ATEEZ世界観のここが好き:DIARY ver. 感想と考察
ATEEZのアルバム DIARY ver. に収録されている小説を読んだ感想と考察です。ストーリーを読破した人向けです。(THE WORLD EP.1 : MOVEMENTまで)
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はじめに
突然ですが上の図は、私が友人にATEEZを紹介しようと作ったダサパワポの導入部分です。
某少年漫画雑誌の三原則で知られるフレーズですが、私はATEEZを説明するとき、この言葉を使うのが好きです。
ひとつの夢を見て集まり、努力を重ね、友情を育み、〝中小の奇跡〟と言わしめるほどの成功を収めた彼ら。そしてまだまだ留まるところを知らない彼らに、この言葉はピッタリだと思うのです。
そして、友情努力勝利を感じるのは、ATEEZの世界観に触れるときも同じです。
ATEEZの世界観の何が好きって、やっぱりDIARY ver.なんですよね。
伏線投げっぱなしでは終わらずに、小説で物語を教えてくれる。そんなホスピタリティ溢れる姿勢と、こだわりぬいた世界観へのガチっぷりが本当に好きです。しかもCDで。
ATEEZのカムバを待つ間、もう気分は少年漫画の発売日を心待ちにする小学生です。
週刊少年○ャンプを毎週読んでいたあの頃の気持ちを思い出します。そう、まさに友情努力勝利のマインドです。
しかもストーリーが普通におもろい。
異世界で冒険し、捕まった仲間を救うため、そして自らの正義をつらぬくため、力を合わせて敵に立ち向かう。はい、友情努力勝利です。
……というわけで、今回はそんなDIARY ver.について、「ここ好きだわー」とか「これってこういうことなのかなー」など、とりとめのない感想や考察を雑多に書きたいと思います。
アルバム5枚分一気にやったのでたっぷり大ボリュームになってしまいましたが、楽しんで書いたのでよかったらぜひお付き合いください。
全体的な好きなところ
DIARY ver.の好きなところは、やっぱりまず第一に面白いってことです。
「オタクの好きな要素全部詰めました」みたいなハードな設定。ワクワクする構成。濃すぎるサブキャラ。なんだよアンドロイドガーディアンって。なんだよレフトアイって。名前かっこよすぎるよ。
個人的には小説っていうのも好きなところです(散々漫画に例えといて何だけど)。文字だけの情報だと想像の余地が残されているので、小説を読んでからMVなどを見返して「そういうことか!」とわかるのがまた楽しいんですよね。毎回新しくわかる部分とわからない謎の部分があって、その加減が絶妙だと思います。
小説という軸がちゃんとあるので、「とりあえずDIARY ver.読めば大体ついていける」と安心できるのも、自分のようななまけものオタクにとっては大事なポイントです。わからないことがあっても、「まあ、そのうちDIARY ver.でわかるっしょ」と信頼して待っていられる。安心と信頼のATEEZ及びKQエンターテインメントです。
そんな安心と信頼のATEEZ及びKQがお送りするDIARY ver、ここからはアルバムごとに感想を書いていきます。
ZERO : FEVER Part.1
めっちゃ好きです。文章が。
親しみやすい語り口で、みんなの切実な““感情””が心に響いてきます。引きの余韻が全部心地いい。特にイントロ。
すごいグッとくる! 何かが始まる気がする!
意味はあんまわからんけど!(まだ開けてない向こうの瞬間が今!?)
