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【ATEEZ 世界観④】 ZERO : FEVER EPILOGUE DIARY ver. ストーリー和訳
ATEEZのリパッケージアルバム『ZERO : FEVER EPILOGUE(DIARY ver.) 』に収録されているストーリーを日本語訳しました。
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全4編となるFEVERシリーズ最後の4作目であり、ATEEZたちのクロマーを巡る旅はここで一旦終わりを迎えます。
ZERO : FEVER EPILOGUE ◀いまここ
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▼あらすじで要点を押さえたい方へ!
あらすじと概要
[前回のあらすじ]
レフトアイを仲間に加え、メンバーたちはついに敵の拠点・アンドロイドバンカーへ乗り込んだ。そこでホンジュンが見たものは、自分と同じ顔を持つフェドラの男だった。一方、ヨサンは一人クロマーを探し出すが、アンドロイドガーディアンに捕まってしまう。ヨサンを人質にクロマーを要求するガーディアン。ホンジュンはガーディアンにクロマーを投げるが、飛び出したヨサンがそれをつかんで回し、床に叩きつけ壊してしまう。壊れたクロマーの力で倉庫に戻って来たメンバーたちだったが、そこにはヨサンを除いた7人の姿しかなかった。絶望するメンバーたちのもとに、どこからともなくヨサンのドローンが飛んでくる。そして彼らは確信した。ヨサンは生きている、と。
今作『ZERO : FEVER EPILOGUE』のストーリーでは、 Part.3の最後でアンドロイドガーディアンに捕らえられたヨサンを助け出すため、舞台をA次元に移してクロマーを巡る冒険が描かれています。また、A次元とZ次元双方の様子を描くことで、異なる次元の対称的な関係が映し出されています。
アルバム収録曲であり、サバイバル番組『KINGDOM : LEGENDARY WAR』で発表された『Answer(Ode to Joy) (Feat.LA POEM)』のパフォーマンスでは、今作ストーリーの終盤が表現されています。また、TREASUREシリーズで公開された『Say My Name』MVでも囚われのヨサンが描かれており、今作のストーリーとの繋がりがうかがえます。
本編
[📷] ATEEZ ZERO : FEVER EPILOGUE
— ATEEZ(에이티즈) (@ATEEZofficial) November 26, 2021
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UPON THE NEW WORLD
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2021. 12. 10 6PM
⠀#ATEEZ #에이티즈 pic.twitter.com/AZ2LiYSYeU
A. INTRO
「滅亡を控えた人類を救うもの」
マヤの遺物を盗もうとした3人組、
新興宗教団体〈サイエンサルバール〉と明らかに
国立中央博物館で展示中の〈マヤ文明展〉でマヤの遺物を盗もうとした3人組が、当時勤務中だった請願警察に逮捕された。
ソウル龍山警察署は、十七日、特殊窃盗未遂などの容疑でA氏(31)とB氏(28)、C氏(21)を逮捕、取り調べしている。彼らは十日午前十時五分に、〈マヤの時間、運命。そして預言〉展示館にて展示された遺物を盗もうとした疑いだ。
A氏は犯行理由を尋ねる取材陣に、「滅亡を前にした人類を救うためには、盗まなければならなかった」と話した。彼らは新興宗教団体である〈サイエンサルバール(Sciensalvar)〉の信徒と判明しており、サイエンサルバールの教祖であるヘンリー・ジョー(Henry Jo)の影響を受けて犯行を計画したものと推測される。
サイエンサルバールは、科学者ヘンリー・ジョーが1999年に創始した新興宗教だ。人間をエネルギーの集合体だと信じ、不確実な未来から来る人間の不安を科学で解決できる、と信じる宗教として知られている。
ヘンリー・ジョーは創始後、公式的な場でたびたび砂時計の形をしたマヤの遺物に言及しており、遺物の中に凝縮されたエネルギーが人類を救う鍵となるのだ、と話してきた。
ヘンリー・ジョーが言及したマヤの遺物は、〝月の動きを組み込んだ砂時計〟としてマヤの専門家たちの間でも解釈がまちまちだが、当時は珍しい冶金術を活用した遺物で、儀礼に使用した物だ、と解釈するのが学会の定説である。
マヤ文明:
