大体わかる!はじめてのATEEZ世界観
2018年KQエンターテインメントからデビュー曲『海賊王(Pirate King)』を引っさげKPOPの荒波に乗り込んだ8人組ボーイズグループ、ATEEZ(エイティーズ)。
そんな彼らがデビューから一貫して紡いでいる世界観を紹介します。
こんな人におすすめ
ゼロからATEEZの世界観が知りたい。
DIARY ver. を読む前に全体を把握したい。
そもそも世界観って何?
それでは、彼らの壮大な冒険を覗いてみましょう!
最終更新:2023/11/12
そもそも世界観って何?
KPOPを追っているとたびたび目にする言葉、世界観。
元は〝世界に対する見方〟を意味する言葉ですが、KPOPにおける世界観とは、「アーティストが作品を通して描く世界設定・コンセプト」を意味します。作品単位、グループ単位と規模は様々ですが、主に連続性のあるものがそう呼ばれます。
今やKPOPを象徴する〝世界観〟ですが、その土台を作り上げたグループとしてあげられるのが、〝太陽系外惑星からやって来た新たなスター〟としてデビューし、メンバー全員が何らかの超能力を持つ「EXO」(2012年デビュー)と、シリーズ制を導入し、小説やwebtoonなど多角的な手法を用いて青春の痛みを描いた「BTS」(2013年)です。
↑謎の神殿と超能力が強烈すぎるEXOのデビュー曲『MAMA』。グループ単位で世界観が設定されており、超能力はその後のMVでも度々登場します。
↑色々と気合いが入りすぎて19禁判定を受けたBTSの花様年華シリーズ1作目『I NEED U』。物語は小説やwebtoonで読むことが出来ます。
そんな中、EXOとBTSを併せたようなストーリーテリングを展開し、세계관맛집(世界観の名店)と呼ばれるのが、2018年デビューのATEEZです。
ATEEZが打ち出したグループコンセプトは、
〝海賊〟。
そのものずばり『海賊王(Pirate King)』という楽曲をタイトルに掲げ、2018年10月24日に1stミニアルバム『TREASURE EP.1 : All To Zero』をリリースしました。
↑海ではなく砂漠にいる海賊という斬新なビジュアルのデビュー曲『海賊王(Pirate King)』
彼らの世界観の特徴は、なんと言ってもその徹底ぶり。
物語は楽曲、映像、ステージ、カムバック前の謎解きプロモーション、アルバムに収録された小説など様々な媒体を通して緻密に描かれ、デビュー当初から現在に至るまで一貫した物語を描いています。
大まかなストーリーは、ジャンルで言えばサイエンスファンタジー冒険譚で、異世界転移、時間跳躍、ディストピア、そして青春と友情……などなどワクワクする要素がてんこ盛り。
現代的なA世界からディストピアなZ世界に転移するところから物語は始まり、元の世界に帰るため、次元を司る砂時計〝クロマー〟を探したり、芸術や感情を統制した超管理社会を統治する政府に歌とダンスで反抗したり、冒険の果てに宝物を見つけたりする、ジーザス ゴージャス エクセレント アンビリバボー アメイジング壮大な物語となっています。
※ちなみにATEEZ世界観においての〝海賊〟は象徴的なものであり、メインのストーリーは大航海時代を冒険するガチ海賊の物語ではありません。
アルバム収録の小説とMVは直接的にリンクする部分があったり、あとから伏線回収されたり、一見すると繋がりが分かりづらいものまで様々ですが、パラレルワールドな異世界があったり、夢の世界があったりするマルチバース的な世界観なので、最終的にはすべてが繋がっているのだと思われます。
↑同時発表された小説のシーンが挿入されている『Deja Vu』。
↑2019年1月発表『Say My Name』の一部の描写は、なんと約3年後の2021年12月に発売されたアルバム収録の小説で伏線回収されました。
↑一見するとメルヘン海賊冒険譚な『ILLUSION』には、よく見るとフェドラなどのストーリーに登場するアイテムが隠されています。夢の世界の話とされています。