このアジトへ向かう情景が浮かぶイントロでもう胸を掴まれて、「これ動画にしたい!」ってなって翻訳を決めました。結局動画より先に記事にしちゃいましたが、動画もいつか作りたい……。
FEVER Part.1で特に好きなのはユノのパートです。
話し言葉であったかいのに、目覚めることのないお兄さんに語りかけるというシチュエーションが切なくて……。ユノが「兄さん」と語りかけるたび胸がきゅっとなります。
お兄さんは亡くなったわけではなく、意識不明の状態なんでしょうか。
ウヨンのところでは、今のところ唯一といっても過言ではないフィバティズ同士の愉快な掛け合いパートがいいですね。
「魔法のように解けていった」という締めもワクワクします。個人パートの引きは希望のある終わり方と不穏な終わり方が交互になっていて、よく出来ているなあと思います。
キャラ設定と我々の現実との近さは人によってまちまちですが、なんとなくウヨンはかなり現実に近い造形なのかな?と思ったり。サンくんはデビュー初期のサンくんっぽい。FEVERシリーズは視点ごとの話し方に個性があって好きです。凝ってるな~。
サンくんと言えば〝ボボ〟が謎ですね。
個人的には勝手に猫だと思って読んでいます。ARカードでも「ご飯はちゃんと食べてるかな」と言っていたので、生き物なのではないかと。サンくんと言えば猫だし……。
あ、そういえば、今は亡きUniverseのミステリー推理ラジオ『THE CLUES』内ドラマ「美術室の黒い影」では〝ホホ〟って名前の猫が出てきましたね。ユノが飼ってる猫だったけど。関係……あるか……?
猫に話しかけてると思ったら倍かわいいですね。なんでもかわいいけど。
そしてアウトロではフェドラの男、登場!! ハラティズ大好き!(ハラティズのファン)
ということで、A次元とZ次元、さらにはもっと多くの次元や現実を我々はすでに見ているのではないか……となんとなく思ったり思わなかったり。
確定しているのは『HALAZIA』ですね。プロローグでクロマーを回してますし、アルバム紹介に「新しい時空間」という言葉がありました。このアルバム紹介を判断材料にしていいのかはわかりませんが、これでいくとつまりA次元Z次元の次元も時空間を指しているのかな?
『HALAZIA』はノートに書かれた物語とのことなので、目撃者のブラックノートは次元(時空間)を超えているのかもしれませんね。あれ……ブラック……ブラックリンク……?
別の現実への干渉というと、なんとなくアウトロの
という文が気になってきます。フェドラの男の初登場第一声。重要じゃないわけがない。
「ここでの現実=フィバティズホンジュンが観測している現実」と仮定すると、チームが解散することになったのはこの現実のせいではない、つまり別の現実のせい、ということで、「夢を失ったのは(この)現実のせいじゃない。(別の現実の)お前たちがそう決めたからだ」とかね。あるいは、別の現実ではなく未来や無意識の話かもしれません。
MVなど蝶がよく出てくるので、「わずかな変化が大きな違いに繋がる」というバタフライ効果的な話もあるかもしれないしないかもしれないですね。もちろん純粋に「自分で決めたんだろ」って発破かけてる可能性も大いにあります。禅問答のハラティズホンジュンさんなので……。
あ、次元間の干渉といえば、Part.3のヨサンのドローンがありましたね。やはり遠隔的に次元(時空間)に干渉することが出来るのか……?
と、つい語ってしまいましたが、前述のようになまけものオタクなので、個人的にはあまり予想的なことはせずあぐらをかいて待っております。よろしくKQ!
ZERO : FEVER Part.2
冒険が本格的にはじまり、物語が一気にロードノベルに。最初DIARY ver.を読んだとき、「TRPG?」ってなりました。アチズの世界観担当者、絶対TRPG好きだと思う。
冒険の軌跡が8人それぞれの視点で語られるのがたまらないですね。断片的なのが想像力をかき立てられてワクワクします。一緒に冒険してる気になる。
そしてPart.2といえば、私の世界観上の最愛キャラ(?)、ヨサンですよ。
世界観に思い入れがありすぎて、現実ティズの最愛とフィバティズの最愛が別になるというよくわからない事態が起きてしまいました。だってヨサンめっちゃ見せ場あるし……好きになっちゃうよ……。최최여여です。(最愛は最愛、ヨサンはヨサン)(てか結局みんな好き)
フィバティズのヨサンは地味に結構なネガティブなのもかわいいです。泣きごといいがち。「そんなことないよ!」ってブックレットに向かって言いたくなっちゃいますね。あとメカいじり得意キャラなところも好きです。かわいいお顔でバイオリンと機械いじってるのたまらない。『Guerrilla』最高。
話が脱線しましたが、Part.2の個人的ハイライトは、なんと言ってもヨサンの父への手紙。
ここにきて手紙! にくい演出だぜ! ここのヨサンは冒険を経て、父の作った鳥かごから羽ばたく決意をした青い鳥ですよ(?)
