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THE WORLD EP.2 : OUTLAW DIARY ver. 感想と考察

早いもので、『THE WORLD EP.2 : OUTLAW』の発売からもうほぼ4か月が経ちました。この間ウォーターボムでハシャいだりなんだりで世界観からは離れていましたが、思い出しつつDIARY ver.の感想と考察を書きたいと思います。

▼DIARY本編はこちら

※231111 廃人処分へのプロセス を追記しました。


めっちゃ長かった

今回のDIARY ver.ブックレットを見て、誰もが思ったことでしょう。

……長!!

と……。
そんなわけで以下、これまでの文字数をまとめてみました。

※ 数字は大体です。

今回マジでボリュームたっぷりです。倍くらいになってる。急にどうしちゃったんだ。

今まではたぶんKQ側で「長すぎても読むの大変だし、5000字くらいにしとこっか~」という思惑があったように思いますが、今回はなんかもう「文字数なんて知るか! 書きてえように書く!!」という気合を感じました。
でもその甲斐あって(?)小説として大変読み応えのある内容となっておりました。KQエンターテインメントさん、今回も素敵な物語をありがとうございました。


ストーリーを簡単におさらい

まずは簡単なあらすじをまとめてみます。

少年の兄を救うため、プレステージアカデミーに潜入したATEEZ。そこでソンファが出会ったのは、元いたA世界でソンファを自由にし、Be Freeと刻まれたブレスレットを残して去った少女の姿だった。学生団体・サンダーの団体長として活動する少女をZ世界から救おうと決意するソンファ。そんなソンファをよそに、作戦は次の段階へと移行する。ウヨン、ユノの活躍で兄弟は再開を果たし、ATEEZのパフォーマンスで多くの人々が覚醒。作戦を成功裏に追え撤退するATEEZだったが、少年を追っていたソンファはサンダー団体長の少女に誘われ煙の中へと消えてしまう。一方、支配者・Zの執務室では、プレステージアカデミー校長がテロの責任を負って射殺されるのだった。

今回のキーポイントはなんといってもBe Free少女の登場ですね! 他にも「学生団体・サンダー」「廃人場」「プレステージアカデミー校長」「クォンタムエネルギー」など新しいワードが盛りだくさんです。

というわけで、そんな新事実たちを詳しく見ていきましょう。


〝A世界〟が公式に初登場

THE WORLDシリーズからDIARYが三人称視点となり、前回は「Z世界」という単語が登場しましたが、今回は「A世界」がDIARY初登場。世界観を外から説明できるのは三人称視点の強みですね。

これまで当アカウントは『ソンミのショウタビュー』のホンジュン教授にならって「A次元」「Z次元」と表記していましたが、これからはDIARYに準拠して「A世界」「Z世界」に名称を揃えたいと思います。

A次元と説明するホンジュン教授


色々明らかになったプレステージアカデミー

タイトル曲の『BOUNCY』MVやトレイラーではサイバーパンクなコンセプトでしたが、DIARYは引き続きゴリゴリのディストピアZ世界でした。(サイバーパンクについてはこちらで解説しています)

0歳児から管理され、支配階層まで階級に別れた典型的なディストピアですね。むしろここの人間たちに両親いるんだって安心(?)しました。人間工場で生産されてない。でもたぶん自由恋愛ではないでしょうね。

そして、前回その存在が示唆されていた学生団体・サンダーが登場。ホンジュン教授の世界観特講で「雷についてはThe World EP.2を見ればわかる」みたいに言われていたので、「雷のエネルギーとかが関係すんのかな!?」などとワクワクしていましたが、まさかの団体名でした。そんなんアリかい。

素直に雷が出てるMVを調べたりしてました。

優秀な人材をプレステージアカデミーにいれて、さらに等級をつけるんだから、それを統率する学生団体・サンダーはエリート中のエリートですね。サンダーは第1階級や第2階級あたりの生徒で構成されているんでしょうか。

サンダーについて、今回と前回MOVEMENTで言及された情報は以下。

・ 優れた学生を選抜して別の学生を監視させようと作った団体。
・ Zが直接団体長に認証を下すほど認められている。
学校偵察の義務がある。

ということは、サンダー団体長であるBe Free少女はZと面識がある可能性がありますね。そんなBe Free少女にさらわれたソンファ……Zのところに連れていかれちゃうのもありえない話じゃないってことですね。どうなるソンファ!?