↑MVの最後にスポが挿入されるのはATEEZのお家芸。こちら2020年1月発表の『Answer』では、2年半後の2022年7月発表の収録曲『Sector 1』が流れています。
そんなATEEZの世界観へのこだわりは自社コンテンツにとどまらず、Mnet放送のグループ対抗サバイバル番組『KINGDOM : LEGENDARY WAR』においても、グループとして披露した5曲中4曲がメイン世界観にガッツリ関わる、というほど。
↑同番組の1次バトルで1位を獲得した『Symphony No.9 “From The Wonderland”』。冒頭にクロマーなど世界観の重要アイテムが登場します。
ちなみに、伏線の数に比例するように世界観の資料はものすごく長~いPDFファイルになっているようで、メンバーたちも理解に苦労しているとかいないとか……(笑)
そんなATEEZが紡ぐ物語とは一体どんなものなのか。次はその構成について説明します。
シリーズ構成
さてここからは、ATEEZのアルバムシリーズの構成についてご説明します。
ATEEZのアルバムはシリーズに分かれており、現在(2023年7月17日)では、デビューから始動した「TREASURE」シリーズに続く「FEVER」「THE WORLD」3つのシリーズと、シングル「SPIN OFF」が公開されています。
現在展開中のTHE WORLDシリーズが終われば物語全体の50%が完了し、第2章がはじまる見通しです。
また、第2のシリーズとなる「FEVER」から小説収録のアルバム〝DIARY ver.〟がリリースされ、より詳細にそのストーリーが語られるようになりました。
ストーリー概要
概要を掴んだところで、ここからはDIARY ver.のストーリーを簡単に紹介します。
▼若干詳しめなあらすじを一気読みしたい方はこちらをどうぞ!
ZERO : FEVER Part.1
古びた倉庫をアジトにして、歌を歌い、ダンスを踊り、ともに夢を見ていた8人の少年たち。しかし、あることをきっかけに、少年たちは道を違えることになってしまう。
チームが解散し、メンバーたちが散り散りになったある日。誰もいないアジトで一人眠っていたホンジュンの夢に、黒いフェドラを被った男が現れる。
「世界には数多の次元と数多の現実が存在しているんだ」
「すべての話を聞かせてやりたいが、今の僕にはあまり時間がない」
「これ、何ですか?」
「クロマー。世界をつなぐ鍵」
男は〝クロマー〟という砂時計をホンジュンに渡して消えた。そして目を覚ましたホンジュンの前には、夢で見たはずの砂時計が置かれていた――。
ATEEZ世界観はじまりの物語。現代を生きるATEEZ(通称フィバティズ)を主人公に、旅立ちまでを描きます。世界観の象徴である砂時計〝クロマー〟とフェドラの男(通称ハラティズ)が登場。
ショートフィルム『Diary Film』、『INCEPTION』MVの他、リアリティ番組『ATEEZ FEVER ROAD』でストーリーが描かれています。
ZERO : FEVER Part.2
FEVER シリーズ第2弾。クロマーによって転移した別の世界(Z世界)が感情の統制されたディストピアな超管理社会であることや、その政府に対抗し、パフォーマンスで人々の感情を呼び覚ますレジスタンス団体・黒い海賊団の存在、また黒い海賊団の一員である黒いフェドラの男たちが政府に捕らわれたことが明らかになります。ATEEZたちは元いた世界(A世界)に帰るため、奪われたクロマーを取り戻す冒険の旅を始めます。
『Answer』MVにも出てきた敵キャラ・アンドロイドガーディアンがストーリー初登場。お助けキャラ・グライムズ姉弟やレフトアイも登場します。
ZERO : FEVER Part.3
FEVER シリーズ第3弾。クロマーを求めて辿り着いたアンドロイドバンカーでATEEZと黒いフェドラの男たちが再会し、フェドラの男たちの使命がATEEZに託されます。クロマーが壊れ、ヨサンをのぞいた7人は元の世界(A世界)に帰りますが、ヨサンはアンドロイドガーディアンに捕らわれてしまいます。