なんという美しい表現……。
「顕微鏡で覗いた場所」という表現はそれまでヨサンの見ていた世界を示唆するとともに、「Z次元の人間たちが部品である」ということも同時に意味していて、本当に美しいなーと思います。
手紙の中でヨサンの語るZ次元がいろいろ対応してそうなのもいいですよね。エスカレーターは『Diary Film』のサンくんパートでも比喩的に用いられてましたし、「不必要な笑顔は消し去り」「空を見ることなく」「顔を向かい合わせる方法を忘れた」は『Guerrilla』歌詞の「笑いはコントロールされ」「みんな顔をあげて向き合おう」とか。芸が細かい。
あとはミンギのところも好きです。Part.1はやさぐれながらも結構堅めの語り口だったミンギですが、Part.2ではだいぶ砕けた口調に。お疲れモードなのか文句たらたらでかわいい。
「あいつ(ウヨン)は必ずああやって余計なおせっかいをするんだ」←すき。
後半は「デジャブ」というワードで次のカムバスポになっているのもKQらしい演出だなと思います。ひとつの世界観として繋がりを大事にする変態的なこだわり、好きだぜ……。
そして、ジョンホのところでは奪われたグライムズ少女の声が青い光の球になることが判明。『HALAZIA』の謎の球体(質量あり)も生体エネルギーを凝縮したものなんですかね。
「よくわからんけど新エネルギーをなんかしてできるらしい」みたいな適当なジョンホ、わかりすぎてかわいいですね。
設定盛りすぎスーパーおじいちゃんことレフトアイの過去も明らかに。
レフトアイのファッションデザイナー設定については、ATEEZたちがゲリラ活動など行うときの衣装に整合性を持たせるための設定なのかなー……というメタ的な推理をなんとなくしております。レフトアイ、あんたセンスいいよ。最高だよ。
そのうえで新エネルギーを扱って遮断機まで作っちゃうんだからもうなんでもありですよ。ドラえもんですよ。あわよくばヨサンにももうちょっとメカ分量ください(メカ分量?)
ZERO : FEVER Part.3
Part.3のハイライトは間違いなく、ホンジュンとフェドラの男の再開でしょう。
ついに! 二つの次元のATEEZが対面です! 胸熱すぎる! 同じ顔の別の人間が対峙するって、やっぱいいもんですね。『Answer』の食卓もなんなのか早く知りたいよ。
そして、ここでATEEZのMV解読をめちゃくちゃややこしくさせている主要因ともいえる事項、「ハラティズのブラックスーツがフィバティズに着せられる」事案が発生。
この事項のせいで、「フェドラを被っている=黒い海賊団であり夢の中に現れたフェドラの男たち」という等式が成り立たなくなっているので、ハラティズには常に「ハラティズの恰好をしたフィバティズ」である可能性があるんですね。ややこしい。マスクとかフェドラのチェーンがどうとかラッパとメガホンがどうとかの説があるみたいですが、自分はよくわかりません。お手上げ。続きはDIARY ver.でよろしく頼みます。
Part.3は現5作の中でも群を抜いて情景描写が美しくて好きです。
意訳解説でも長々語りましたが、「バットに当たった物たちは、無心に砕けて割れた(배트에 맞은 것들이 무심히 부서지고 깨졌다)」とか。めちゃくちゃ翻訳に苦しめられたけど大好きです。(※苦しめられすぎて今読み返しながら翻訳版修正しちゃいました。詳しくは意訳解説で)
アウトロホンジュンの血のにじむ拳も少年漫画っぽくて好き。かっこいい。さすが俺たちのキャプテンだぜ! その場面の絶望感漂う空気もぞくぞくします。
あとはミンギパートの海の描写も詩的でいいですね。宝石とか星とかオレンジ色とかきらきらしててきれい。ミンギっぽい。
ところで今読み返して思ったけど、太陽は絶望で星は希望なんだなあ。
星といえば『Deja Vu』MVに星みたいなのがでてましたね。クロマー座とかフェドラの男座みたいな……あるいは粒子? 精神世界? クロマーが月の動きを組み込んだ砂時計なので、天体もなんかしら関係してくるのかもしれませんね。アルバム紹介でも星が……あ、そうか、星は俺たちか……(悟り)
情景描写ではないけど、他人の記憶を燃やすアンドロイドガーディアンに憤るサンくんのまっすぐさもサンくんって感じがしてよかったです。そのまっすぐさが爆発するところがストーリーでもぜひ見たい。まさにキングダムAnswerでアンドロイドガーディアンに飛びかかるサンくんのような……。あ、でもそうするとサンくんの身が危険になっちゃうな。安全な範囲でお願いします(?)