メキシコ南東部を中心に紀元前から発展した文明。あまりにも高度な文明を持っていたため、たびたび〝宇宙人が技術を持ち込んだ説〟が浮上する。
請願警察:
韓国において、公的機関などが警備のために自費で雇う特殊な警察。警察官権限の行使は指定区域に限られるが、銃器の携帯・使用は許可されている。
冶金術:
金属を配合して合金を作る技術のこと。マヤ文明では金より翡翠の価値が高く、冶金術はあまり発達していなかった。
01. SAN
ヨサンがいないままにこの場所へ帰ってきて、いつしか一週間が過ぎた。
アンドロイドガーディアンが存在しないこの場所は、違う次元に発つ前、僕たちが暮らしていた場所だ。
道の風景も、人々も、見慣れた姿そのままだったけれど、
ただひとつ、時間帯が変わった。
簡単に言えば、僕たちは過去に帰ってきた。
ユノのお兄さんが交通事故に遭う少し前。僕たちみんながアジトに集まる前の時間だ。
おそらくクロマーが壊れたことにより、若干時間がずれたのだろう、と推測した。
そのずれに、ユノは歓喜した。
過去に戻って、事故で失ったお兄さんを取り戻したからなのだろう。
頭では理解できたけれど、喜ぶユノが内心薄情に見えた。
過去にしろ現在にしろ、僕たちは今生きているけれど、ヨサンはいないから。
クロマーが壊れた以上、あの場所へ戻る方法はないから。
漫然とした時間ばかりをつぶしていたとき。ソンファ兄さんが大慌てで入ってきて叫んだ。
「これ、クロマーだよね?」
ソンファ兄さんはひとつの新聞記事を見せてくれた。
国立博物館で展示されていたマヤ遺物の窃盗未遂に関する記事だった。〝月の動きを組み込んだ砂時計〟。それはクロマーだった!
02. SEONGHWA
「考えてみれば、僕が夢で受け取った、壊れたクロマーは、黒いフェドラの男がくれたものだった。彼らの次元に存在するクロマーだったってことだろ。それなら今、この世界にもうひとつ違うクロマーが存在するっていうのも不可能なことじゃない! そのクロマーを使ってヨサンを探して、また元の場所に戻しに行こう!」
興奮したホンジュンの言葉に、メンバーたちは危険で不法的なことだと難色を示した。
「違法だろうが何だろうが、それが重要なの? じゃあヨサンは? あそこにそのまま置いておくのか?」
そうだ。過去の僕だったら。つまりは常識、規則の枠組みから外れることを知らなかった僕だったら。ホンジュンがクロマーを盗もうと言ったとき、同じように反応しただろう。
だから余計に腹が立つのかもしれない。
でも今の僕は、あのときの僕とは違う。
どんなことよりも、ヨサンを助けることが最優先なのだ。
「もう過去に留まらないことにしたじゃないか。
別の世界に発ったとき、みんな決心したんじゃなかったの?」
僕たちはわかっている。ここが現在ではないということを。
だからこそ行かなければならない。すべてを正すために。
しばらく考えを整理していたメンバーたちは、一人二人とクロマーを盗む計画に同意しはじめた。
みんなの意見がまとまった、そのとき。ユノが静かに言った。
「俺はここに残るよ。兄さんから離れることはできない」
03. JONGHO
信じていたユノ兄さんの発言は衝撃的だった。
複雑な思いを落ち着かせようと、アジトの周辺を歩いていた。
同じ気持ちなのか、ミンギ兄さんも静かに僕のそばをついて歩いていた。
「俺はユノの決断、尊重する」
怪訝な顔でミンギ兄さんを見つめると、兄さんは慎重に言葉を続けた。
「俺もおばあちゃんを失うかもしれないと思ったとき、夢もメンバーもみんな贅沢だと思ってたんだ。
たぶん、ユノはもっとだろう。一度失った人を取り戻したのに、また失いたくはないだろうから」
ミンギ兄さんを殴った瞬間が思い浮かんだ。
僕たちの夢が贅沢だという言葉とともに、もうやめるとミンギ兄さんが言った瞬間。深い裏切りを感じて、僕は思わず拳を振るってしまった。すぐに後悔したけれど……。
「いまさらな話だけど、実は、その、誰よりも諦めたくなかったよ」
諦めることを決心した理由。その日、兄さんの唯一の家族であるおばあさんが倒れたのだと言った。
メンバーたちと笑って騒いで幸せな時間を、一人で享受したことが罪のように感じられたのだと。
ミンギ兄さんの状況をつぶさに聞いて、やっとその気持ちが少しだけでも理解できた。
心のすべてを推し量ることはできないけれど、ユノ兄さんも複雑なのだろうと思った。
失った実のお兄さんをふたたび見つけたという思いと、ヨサン兄さんを助けたい思いの間で葛藤し、一番つらい人はユノ兄さんなのだろう。
僕たちは長い長い話し合いの末、ユノ兄さんの決定を尊重することにした。
誰も強要することはできないから。
04. YUNHO
今頃なら、博物館の前でみんな集まってるだろうな。
なんでこんなに不安なんだ。みんな計画通りにうまくやってるだろ?