次回、ソンファ vs Z。お楽しみに!(大嘘)

プレステージアカデミーの生徒たちは卒業後に政府の人間として働くことが明らかになりましたが、政府の人間といえば思い浮かぶのが、『'Guerrilla' Official MV Teaser 1』などに登場した砂時計ワッペンの黒坊主です。

砂時計ワッペンの黒坊主

この人たちは変装したホンジュンと一緒にスピーカーを設置したり、武装してモブを見張ったり、サンくんを追いかけたりしているので、政府の人間なんじゃないかと思っています。第5階級だったり第2階級だったりするプレステージアカデミー出身の方々なのかもしれません。

スピーカーを設置する黒坊主たち
サンくんを追いかける黒坊主たち

他にプレステージアカデミーの階級で気になったことといえば、統制チップって充電式なんだ……ってなりました。

例えば新エネルギーの取引や統制チップのチャージ(充電)
예를 들어 신에너지 거래를 담당하거나 통제 칩 충전,
example: overseeing new energy exchanges, charging control chips,

統制チップ

ただ、充電;충전という表現は交通カードのチャージなどにも使われるので、電気じゃなく何かほかのエネルギーとかを入れている可能性もあります。いやどちらにせよチャージ式なの絶妙に不便ですね。今後統制チップの充電切れでチャンス! みたいな展開があったら熱い。

それにしてもプレステージアカデミーの外観が映像と小説で全然違うのは、少しの矛盾はご愛嬌パターンなのか、何か意味があるのか……(笑)


廃人場を知る者

前回、少年から「卒業試験を通過できなかったものが不良品としてガーディアンズアイランドに送られる」と教えられ、驚いていたATEEZと黒い海賊団。どうやらこの事実については少年の兄も知っているようです。

試験を通過できなければ、どうせ廃人場に連れていかれるだけだ。
(시험에 통과하지 못하면 어차피 폐인장으로 끌려갈 뿐이야.)

ちなみにこの廃人場;폐인장という表現は今回初めて出てきました。人間も部品にすぎないZ世界らしくていいですね。

プレステージアカデミーの2人は知っていて、黒い海賊団は知らないとなると、他にいるはずのプレステージアカデミー以外の学校に通っている人達は知っているのか気になるところですね。

MOVEMENT DIARYを読んでみると、表向きには「社会不適合者を再教育する施設」であり、レジスタンスはガーディアンに捕まって島に移送されるので廃棄処理場であることを知っている……みたいな口ぶりだったので、もしかしたら「試験に通過しなければ廃人場送りになる」という情報はプレステージアカデミーの人間だけが知っていて、プレステージアカデミーにもレジスタンスにも所属していない人間は表向きのガーディアンズアイランドしか知らないのかもしれません。廃人場の情報ひとつとっても、ディストピアの格差社会が垣間見えて面白いですね。

ていうか今回エリートなプレステージアカデミー生徒たちが大量覚醒したってことは、そのままレジスタンスになってくれればめちゃくちゃ黒い海賊団の人員強化されますね。まだ他にもプレステージアカデミー関係者が知ってて黒い海賊団が知らない情報あるかもしれないし。がんばれ黒い海賊団!


廃人処分へのプロセス

ガーディアンズアイランドに送られ、何らかの処理を施されると思しき廃人処分。処理された人々の様子は、『ZERO : FEVER EPILOGUE』のDIARYにて、ガーディアンズアイランド美術館に監禁されているヨサンの独白から窺い知ることが出来ます。

僕が閉じ込められているガラスの棺の前には、政府に反旗を翻したレジスタンスが生体エネルギーを奪われたまま、石像のように並んでいる。(中略)アンドロイドガーディアンは彼らの姿を全部黒い布で覆っていた。
(내가 갇혀있는 유리관 앞엔 정부에 반기를 든 레지스탕스들이 생체 에너지를 빼앗긴 채 석상처럼 줄지어있다.)(안드로이드 가디언들은 그들의 모습을 전부 검은 천으로 가려두었다)