ガラスのかけらに一目散に駆け出して騙されたり、警備そっちのけで酔っ払ってたり、それまでちょっと間抜けかわいい印象のあった(そうなの?)アンドロイドガーディアンが、ここにきて悪役然として立ちはだかりましたね。
ところでアンドロイドガーディアンてしゃべるのかな。Part.2では「得体の知れない声(알 수 없는 목소리)」とか言われてたけど……。でも人の記憶で酔っぱらって泥酔する個体もいるもんな。アンドロイドガーディアンは厳密には人間の脳に機械を組み合わせた[出典]、言うなればサイボーグガーディアンらしいので、ある程度の知能はあるのかもしれませんね。いやアンドロイドじゃないんかーい。
人間の脳がもとになっていることを隠すため、中央政府がわざと〝アンドロイド〟と名付けたとしたら皮肉ですね。
全体的に見ると、前半でジョンホを助けて、後半はクロマーを見つけて回して、ヨサン大大大活躍ですね。あったかく笑って「ここから出よう」って言うヨサン、ありありと目に浮かびます。美しい。ライター絶対ヨサン好きだと思う。
ラストのヨサンはよく考えるとめちゃくちゃすごい賭けに出ましたよね。そもそもなんで割ったんだろう。回すだけで逃げられた気もするけど……。
とにかくクロマーを壊したことによる影響が「移動中に次元(時空間)の狭間に閉じ込められる」とか「存在が消滅しちゃう」じゃなくてよかったです。
次元の狭間といえば、『Answer』MVの最初のほうはなんか高次元っぽいですよね、もにゃもにゃしてるのとか。あと時計も時空とか時間のメタファーっぽい。そういえば『HALAZIA』でも巨大なクロマーの中にいたりしたな。ただのイメージ映像なのか、今後次元転移に障害が発生するのか、高次元でなんかあるのか……。どうなるATEEZ!?
ZERO : FEVER EPILOGUE
そんなこんなでもうFEVERシリーズも終わりです。EPILOGUEでは舞台が現代に。
この戻って来たところが元いたA次元なのか、よく似た別の次元なのか、断定できる書き方はされてないんですよね。
確定しているのは、戻って来たA次元にはフィバティズはそれぞれ一人だけということ。
これは飛んだ先の次元の自分について記述がない点と、ユノのお兄さんの「ユノが急に変わった」という話からわかります。
加えて「急に変わった」ということは、元々その次元にユノがいたということであり、フィバティズは意識のみ移動する、いわゆるタイムリープをしているのだと思われます。
ここで気になってくるのが、「フィバティズとハラティズは対面している」という点。
A次元からZ次元へは身体ごと移動して、戻ったときは意識のみ移動しているのか……。それとも最初にZ次元へ行ったときから意識のみ移動していたのか……。
しかし、結局ここについてはまずATEEZ世界における時間……というか世界そのものがどういうものなのかわからないとなんとも言えません! 答えがあるかも分かりません! 乞うご期待!