携帯電話を一分に何回確認するんだ、という兄さんの言葉に、俺はぎこちなく笑って携帯電話を置いた。
大したことじゃない、と言って、兄さんの左足を揉みはじめる。
「変わったも変わった。あまりにも変わりすぎってことさ。まあ、毎日バイクに乗ってうろついてたのよりは、今の方がずっといいけどさ。ここ二週間でお前が急に変わったから、適応できなくてたまらないよ」
それもそのはずだ。俺は未来を見てきたから。
「神様が兄さんの足を少し不自由に作った代わりに、完璧な手をくれたみたいだ」
兄さんが不思議そうな目で俺を見るので、ギターを弾く兄さんの真似をする。
あきれた、と言わんばかりに笑った兄さんが、「せっせと左足でも揉みな」と言った。
先天的に機能障害がある右足の代わりに、左足が両足の役目を果たしているので、兄さんの左足はいつもぶくぶくむくんでいた。
「たしかにな。たぶん足が丈夫だったら、こうして座って楽器を触るなんて考えもつかなかっただろう。そう思うと、ある種、欠乏は人を目覚めさせるような気もする。そうだろ?」
言葉を切って、兄さんは作業室の片隅にあるテレビをつけた。テレビではニュース速報が流れていた。
サイエンサルバールの教主ヘンリージョーが、信徒100人を連れて国立中央博物館に突入し、マヤ遺物を盗み、それを防ごうとした少年たちが人質に取られているというニュースだった。
反射的に起き上がった。人質に取られているという少年たちは、メンバーたちだった。
引き出しの中からバイクの鍵を取り出し、兄さんに向かって叫んだ。
「兄さん、今日は絶対外に出ないで。絶対、絶対出ちゃだめだから!」
05. WOOYOUNG
宗教団体だって言ってなかったっけ? なのにどうして……。
ヘンリージョーの刃の切っ先が俺の首に向かっているなんて……。どうしてこんなことに。
午後四時。博物館の前で会った俺たちは、三人ずつチームを分けて入ることにした。
閉館時間が近づき請願警察の警戒がゆるんだ隙に乗じて、ひとつのチームが死角を作り、もうひとつのチームがクロマーを盗んだあとすぐにヨサンがいる場所へ行く、というのが俺たちの計画だった。
しかし、博物館に入る前から、俺たちの計画は狂っていた。
展示場の外にあふれる赤い服の群れの中で、ただ一人、黒いテックウェアを来た男がクロマーを持っていた。白く長いひげと、右の頬にある黒いほくろ。大きなゴーグル。
彼がサイエンサルバールの教主、ヘンリージョーだった。
彼らからクロマーを取り戻さなければならなかった。今を逃せば戻る方法がないかもしれない。
ちょうどそのとき、女子高生たちが赤いブランケットを肩に掛けて俺の前を通り過ぎて行った。
なりふり構わずそのブランケットを奪う。頭の上に被って、サイエンサルバールの群れの中に入っていった。驚く女子高生たちの顔を背にして、メンバーたちもブランケットを被ったまま群れの中に合流した。
ゆっくりと、ヘンリージョーとの距離を縮めていく。
腕だけ伸ばせばクロマーをつかめる距離まで近づいたとき。
タン! 空砲を撃った警察たちが、ヘンリージョーと信徒の前に立ちふさがった。
その刹那に、クロマーの方へ手を伸ばしてみたけれど……。ヘンリージョーはそれより速く俺の首に刃を当てた。
ヘンリージョーは、漏れ出る笑いをこらえながら俺にささやいた。
「ちょうど人質が欲しかったんだ。来てくれてありがとう!」
06. HONGJOONG
「頭を使えよ、ホンジュン。頼む、頭を使え!」
なんの考えも出てきやしない。
一度たりとも感じたことのない恐怖に、思考回路が止まった。
タン! もう一度警察が空砲を撃つ。
警察は最後の警告だと言って、人質を解放しなければ警告射撃なしで発砲する、と叫んだ。