ホンジュンと廃人処分ズ(暫定)

今回のDIARYでは、この廃人処分に行き着くまでのプロセスが、サンダー団体長とアンドロイドガーディアンのセリフによって示唆されていました。

まずは感情をあらわにしたソンファを見逃す場面での団体長のセリフから。

今回の件は警告で済ませるが、次また引っかかればそのときは懲戒委員会で感情誘発者テストを受けなければならないだろう。
(이번 일은 경고로 넘어가지, 다음에 또 걸린다면 그땐 징계위원회에서 감정유발자 테스트를 받아야 할 거야.)

感情があると判断された者は、懲戒委員会という組織で感情誘発者テストを受け、その結果によっておそらく廃人処分が決まると読み取れます。感情誘発者;감정유발자という用語は今回初めて出てきましたが、前回の『MOVEMENT』DIARYで登場した自覚者;자각자(感情を取り戻しレジスタンス活動をする者たち)のことを政府側から指す言葉だと思われます。このフローが学校ないしはプレステージアカデミー特有のものなのか、学外でも同様なのかは不明です。

今捕まえた覚醒者たちは、チップ交換の段階なしにただちに廃人処分とする。
(지금 잡힌 이 각성자들은 칩 교체 단계 없이 바로 폐인 처분하겠어.)

こちらはATEEZの活躍で人々が大量覚醒し、人質として覚醒者を捕獲したアンドロイドガーディアンのセリフ。覚醒者;각성자も今回が初出の用語です。レジスタンス活動をする自覚者とは違い、ただ感情に目覚めた状態の人を指す言葉なのかもしれません。もしかしたら、何らかの原因で感情を取り戻し、かつレジスタンス活動をしていない人たちは、チップ交換で許してもらえるのかもしれないですね。中央政府、意外と人を大事にする。


校長誰やねん

今回プレステージアカデミー関連で新たに明かされたのが、プレステージアカデミー校長の存在です。「廃人処分も考えた」とZに言われているので、校長は(おそらくプレステージアカデミー出身の)人間であることが予想できます。

人間だとしたら、ATEEZの影響で間接的に人が死んだと思うとめちゃくちゃ後味悪いですね。なんで殺しちゃったんだよZ……せめて廃人処分にしといてくれよ……それが狙いか……。

Zが人殺したの結構ショックだった……。

もし校長の姿がアンドロイドガーディアンと同じならば、『BOUNCY』MVに登場した〝プレステージアカデミーの中にいる狙撃された人〟は校長という推理も出来ますね。狙撃したあとに火花が散って世界が崩壊するような演出がされているので、狙撃された人物が世界に影響力を持つ管理者的な存在であることが予想出来ます。Zの可能性もある。

ホンジュンの弾丸はプレステージアカデミーへ
お前は誰だ!?

というかそもそも『BOUNCY』とDIARYって関係してるの? ……って話は次の段で。


プレステージアカデミー進入作戦とはなんだったのか

発売に先がけて公開された『THE WORLD EP.2 : OUTLAW Official Trailer』。てっきり発売前はトレイラーにあった〝進入作戦〟が少年の兄救出作戦で、今回のDIARYでは潜伏の様子が描かれるのかな? と思っていましたが、全然そんなことはなかったですね。というかそれ以前に『THE WORLD EP.1 : MOVEMENT Official Trailer 1』でプレステージアカデミーをハッキングしてたので、あれが潜入作戦かと思ってました。違ったみたい。そんなあ。

そもそも OUTLAWトレイラーではATEEZは6ヶ月潜伏したようですが、DIARYでは

昨日の夜、黒い海賊団のバンカーへきみの弟が訪ねてきた。
(어젯밤에 검은 해적단 벙커로 네 동생이 찾아왔어.)