個人パートではジョンホとミンギの和解が友情を感じて好きです。熱いぜ。Part.1の話がここで効いてくるのがいいですね。『FEVER ROAD EP.6』でもミンギは「ジョンホが誰よりも見ててくれた」みたいなこと言ってましたもんね。あ、そういえばそんなジョンホを救ってくれたのがユノでしたね。そしてお兄さんを失ったユノの心情を察するミンギ。ここ三角関係みたいになってるんですね。
ユノといえば、ユノのお兄さんがキャラとしてかなり好きです。お兄さんのセリフが全部よすぎて翻訳するのが超楽しかった。ちょっと飄々としてる感じがキャラ立ってていい。ホンジュンと出会ったところ、見てみたかったよ……(泣)
終盤で「クロマーを回せ!」って言うユノの気持ちを思うと……泣ける…………(めちゃくちゃ感情移入する人)
フィバティズのウヨンは敵に捕まりがちでかわいいですね。アンドロイドガーディアンにもヘンリージョーにも捕獲されつつ、間一髪脱出している男。足速いだろうに捕まっちゃうのか……ってちょっと思ったけど、真っ先にブランケットを被ったところを見るに、一人で切り込み特攻隊長しちゃうから捕まるのかもしれません。なんだかんだ捕まっても脱出できるのはまさに駿足のなせる技ですね。
アウトロでは我らがATEEZが帰還。
この部分、自分は最初読んだとき戻ってきたのはハラティズだと思ったんですよね。「フィバティズがどうやって黒い海賊団のバンカーにある機械に信号を送ったの?」とか、「黒い海賊団たち、ハラティズ帰ってきたばりにめっちゃ喜んでない?」みたいなとこに気を取られて……。グライムズ少年もフェドラの男たちを待ち望んでるみたいだったし。あとA次元とZ次元ってよく似てるので、どっちの次元のATEEZもATEEZって名乗ってたらかっこいいなって……。
A次元とZ次元はどっちもATEEZの顔してる人がいたりとか、クロマーがあったりとかも似てますが、サイエンサルバールと中央政府も似てますよね。
どっちも同じような理想を掲げてるし、クロマーを狙ってるし。モブの服の色は逆だけど何か意味があるのかな。
そういえば似ている世界は『HALAZIA』もありましたね。
文明崩壊後っぽい世界だけど、フェドラの男(カカシ)、黄色いなにか、生体エネルギーっぽい球、青の布をまとった人々、Be freeのブレスレット、そして現れる8人の少年とか……めっちゃ似てる。
『HALAZIA』のように明言されている別の次元(時空間)はまだ他は出てきてないですが、他にも似たような世界がいっぱいあるのかもしれないですね。
……そもそも『HALAZIA』の助ける側のATEEZってもともとあの次元にいたのか、他の次元にいたのかどっちなんですかね。最初見たときは「この先無数の次元を救うことになったフィバティズが行き着いた次元のうちのひとつ」かなーとなんとなく思ってたけど、旅立ち前のBe freeまで同じとなると別の……ジアティズ(?)と見るほうが自然な気もしてきます。
え、あれ、ていうかハラティズってどの次元にもいるの? しかもどの次元でも負け確なの……?
ハラティズと言えば、EPILOGUE後のZ次元のハラティズはどこ行っちゃったんですかね。
MOVEMENTでは「黒い海賊団」って言葉は出てくるけど、「黒いフェドラの男たち」って言葉は出てこないんですよね。なんでだろう。帽子を脱いでただの黒い海賊団になっちゃったのか。用事があってどっか行っちゃったのか……。
まさかハラティズの存在が消えちゃったとかそんなことはないですよね。『HALAZIA』ではカカシになってた上に燃やされてたけど……ハラティズはZ次元で捕らわれてるだけだもんね?『HALAZIA』のハラティズはZ次元のハラティズが出張してただけだよね? ちゃんといるよね?
え、まさかMOVEMENTでフェドラの男たちが出てこないのって、Z次元では「フェドラの男たち=フィバティズ」になっちゃったとかそういうこと??
ATEEZがフィバティズとハラティズを指す言葉なんじゃなくて、フィバティズとハラティズの方が一緒になっちゃった?