信徒たちはざわめき、ヘンリジョーが動じるな、と大きな声で叫んだ。
そのときだった。派手な排気音を出しながら、一群のバイクがこちらに向かって走ってきていた。
六台のバイクが、サイエンサルバールの集団の周りをぐるぐる回りだす。
意図がわからないライダーたちの行動に、信徒たちは不安になりはじめた。
ヘンリージョーが何か叫んだが、うるさい排気音のせいで隣の人の声も聞こえなかった。
そのとき、見慣れたステッカーを貼ったバイクが目に入った。ATEEZ YH。ユノだ!
それならきっと、他のライダーはユノの友達なのだろう。
ユノの計画が何なのか、直感的にわかった。
信徒たちの制御がきかないとわかると、ヘンリージョーは人々の方へ目をそらした。
「ウヨン!」
僕の叫びを聞いたのか、もしくはウヨンも直感的にユノだという事実に気づいたのか、ウヨンはクロマーをひったくり、一目散に駆け出した。
信徒の群れを離れるやいなや、ユノとライダーたちは僕たちをそれぞれバイクに乗せ、スピードを上げた。
警察が信徒を制圧しているあいだ、一人で遠くへ逃げていくヘンリージョーの姿が見えた。
07. MINGI
「やっぱり、戻ってくると思った!」ユノの後ろで俺は歓声を上げた。
風を切って走りながら、喜びに酔いしれて声を上げた、その瞬間。「後ろの車!!」
横を走っていたホンジュン兄さんの言葉に、道路を走っていた六台のオートバイは急に方向を変え、そのはずみでみんな地面に倒れた。俺たちを襲った車はそのスピードに耐え切れず、歩道を越えて通行人を襲った。倒れた通行人たちを見ていたユノの瞳が揺れた。
「兄さん!」ユノが絶叫して走っていったその場所には、ユノの実のお兄さんが倒れていた。
博物館の方へ向かっていたのを見るに、ニュースの中にユノのオートバイを発見して来たようだった。ユノのお兄さんはゆっくりと目を開け、こう言った。
「もしかして、今は5時7分か?」その質問に、俺は携帯電話を見た。午後5時7分だった。「俺がその日、その時間に車に轢かれたって書いてあったんだけど」
ユノが驚いた目でお兄さんを見る。お兄さんはやっとのことで話した。「ごめん。机の上にお前の日記帳が置いてあったからさ。お前に何かあったみたいだけど、全然話してくれないから」
苦しいようで、少しのあいだ息を整えて、お兄さんは続けた。「あんまりにも途方もない話が書かれてたんで小説かと思ったけど、今この状況を見るに、違ったみたいだな」
「兄さん、早く病院に行こう。早く」流れる涙をぬぐって、ユノがお兄さんを起こそうとする。ユノのお兄さんはユノの腕をそっとつかんだ。ユノはお兄さんを二度と離さないように、お兄さんの手をぎゅっと握りしめた。
「絶対に言っておきたいことがあるんだけど……。俺がけがをしたのは、そのときも今もお前のせいじゃない。だから過去の俺はただ過去のまま残して、お前の道を行ってくれ」ユノのお兄さんは、すすり泣くユノの頭をゆっくりと撫でた。
「愛する俺の弟。俺がいつも言ってるだろ? 一日よく耐えたってだけでもお前は最善を尽くして生きたんだ。二週間、本当に幸せだった。ありがとう」その言葉を最後に、ユノのお兄さんは意識を失った。ユノはお兄さんの胸に顔をうずめて嗚咽した。
ひっくり返った車の運転席から、誰かがよろめきながら出てきた。ヘンリージョーだった。
頭を打ったのか、顔に血が流れていた。ヘンリージョーの視線は、ウヨンの手の中にあるクロマーへと向かった。懐から刃物を取り出したヘンリージョーが、ウヨンの方へと荒々しく走っていく。「クロマーを回せ!」ユノがヘンリージョーに向かって拳を振り上げ叫んだ。転んで取り落とした刃物をヘンリージョーがまたつかむ。「早く!」刃を握ったヘンリージョーが、俺たちの方へと走ってきた瞬間。ウヨンがクロマーを回した。