とヨサンorソンファが言っているので、MOVEMENTからOUTLAWまで作中では1日しか経過しておらず、トレイラーの進入作戦とDIARYの兄救出作戦は関係なさそうですね。もし6ヶ月の潜伏期間が同じZ世界の話だとすれば、OUTLAW DIARYよりも未来の話かな? 言うて数多の現実のうちのひとつという可能性もあるのでなんとも言えません。

▼ATEEZの世界観には同じような世界がいっぱいあるのかもしれません。

映像にあるサイバーパンクなダウンタウンは、仮想空間の可能性もあるなーと思っています。前述した狙撃→世界崩壊に因果関係を見出せば、仮想空間の管理者がロストしたから世界が崩壊する……っていう見方も出来るんじゃないかと。

ATEEZの世界観はたぶん量子論を下敷きにして作られているのですが(詳しくは後述)、量子の世界では「この世界はホログラムのように情報が投影されて出来ているんだ! つまり仮想空間みたいなものなんだ!」とする仮説がありまして、それを踏まえると『Deja Vu』MVのとあるシーンがホログラムに見えてきたりして、ATEEZ世界観に仮想空間的な概念わりとあるのでは? と思っています。

世界がホログラムに見える……!

個人的にはMVとDIARYがリンクすると脳汁ドバドバ出て楽しすぎるので、KQさんにはそろそろ「MVのこれ、そういう意味だったんかい!」のアハ体験もさせてほしいですね。囚われのヨサンみたいなね。


クロマーは量子と関係があるらしい

前段で量子論の話を少ししましたが、今回それを裏付けるキーワードが登場しました。

「クォンタムエネルギー……クロマーだ!」
"퀀텀 에너지.. 크로머다!"
"Quantum Energy... It's the Cromer!"

クロマー

クロマーから出た光を見たアンドロイドガーディアンが言ったこのセリフ。どうやらアンドロイドガーディアンはクロマーの光からクォンタムエネルギーとやらを感知できるようです。

そう、Quantum……量子ですよ!

個人的にはここブチ上がりました。前回の感想記事を書いてからというもの考察に火が付き、旧Twitterの方で自分でも「何を言っているんだ?」となりながら量子論を絡めた珍説を開陳していた私ですが、公式で出た〝量子〟というワードを見た瞬間、KQが「そのまま突き進め!」と言ってくれている気がしました。神の声が聞こえました。

これからは自信をもって「Answerのもにゃもにゃってカラビ・ヤウ多様体っぽいよね!」とか「立方体のプリズムは三次元空間のメタファーで、夢の世界は高次元であることを意味しているのだ!」とか言いたいと思います。頭は大丈夫です。

Answerのもにゃもにゃとカラビ・ヤウ多様体
高次元から三次元を覗いているのだ!

前回の感想で「クロマーの機能も量子の性質を元ネタにしてたら面白いですね。量子テレポーテーションとかね」と書いたように、クロマーは量子のはたらきを利用していると考えるとしっくり来る部分があります。夢への干渉も、脳が量子のふるまいをすると考えればつじつまが合う気がする。世界と時間と空間を移動できるのも、クロマーが高次元を介しているとすれば説明がつきます。

月と連動してるのはよくわかりません

さっきから高次元高次元と言っていますが、なぜ量子となると高次元(我々が認識できる3次元空間もしくは4次元時空間より上の次元)が出てくるのか簡単に説明すると、量子論では「宇宙の最小単位(量子)をひも的なものと仮定したら、この世界が9次元空間(10次元とも)であることになっちゃった!」とする超弦理論が有力だからです。超弦理論を採用するともれなく高次元がついてきます。

超弦理論やそこから発展した学説が元になっている映画といえば、クリストファー・ノーラン監督の映画『インターステラー』です。ATEEZにおいては同監督の映画『インセプション』がタイトルそのまま曲名にもなっていますが、他にも『インターステラー』にインスパイアされてそうな表現が度々あるので、「ATEEZ世界観と量子論……あるで!」と考えていました。

量子論的な世界観となると、最終的には超スケールのでっかい話になるかもしれませんね。ワクワクすっぞ!