Part.3でブラックスーツを着せられた段階で、もうあの次元ではフィバティズがフェドラの男たちに〝なっていた〟とか……。 いや、『Say My Name』全部ひっくるめてヨサン救出時の話だとして、Z次元に戻ってヨサン助けるまでになんかあった可能性もありますね。
あれ、じゃあヨサンを助けたソンファはフィバティズ(ハラティズのすがた)なのかな。ヨサンも「ソンファ兄さんだった(성화 형이었다)」って言ってるし……。
そう思うと、『Say My Name』のラストもハラティズの方は真っ白の背景だし……なんか……融合してるっぽい感じに見えてきますね……。『HALAZIA』でもソンファがハラティズ(カカシ)と同じポーズしてたし……。
……えっ? ATEEZってATEEZ同士なら融合できるの? そんなぷよぷよみたいなことある……?(混乱)
でもハラティズって実体……ありますよね……? ガラスの棺に(たぶん生体エネルギーを抜かれずに)閉じ込められてたし……。ガラスの棺に入っていたのは生体エネルギーだとか言われたらもうわからないけど……。
そういえば他のレジスタンスやグライムズ姉弟は生体エネルギーを抜かれて布までかけられてるのに、ヨサンもハラティズと同じくガラスの棺で特別待遇なんですよね。監視付きで。中央政府はATEEZ一族(?)が特別な存在であることを知っているのかな。
あとヨサンはブラックスーツ着てない? っぽいんですよね。イメージ映像とは重々承知な上で、『Say My Name』MVでもキングダム『Answer』でも着ていないのでさすがに信じていいんじゃないかと。ヨサンがどのタイミングでいなくなったか不明なので、ヨサンは元からブラックスーツを着せられていない可能性もありますね。
いやもう何があったかヨサンに教えて欲しい。ガラスの棺にいたときご飯食べてた? ハラティズと会った? 男性? 黒い海賊団に所属している?(アキネイター?)
なんだか妄想が不穏な方向に来たので、このへんでやめにしておきます。何はともあれハラティズのファンとしてはHALAZIAでもMOVEMENTでもフェドラが消えてしまうの、本当に悲しいですよ……。私たちのハラティズはどこへ……(泣)
これでハラティズは本当は想像上の存在ですとか言われたら泣いちゃう。私はハラティズ視点のスピンオフが見たいんだ! ハラティズいたもん! メイ見たもん!(ハラティズのファン)
……いやでも実体のないハラティズもそれはそれでかっこいいからいっか。
余談ですが、前述した「似たような世界がいっぱいある」というのはフィクションの話だけではなく、現実でも量子論の世界で真面目に予想されていることなんですね。
「無限次元の空間で世界は無数に共存している」とする多世界解釈や、「宇宙の最小単位をひも的なものと仮定したら、この世界が9次元空間(10次元とも)であることになっちゃった! 余った次元どうなってんの?」というところから端を発する、超弦理論(超ひも理論)に基づく様々な仮説などがあります。
ここで思い出してほしいのが、『Diary Film』冒頭のナレーション。
……なんかそれっぽいですね!(雑)
もしかしたらATEEZの世界観は、なにかのきっかけで無限に広がってしまった世界を舞台に、それぞれの次元(時空間)をATEEZが救いながら、ふたたび8つの次元(時空間もしくは空間)にいい感じにまとまる物語なのかもしれないですね(雑)
THE WORLD EP.1 : MOVEMENT
さてさて最後、お待ちかね(?)ディストピアZ次元です。今までZ次元についてあえてスルーしてきましたが、ここでまとめて語ります。
MOVEMENTでついにその様子がつまびらかに描かれたZ次元は、極端な管理社会、支配者とモニター、AIによる統治、芸術の禁止、無味乾燥な世界などなど……まったくもって由緒正しい(?)ディストピアですね。ATEEZの世界観でも、ディストピアの代名詞とも呼ばれる小説『1984年』の影響が色濃く感じられます。あとは感情を揺さぶる芸術分野の禁止といえば映画『リベリオン』、AIが支配する世界と言えばTRPG『パラノイア』などなど。連綿たるディストピア作品の歴史を感じますね。
そう考えると、支配者・Zが人間なのかも気になるところですね。表向きはテロ防止のために身元を隠しているということになっているけれど……。まあ人間か。ヘンリージョーも人間だし(?)