08. YEOSANG
ガラスの棺に閉じ込められてから、もうどれくらい経っただろうか。光一筋入ってこないこの場所での時間は、永遠にも感じられた。僕が閉じ込められているガラスの棺の前には、政府に反旗を翻したレジスタンスが生体エネルギーを奪われたまま、石像のように並んでいる。生きても死んでもいない彼らの姿を見たくなかったのか、アンドロイドガーディアンは彼らの姿を全部黒い布で覆っていた。
さらに耐え難いことは、布を被せられた人々の中に、グライムズ姉弟もいるという事実だ。
クロマーが割れ、ほとばしる光を見て心配したグライムズ姉弟とレフトアイは、すぐさま美術館に駆けつけた。おびただしい数のアンドロイドガーディアンに囲まれた彼らは捕まり、不幸中の幸いにもレフトアイはバンカーを抜け出したが、レフトアイは右腕を奪われ、グライムズ姉弟は生体エネルギーを奪われ捕らわれた。
どれくらいの時間が経っただろうか。いっそ感情を失いたい、と思うほど苦しかった。いや、いっそのこと、ガーディアンが僕を殺してくれたらいいのに。
考えがそこまで及んだとき、どこからかラッパの音が聞こえた。僕を監視していたガーディアンが外に飛び出していく。打撃音とうめき声が締め切ったドアの向こうから聞こえてきた。僕も思わず両手でガラスの棺を叩いていた。生きたかった。そうだ、僕は本当は生きたかった。〝どうか、誰か僕をここから出してくれ! お願いだ!〟
その瞬間。ドアが開くなり、しばらく見ることのなかった光が降り注いだ。開いたドアの後ろでは、黒いフェドラを被った男たちがアンドロイドガーディアンと戦っていた。
「ヨサン」僕を呼ぶ優しい声。いつの間にかガラスの棺の前に近づいていた男は、黒いマスクを下ろした。安堵感に涙がどっとあふれた。ソンファ兄さんだった。
Z. OUTRO
レジスタンス団体〈黒い海賊団〉の地下隠れ家。
古く小さい機械の中から、信号が聞こえてきた。
隻腕の男があわてて近づき、古い機械の前に座った。
信号を書き留めるため、ペンを持った男はレフトアイだった。
またふたたび経験した喪失感に、めっきりやつれた様子だった。
〝・・・ ・--・-- -- -・-- -・ ・- -- ・
・- - ・ ・ --・・〟
書き留めたモールス信号を解析するレフトアイ。次第に彼の顔に希望が広がっていく。
レフトアイは人々に向かって叫んだ。
「彼らが帰ってきた! 彼らが帰ってきたぞ!!」
〈黒い海賊団〉の歓声が地下隠れ家の中に響き渡った。
テーブルの上に置かれた紙。
モールス信号の下には、レフトアイの乱れた字でこう書かれていた。
〝SAY MY NAME. ATEEZ〟
意訳部分+コメント
関連動画
閉じ込められたヨサン、助け出すソンファ、アンドロイドガーディアンとの戦いなど、今作のストーリーが描かれています。
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囚われのヨサンが聴いたと思しきラッパが登場し、ラストではヨサンを救出する様子が示唆されています。また、MV冒頭では〝ATEEZ〟というモールス信号の音が聞こえます。
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‘야간비행 (Turbulence)’ Official MV
今作のタイトル曲のひとつ。フィバティズの物語とされています。
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