アンドロイドガーディアン、喋る

アンドロイドガーディアンといえば、個人的にはアンドロイドガーディアンのセリフがあったのが熱かったですね。今まではわりと得体のしれない敵という描かれ方で、カッコ付きのセリフはなかったので、「アンドロイドガーディアン、喋った!」と感動しました。

これで喋ったら息苦しそう

そういえばTHE WORLDシリーズからはアンドロイドガーディアンはガーディアン表記に統一されてますね。FEVERシリーズでも時々ガーディアンと略されていましたが、さすがに長いなってなったんですかね。

ますます人間味が増したアンドロイドガーディアン、いつかその出自の詳細を知る日はくるのでしょうか……。個人的には廃人処分のリサイクル説を推しています(詳しくは前回の感想で)。


伏線回収! ソンファの物語

さて、ここからは今回のメインディッシュとも言うべき、Be Free少女とソンファについて書いていきたいと思います。

A世界でBe Freeのブレスレットを残して消えた少女とZ世界で再会を果たしたソンファ。今回ソンファが「彼女をこの世界から救いたい」と思うほどBe Free少女に執心していたことが明らかになりましたが、そんなソンファの心境は、これまでにもなかなか丁寧に伏線が張ってありました。というわけで、FEVER Part.1から振り返ってみましょう。


ZERO : FEVER Part.1 'Diary Film'

未熟な僕は学ぶべきことがたくさんあると思った
つらくても 決められた道に沿って一歩ずつ前進していくと…

その時 僕は本当に僕に足りないものは何なのか気づいた
僕が手に入れられないもの
僕に本当に必要なもの

Be Free少女と出会い、Be Free腕輪を拾う場面。それまでのソンファが常識にとらわれ、敷かれたレールの上を進んでいることが示唆されています。


ZERO : FEVER Part.1 DIARY ver.

常識、規則、くたびれた世の中のことなんて興味なさそうなあのしぐさ。彼女の踊り。そしてただ一度、かすめた視線で壊れた僕の世界。僕の中で何かが変わった。だけど僕は何も言えなかった。
(상식, 규칙, 고단한 세상의 일이라곤 관심 없어 보이는 저 몸짓. 그녀의 춤. 그리고 단 한번, 스쳐 간 눈길에 부서진 내 세계. 내 안의 무언가가 변했다. 하지만 나는 아무 말도 할 수 없었다.)

彼女は〝Be Free〟というフレーズのように飛んで行ってしまって、僕はもう以前のように音楽を聴くことができなくなった。もう曲の構造、コード、ジャンルも聞こえない。あの日の感覚が残っているだけ。
(“Be Free” 라는 문구처럼 그녀는 날아가 버렸고, 나는 더 이상 예전처럼 음악을 들을 수 없었다. 이젠 더 이상 곡의 구조, 코드, 장르가 들리지 않는다. 그날의 감각만이 남아 있을 뿐.)

Diary Filmと同じ場面。少女と出会ったことで心の変化があったものの、まだ行動はできない様子。彼女に会えなくなった悲しみの渦中にいるように見えます。

あ、ソンファ兄さんはちょっと違った。あの人は何かとすぐ計画通りにしようとするし……。
(아, 성화 형은 조금 달랐다. 이 형은 뭘 자꾸 계획대로만 하려고 해..)

サンくんになんでも計画通りにしたがる性格だと指摘されています。このちょっとユーモラスな独白も伏線だったんですね。


[ATEEZ FEVER ROAD] EP.4

これから僕の計画は
僕が立てていくんだ
僕が本当にやりたいことのために
他の人が決めた枠にはまった世の中から逃げるんだ

今僕の耳元に聞こえるこの音楽だけが
これからの僕の人生の唯一の計画だ
僕たち 僕らが願うものだから

椅子に縛り付けられながら何かを書くソンファが映され、その腕にはBe Freeのブレスレットがあります。Be Free少女が去ったあと、立ち直ったソンファだと思われます。


ZERO : FEVER EPILOGUE DIARY ver.

そうだ。過去の僕だったら。つまりは常識、規則の枠組みから外れることを知らなかった僕だったら。ホンジュンがクロマーを盗もうと言ったとき、同じように反応しただろう。
(그래, 과거의 나였으면, 그러니까 상식, 규칙의 틀에서 벗어날 줄 몰랐던 나였다면 홍중이가 크로머를 훔치자고 말했을 때 똑같이 반응했겠지.)