平均寿命200歳って、たぶん人体の成長スピード自体どうにかなってますよね。プレステージアカデミーの子(見た目ローティーン)のお兄ちゃんがもうすぐ卒業試験(40年の教育課程修了)を控えてるから……。
レフトアイとか何歳なんですかね……150歳くらい……? グライムズ姉弟もフィバティズよりはるかに歳上だったりするのかな。
人間が社会の部品となった世界で、個々人のエネルギーを取引するマーケットは誰が利用してるんでしょうか。政府関係者かな。いつどんな過程で今の中央政府が政権握ったのかも気になるなー。
ホンジュンやウヨンが変装していた中央政府側っぽい人たちの服には砂時計っぽい形のワッペンがついているので、もしかしたら中央政府はクロマーの力を使ってZ次元を支配したのかもしれないですね。A次元の中央政府ことサイエンサルバール的にもクロマーは人類を救う鍵ですもんね。サイエンサルバールにおける「人類を救う」というのはおそらく「未来の不確実性を取り除く」的なことなので、うまいことクロマーを使ってそれを実現しちゃったのがZ次元の中央政府なのかもしれません。
そう考えると、中央政府がアンドロイドガーディアンを使ってクロマーを追っている理由は、「黒いフェドラの男たちに奪われたクロマーを取り返すため」な気もしてきます。
そんなZ次元に便利アイテム・遮断機で対抗するATEEZ。この遮断機をチップに当てる場面、〝粒子〟という単語が出てくるんですよね。
もちろんここで言う粒子とは素粒子とかそういうアレではなく〝ちっちゃい粒〟くらいの意味で、おそらくは生体エネルギーを指していると思うのですが、書き方がとてもそれっぽいです! 光電効果ぽい!
クロマーの機能も量子の性質を元ネタにしてたら面白いですね。量子テレポーテーションとかね。
という一文から始まる、「洗脳を解くのに鏡がキーアイテムとなる」というアイデアは、「幼児は鏡を通して自我を獲得する」というラカンの鏡像段階やそこから発展した理論を元にしているんですかね。
鏡写しのようなATEEZたちを描いた上で、ここにきて鏡を重要アイテムに取り入れてくるの、構成が美しすぎて惚れ惚れしてしまいますね~。
クロマーも線対称だしね。『Say My Name』の向き合うATEEZもクロマーの形になってるし美しいですよね。
そうそうクロマーの形と言えば、あれは相対性理論において4次元時空を表す光円錐の形をモチーフにしてるんじゃないかと思ってます。
この図は時空上の光の届く範囲(我々が観測できる範囲)を表した図で、この光円錐の中では時間は過去から未来へ流れる(因果律が成り立つ)ことを意味します。ちなみに、図を見てわかるように縦軸の時間は下から上に流れます。なんかクロマーっぽいですね。
通常次元を移動する際は下から上に砂が流れるクロマーが割れ、過去に戻ってきたというのは、因果律の逆転を暗示しているのかもしれません。
あ! そういえばラカンのシェーマL(L図)も砂時計みたいな形をしてますね!
シェーマLは鏡像段階の考えを元に作られた図で……と説明したいところですが、めっちゃ難しいしぶっちゃけ私もよくわかんないので、ここではごく簡単に、この図を使って「他者(鏡像)を通して自我を形成する過程を表せる」ということと、「向かって左側が自分サイド、向かって右側が他者サイド」という説明に留めておきます。
そう思うと、なんだか『Say My Name』で向き合うATEEZにも見えてきますね……。
※小さいaは想像界の話なので、ハラティズがいてもいなくてもあてはめられます。一応ね、一応。
歌詞の最後で「今新しく生まれた僕の心(이제 새로 태어난 My mind)」と言っていますし、ATEEZが他者に「名前を呼んでもらうこと」を必要としているのもなんだかいい感じにハマるような気がします。この構図は、「ハラティズと向かい合うことで自分を得るフィバティズ」という意味も込められていたりするのかな。
もしかしたらクロマーの形は、時空を象徴するとともに、他者との関わりや自我の獲得、鏡像のように相対するATEEZを象徴しているのかもしれませんね。