これまで『HALA HALA』や『Say my name』に登場したハラティズがストーリーに再登場。タイトル曲の『Deja Vu』では、ホンジュンとハラティズの再会シーンや、クロマーが壊れ、ヨサンとATEEZが離別するシーンが描かれています。
ZERO : FEVER EPILOGUE
FEVER シリーズ完結編。物語の舞台が元いた世界(A世界)に移り、A世界にあるクロマーを手に入れヨサンを救出します。
A世界ではクロマーはマヤ文明の遺物として博物館に展示されており、「滅亡を前にした人類を救うため」という名目でクロマーを狙う宗教団体・サイエンサルバールがATEEZの前に立ちはだかります。
キングダムで発表した『Answer』や、『Say my name』MVではこのストーリーの終盤が描かれています。
~ここまでFEVERシリーズ~
~ここからTHE WORLDシリーズ~
THE WORLD EP.1 : MOVEMENT
支配者・Zの統制するZ世界。人々は耳の下に挿し込まれた統制チップによって感情をコントロールされ、機械の部品のように生きていた。
人々を統制から解放するべく、都市のあちこちでゲリラパフォーマンスを繰り広げるATEEZと黒い海賊団。彼らはより多くの人々を解放するため、この時代〝最高の学校〟と呼ばれるプレステージアカデミーに潜入する作戦を企てる。
そんな折、黒い海賊団のバンカーを一人の少年が訪ねてくる。ATEEZのパフォーマンスによって統制を脱した少年は、同じ家に住む兄の理解を得ようと試みたが失敗。少年はとっさに兄のチップに統制から解放するための遮断機をあててしまったのだという。
兄は初めて感じた感情を歓迎しなかった。もうすぐ卒業試験を控えた兄は、感情があると知られれば不良品として処分されてしまうかもしれない。不安にかられた少年は、ATEEZに助けを求めたのだった。
メンバーたちは頭を抱えた。少年の兄を助けるため、プレステージアカデミーを差し置いて他の学校で作戦を行えば、プレステージアカデミー潜入作戦の実行が危うくなるかもしれない。
「学校はどこ?」尋ねる声に少年は言った。
「プレステージアカデミーです」
メンバーたちがお互いを見つめる。
「ちょうどよかった、俺たちもそこへ行こうとしてたんだ」
THE WORLDシリーズ第1弾。クロマーを巡る旅が終わり、Z世界での政府との戦いが幕を開けます。物語が三人称視点となり、支配者・Zの存在やその統制手段など、Z世界の詳細が明らかに。また、〝リンク〟という新概念が登場。
『THE WORLD EP.1 : MOVEMENT Official Trailer 1』『THE WORLD EP.1 : MOVEMENT Official Trailer 2』と『Guerrilla』MVにてストーリーが描かれています。
THE WORLD EP.2 : OUTLAW
THE WORLDシリーズ第2弾。プレステージアカデミーに潜入し、感情に目覚めてしまった少年の兄を救い、学校全体を巻き込んだ大規模な作戦を成功させます。
Z世界に来る前、ソンファがA世界で出会った少女(通称Be free少女)と同じ姿をした少女とZ世界で再会を果たします。少女はプレステージアカデミーの学生団体・サンダーの団体長をしており、ソンファはそんな少女をZ世界から救おうと決意します。しかし、ソンファは物語のラストで少女に連れられどこかに行ってしまいます。
DIARY ver.のストーリーは全編翻訳していますので、詳しくはそちらをお読みください!
もう少し詳しいあらすじが気になる方はこちらへ!
残された謎
DIARYのストーリーはわかったけど、TREASUREシリーズやMVとはどう繋がるの? と気になった方はぜひこちらも合わせてお読みください!
おわりに
ATEEZの世界観について、ざっくりとまとめてみました。
この記事は情報が公開されるごとに更新していくつもりです。
どんどん広がりを見せるATEEZの冒険に、これからも目が離せませんね!
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広がれアチズの世界観!