でも今の僕は、あのときの僕とは違う。
(하지만 지금의 난 그때의 나와 다르다.)

「もう過去に留まらないことにしたじゃないか。
別の世界に発ったとき、みんな決心したんじゃなかったの?」

(더는 과거에 머물러 있지 않기로 했잖아.
다른 세상으로 떠났을 때, 모두 결심했던 거 아니었어?")

法を犯してでもヨサンを救おうとするホンジュンを見て、過去を振り返るソンファ。常識、規則の枠組みから自由になったことが明示されています。別の世界に転移したことも、決意を固める契機になったようです。


THE WORLD EP.2 : OUTLAW DIARY ver.

A世界でいつぞや出会った彼女。論理と効率、時間配分について人生のルールを強迫的に考えながら生きていたある日、偶然出会った彼女。
(A세계에서 언젠가 마주쳤던 그녀. 논리와 효율, 시간배분에 대한 삶의 규칙을 강박적으로 생각하며 살던 어느 날, 우연히 마주쳤던 그녀. )

ただ、いつか彼女が自分の人生を自由にしてくれたように、ソンファも彼女をこの世界から救わなければならない、と、決心するのみだった。
(다만, 언젠가 그녀가 자신의 인생을 자유롭게 만들어준 것 처럼 성화도 그녀를 이 세계에서 구해줘야겠다는 결심을 할 뿐이었다.)

そしてソンファはZ世界で少女と出会い、彼女を救おうと決心します。


こうして軌跡をたどってみると、A世界にいた頃はまるでZ世界の人間のように規則に囚われて生きていたソンファが、Be Free少女と出会って解放され、世界をまたいだ冒険を経て成長し、今度はZ世界に染まってしまった彼女を救う……という反転した構図のストーリーが浮かびます。時をこえた伏線回収、胸が熱くなりますね。

それにしても、ソンファはA世界でBe Free少女と話したことがあるわけでもなく、それどころか遺失物横領までした上でこの執着……ちょっと怖いですね(やめな)
そりゃ「なんでここに?」って言われても「あんた誰?」だよ……。でもやっぱりここは重要キャラとして、Be Free少女はソンファのことを知っていたりするんですかね。という話は続きで。


Be Free少女の謎に迫る

Be Free少女がソンファにとって重要な人物であることは前段で確認しましたが、彼女は世界観全体としても大変重要な人物です。なぜならソンファをBe Free腕輪に導く少女は、HALAZIA世界にも登場しているからです。(当アカウントはHALAZIA世界はA世界ともZ世界とも別の世界という考えです

2つの世界のBe Free少女

HALAZIA世界のBe Free少女は映像だけ見ると性別がわかりにくいですが、『SPIN OFF : FROM THE WITNESS Epilogue』の記事で少女と言われていたので少女とします。

まもなく映像に登場したソンファは、青い鳥を追って会ったある少女に従い、シルエットだけで現れた4人を発見した。

現在、世界ごとに全く同じものが存在していると断言出来るのは、実はクロマーくらいです。(ハラティズはZ世界のATEEZだと思ってたけど、消えちゃったのでなんか別の存在かもしれない……)

つまり、A世界とHALAZIA世界でその存在が確認されているBe Free腕輪は、クロマーと同じくらい超重要アイテムということです。そこにきてA世界のBe Free少女と同じ顔をした少女がZ世界に登場ですよ。

A世界とZ世界とHALAZIAのまとめパワポより
A世界とZ世界とHALAZIAのまとめパワポより

もしZ世界の少女がA世界の少女と同一人物であれば、「ATEEZの他にも転移者が!? 世界の謎を知っていたりする!?」となるし、もし別の存在であっても、それはそれで世界ごとに姿形が同じ人間が存在する証左になります。なんにせよ、Z世界のBe Free少女の謎が明かされることで、世界の謎を解き明かすヒントを得ることが期待できます。

そんなZ世界のBe Free少女について、まずは今わかっている情報を整理してみます。

・ 学生団体・サンダーの団体長をしている。
・ 団体長としてZから直接認証を受けている。
・ 感情を感じている?

