がかつて接していた証拠となります。

足跡の形成には、様々な要因が関わっています。例えば、地質学的な条件や環境要因により、足跡が残るかどうかが決まります。発見された足跡は、古代の湿地帯や河川の近くで形成されたもので、恐竜たちが水辺で活動していたことを示しています。

さらに、草食恐竜の「竜脚類」や「鳥盤類」の足跡も発見されています。これらの草食恐竜たちは、当時の植生を食べ、その後、肉食恐竜たちの餌となったと考えられます。この発見は、当時の生態系や食物連鎖の存在を裏付けるものです。

今回の発見は、単なる恐竜の足跡の調査にとどまらず、大陸の移動が動物の進化や分布に与えた影響を考察する重要な手がかりとなります。ゴンドワナ大陸の分裂は、地球規模での動物の進化や生態系の変化を引き起こし、現代の大陸配置へと繋がっていったのです。

この研究はまた、恐竜の足跡研究の先駆者である故マーティン・ロックリー氏に捧げられました。彼の足跡研究への貢献が、今回の新たな発見に繋がったことは、学術界にとって大きな意義を持っています。

今回の研究成果は、ニューメキシコ自然史博物館の刊行物に掲載されており、今後さらに詳細な分析が行われる予定です。このような発見は、恐竜時代の生態や地球の歴史を解明する上で非常に重要であり、今後も多くの謎が解き明かされることが期待されています。

恐竜の足跡という一見小さな発見が、地球規模の大きな歴史の一端を解き明かす鍵となっているのです。

詳細内容は、アメリカ南メソジスト大学が提供する元記事を参照してください。

【引用元】

【読み上げ】
VOICEVOX 四国めたん/No.7


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?