メタファーと言えば、FEVER EPILOGUEのところでちょっと話した超弦理論にはブレーン(膜)というものがありまして、「私たちのいる空間は膜のようなもので、その膜がいっぱいあるんじゃない?」というのが超弦理論に基づく主な〝世界いっぱいある説〟なんですね。
閉ざされたドームの膜をクロマーを使って行き来するATEEZは、クロマーを使って次元(膜)を移動するATEEZのメタファーになっているとしたら面白いですね。
※私は「膜」と訳しましたが、막は「幕」とも訳せます。
今のところ次元(時空間?)、空間、時間を移動でき、夢にも干渉できるすごすぎアイテム・クロマーですが、MOVEMENTを読んでいると「そんなにじゃんじゃん使って平気なの!?」と心配になります。大丈夫? 自我保ててる? ペナルティとかないといいけど……。
そしてPart.3で休息の島と呼ばれていた島は、いつの間にかガーディアンズアイランドに。表向きからすでに社会不適合者を再教育する施設という字面だけで怖すぎる。なるほど、ガーディアンズアイランド送りだ。
政府に反旗を翻したものを処理してどうするのか地味に気になるんですけど……まさか美術館は一時保存場所で、島のどこかで生体エネルギーを抜いた人体の脳を使ってアンドロイドガーディアンを作るとか……そんな怖いことないですよね。まさかね。
初期の自覚者とか、自力で統制から脱するほど強い意志を持っているからこそ、ガーディアンにされてもなお他人の記憶に込められた感情に執着してしまうとか……(全部妄想です)
いやマジでアンドロイドガーディアン アンドロイドじゃない問題、色々な意味で衝撃すぎる……。フィバティズのみんなはアンドロイドガーディアンが元は人間だってこと一生知らないでほしい。世の中には知らない方がいいことだってあるんだ。
フィバティズと言えば、ミンギのセリフ、「なんでわざわざ? 強制リンク接続がもっと効率的じゃないか(굳이 왜? 강제 링크 연결이 더 효율적이잖아)」はなんかめっちゃ言いそうでウケました。ぶっこみがちミンギ。かわいいですね。
ソンファの「とりあえず、それは一番最後の段階だから。今は僕たちができることからやろうよ(일단 그건 가장 마지막 단계니까. 지금은 우리가 할 수 있는 일들부터 하자)」もソンファっぽくてよかったです。言いそう。ふんわりまとめてくれるお兄さん。癒やされます。
いやしかし、ATEEZのセリフいいんだけど、いいんだけど……レフトアイのセリフが多い! レフトアイめっちゃ大事なこと言ってるけど! ATEEZにもセリフをくれ! ていうかATEEZらしきセリフは誰が言ってるか教えてくれ! 不明ティーズ(ふめいてぃーず)のセリフが多い! 「だから時間をあげるんですね」あたりのセリフ誰が言ってるのかめっちゃ気になる!!
あ、トレイラーを見る限り、レフトアイは右腕を取り戻せたってことなんですかね。よかっ……なんか義手にも見えるな……。レフトアイ、大変な人生だけど、これからもATEEZをよろしくお願いします(泣)
え、レフトアイが腕取り戻してないならグライムズ姉弟は……?
………………(泣)
おわり
語った! 語りました! 楽しかった!
こんなごちゃごちゃしてクソ長い文章を最後まで読んでくださった方ほんとうにありがとうございます!
最初はただ好きなところだけ言うつもりだったんですが、書いてたらいろいろ気になって楽しくなってしまいました(笑)
好き放題語りすぎてこれを公開すべきかわりと本気で悩んだんですが、私と同じように世界観語りに飢えているオタクに届いたらいいなと思って公開することにしました。
翻訳しながら思っていたことを全部書けたので本当に満足です。
小説の翻訳は今回初めてしたんですが、めっちゃ楽しかったです!
自分が「ここいいなー好きだなー」って感じた部分を損なわないよう、ああでもないこうでもないと細かい部分にもこだわってみました。拙訳を読んでくださった方に伝わってたらいいな。
OUTLAWも楽しみですね!
ATEEZはカムバの楽しみがたくさんあるのですでに頭が忙しいです(笑)
とりあえずCD入手次第DIARY ver.は可及的速やかに翻訳しようと思います。
ではまた!!
▼次の感想記事です