今回のDIARYで2回も伏線を張られているので、(〝まさか感情を感じるのか?〟、微笑んでいるようだ)まず順当にいけばBe Free少女は感情を感じているでしょう。じゃなかったらKQ意地悪すぎる。

と、すれば少女は敵なのか味方なのか、ソンファを連れ出した思惑は何か気になるところです。Z直属の高位な者は感情を持っているのか、実はレジスタンス側の人間で感情があることを隠して団体長をしているのか、はたまた少女は世界をまたぐ高次元の存在で、Z世界でもソンファを導いてくれるのか……。

ところで、HALAZIA世界のBe Free少女はHALAZIAの4人組(MVとepilogueの最後に意味深に出てくる人たち)の一員なんですよね。彼らが敵だとするとBe Free少女(Z)も敵かもしれないし、彼らが高次元の存在だとするとBe Free少女(Z)も高次元の存在かもしれません。

ハラジア四天王

うーん、全くわかりません! カムバ楽しみ!!


不思議な力を使うATEEZ

わからないと言えば、全くわからなすぎて思考を放棄しているのが、07章で描かれるATEEZのパフォーマンスです。もうなんもわからん。急に華麗なファンタジー世界を繰り広げないで。

以下、起きたことをまとめてみます。

  • 荒々しく低いベースギターではじまるグルービーな音楽(BOUNCY?)

  • 天井にAマークが刻まれた真っ黒で巨大なテントが建物を覆う。

  • ネオンカラーの絵がテントと建物に現れファンタジー世界に。

  • 遮断機が落ちてくる(どこから?)

  • 黒い海賊団いつの間にか合流。

  • 絵が消える→光を含んだボールが下に落ちる。

  • ボールは床に触れると爆弾のように光を噴出し、噴出した光はになった。

  • 鏡を見ると統制を抜け出すことが出来る(MOVEMENT DIARYより)

まず巨大なテント(物理)なのか(魔法)なのか教えてください。話はそれからだ。でもファンタジー世界とか言ってるからなんとなく不思議な力な気がしますね。『Guerrilla』では高い所からビラ撒いたり車の中からビラ撒いたり地道な(?)布教活動してたのに……あんたらそんなすごい力使えたんかい。

ネオンカラーの絵が現れるのはMVっぽい演出だなって思いました。今までそんな感じのMVあったかな? もしかしたらこれから出たり?

下に落ちて散るボールといえば『HALAZIA』ですね。

物理で下に落とされる球
サンくんに当たって弾ける球

廃墟にはサンくんの他に感情のなさそうなモブの姿もあるので、この後球が鏡になって大量覚醒フィーバータイムなのかもしれません。

球体と言えば、FEVER Part.2 DIARYで出てきたグライムズ少女の声も青い光の球でしたね。なのでHALAZIAの球も元は生体エネルギーで、そのエネルギーが質量に変化し、だから物理で綱引きしてるのかなーと思っていたのですが、今回出てきた鏡になる球はなんとなく生体エネルギーではなさそうですね。じゃあHALAZIAの球も生体エネルギーじゃないかも。てかこの球マジで何?

謎過ぎますが派手な演出でかっこいいので、パフォーマンスシーンはぜひ今後映像で見れたら嬉しいですね。


ATEEZのセリフがある!

今回個人的によかったのが、「ATEEZメンバーのセリフがいっぱいあった!」ってことです。前回はレフトアイおじいちゃんがいいとこ全部持って行きましたからね。今回はATEEZたちが実働部隊として暗躍し、少年の兄を諭す役割を担っていてよかったです。成長を感じるぜ。

特に今回は、今まで敵に捕まっては逃げる特攻隊長担当だったウヨンが色々な姿を見せてくれて熱かったですね。

「(中略)今まであんたが操り人形として生きてきたなら、これからはあんたはあんただけの人生を生きていける。それは俺が断言するよ。そして、そうできるよう俺たちが助ける」
(지금까지 넌 꼭두각시로 살아왔다면, 이제부터 넌 너만의 인생을 살아갈 수 있어. 그건 내가 장담할게. 그리고 우리가 그럴 수 있게 도울 거야.)

この少年の兄を諭すセリフ、大好き!
ウヨンの二人称は「あんた」で訳してみましたが、なかなか自分の中のウヨン像と合致してお気に入りです。

終盤みんなに置いてかれちゃって「俺抜きでひどくない?(나만 빼고 이러기야?)」って言うのもコミカルでよかったです。今回はウヨンがいいキャラしてた。

キャラが出てると言えば、兄弟が再開して一件落着したあと、ガーディアンに囲まれたことを知らせるジョンホの

「本当によかったけど、本当に……よくないね」
("참 다행인데. 참···안 다행이네.")

も言ってるところが想像出来て笑いました。呆れた感じでちょっと口をとがらせながら言ってそうですね。

DIARYの主人公(きめつけ)ことヨサンは今回もバッチリ大活躍。たしかにヨサンに「一階左端のトイレで会おう」とか囁かれたらホイホイついて行っちゃうよ。

ユノもよかったですねー。ユノとお兄さんのエピソード好きです。てかユノのお兄さんがキャラとして好きなので、物語から退場しても尚お兄さんの影響を感じられてよかったです。

「なら弟は? きみの弟はきみが死ぬことを望んでいると思う?」
ウヨンは震えるユノの肩をつかんだ。兄の死がユノにとってどんな意味なのか、ウヨンはよく知っていた。

"그럼 네 동생은? 네 동생은 네가 죽는 걸 원할까?"
우영은 흔들리는 윤호의 어깨를 잡았다. 형의 죽음이 윤호에게 어떤 의미인지 우영은 잘 알고 있었다.

熱い!!
兄弟愛も友情も熱くて最高ですね。

対アンドロイドガーディアンではクロマーの空間移動機能を自在に操るユノでしたが、そろそろトレイラーとかでもその機能使ってるとこ見せて欲しいですね。某先輩の瞬間移動みたいに。

そして、満を持してキーパーソンとなったソンファ。次回の活躍がめちゃめちゃ楽しみですね。あとそろそろサンくんの見せ場もお願いしたいところです。


おわりに

今回のDIARY、ソンファは誘拐されるわ校長は射殺されるわというめちゃくちゃ後味悪い終わり方で、「こんなんで次のカムバまで待たせるなんてひどいよ~」と思っていましたが、そうこうしているうちにもうカムバの足跡が聞こえてきましたね。

どうやら次のカムバはウサギが関わるようで、DIARYも含めて全方位ソンファ回になるのでは!? とわくわくしています。

巷ではウサギと『WONDERLAND』から連想して『不思議の国のアリス』が関係してくるんじゃないかと言われていますね。アリスといえばディズニー映画のファンタジーなおとぎ話の印象が強いですが、実は原作者のルイス・キャロルは数学者であり論理学者。原作『不思議の国のアリス』と続編『鏡の国のアリス』はナンセンスでありながら数学的、論理学的背景を持ち、当時の数学界への風刺であるとも言われています。

そんな『アリス』には物理学者も惹きつけられるのか、量子論に関係する書籍でもしばしば引用されているのを目にします。『インターステラー』の元になった『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』でも、『アリス』になぞらえたストーリー仕立ての解説がありました。私はこの本を世界観スタッフも読んでいるんじゃないかと踏んでいるので、もし今後ATEEZの世界観に『アリス』モチーフがあればさらにその妄想が補強されてしまいますね。うれしい。あと読んだことはないんですが『量子の国のアリス』なんて本もあるらしいです。みんなアリス大好きだな。

『鏡の国のアリス』なんて、まさに今回のDIARYでプレステージアカデミーは鏡張りになってますし、ソンファは迷い込んでますし、ピッタリな感じがしますね。あれ、ソンファはウサギじゃなくてアリスなんか……? まあとにかく、ウサギさんがどう世界観に関わって来るか楽しみです! ブルーバードみたいに象徴的な感じになるかもしれないしね。

今回もこんな長い文章を読んでくださり本当にありがとうございます。これからも世界観を一緒に楽しみましょう~!

ではまた!