【ATEEZ】忙しい人のためのDIARY ver. ストーリー全話あらすじ
様々な媒体で語られるATEEZの世界観。CD形態のひとつ「DIARY ver.」には小説が収録されており、ATEEZたちの冒険の物語を読むことが出来ます。
本記事は、「これからDIARY ver.を読みたいけど長い…」という方に向けた、これまでのお話を一気読みでなんとなく把握できるあらすじです。
かなり容赦なくカットしているので、詳細が気になったらぜひ本編も読んでください!
※ 本編の7分の1程度の文字数にまとめました。約7900字。10~20分くらいで読めます。
▼DIARY ver. って何? という方はこちら。こっちの方がより簡単にストーリーをまとめています。
▼ぜひ本編も読んでください!!!
ZERO : FEVER Part.1
舞台は私たちの知る現実に近い世界、A世界(A次元)。それぞれ葛藤を抱えたホンジュン、ソンファ、ユノ、ヨサン、サン、ミンギ、ウヨン、ジョンホの8人は、古びた倉庫をアジトとして集まり、歌い、踊り、同じ夢を追いかけていました。
しかし、ある日を境に8人はチームを解散することになってしまいます。
その頃から、メンバーたちの夢に、黒いフェドラと黒いマスクで顔を隠した男が現れるようになりました。
そんなある日、誰もいないアジトで居眠りをしていたホンジュンの夢に、黒いフェドラの男が現れます。
「世界には数多の次元と数多の現実が存在しているんだ」
「すべての話を聞かせてやりたいが、今の僕にはあまり時間がない」
男はホンジュンに輝く砂時計を渡します。
「これ、なんですか?」
「クロマー。世界を繋ぐ鍵」
「心に従え、地図はそこにある」
そう言い残して男は消えました。
ホンジュンが目を覚ますと、そこには夢で見た砂時計・クロマーがありました。ホンジュンがクロマーを回すと、砂は逆流しはじめ、いつしかホンジュンの周りにはメンバーたちが集まっていました。
ZERO : FEVER Part.2
ホンジュンが手にしたクロマーが光を放つと、突然、倉庫の外から真っ白で大柄な怪人たち――アンドロイドガーディアンがクロマーを狙って襲ってきました。メンバーたちはクロマーの力で、よく似た別の世界、Z世界(Z次元)に来てしまったのです。
ガーディアンにクロマーを奪われた一行は、逃げた先でグライムズ姉弟と出会いました。グライムズ少女はガーディアンに声を奪われ、話すことが出来ません。
グライムズ少年の話によると、この世界の政府は人間の感情を危険要因とみなしており、全人類の安全のためにAIと新エネルギーを使って感情を統制し、感情を揺さぶる芸術分野を全面禁止してしまったというのです。
そんな中、黒いフェドラを被った男たちが現れ、パフォーマンスで人々の心を動かし、政府の感情統制から解放しはじめました。黒いフェドラの男たちに続いて多様な人々が連帯し、レジスタンス「黒い海賊団」を結成しました。
対して、政府はアンドロイドガーディアンを開発。黒いフェドラの男たちは結局政府に捉えられてしまうのでした。
クロマーを見つけて家に帰るため、メンバーたちはアンドロイドガーディアンのバンカーを知る人物である、ストリックランド廃棄場管理人のレフトアイを訪ねます。
しかし、レフトアイは娘を事故で失った悲しみから、幻影を作り出す黄色い煙に酔い、話を聞き出せる状況ではありませんでした。同じく兄が事故に遭ったユノはレフトアイを自分と重ね、助け出そうと考えます。
娘の幻覚に酔ったレフトアイは、メンバーたちを攻撃しはじめました。メンバーたちがレフトアイを煙の薄いところへ誘導すると、レフトアイはさらに激しく暴れだします。皆が当惑する中、ユノが叫びました。
「あなたの娘は死にました!」
ZERO : FEVER Part.3
ユノの言葉に激昂するレフトアイ。その様子をじっと見つめていたユノは、「あなたのせいじゃありません」と声をかけます。その言葉にレフトアイはくずおれ、涙を流すのでした。
正気に戻ったレフトアイを仲間に迎え、一行はアンドロイドガーディアンのバンカーがある島にたどり着きます。
ガーディアンは、島の真ん中にある美術館をバンカーにしていました。そしてその美術館では、夢で会った黒いフェドラの男たちが、ガラスの棺の中に閉じ込められていました。
衰弱した男を助けようとするホンジュン。男がマスクをおろすと、そこにはホンジュンと全く同じ顔がありました。
驚くホンジュンに、男は言います。
「僕たちがお前たちをここに呼んだんだ」
「僕たちはここに捕まっている。誰かに僕たちのやるべきことを引き継いでもらわなければならない」
男が言う通りにメンバーたちがガラスの棺に手をかざすと、いつの間にか彼らのブラックスーツがメンバーたちに着せられていました。
「逃げろ」と男に言われるがままにバンカーを後にするメンバーたちでしたが、ソンファがあることに気がつきます。
「ヨサンがいない!」
ヨサンは一人クロマーを見つけ出していました。向かい側から走って来たヨサンはクロマーをメンバーに渡しますが、アンドロイドガーディアンに捕まってしまいます。
ヨサンと引き換えにクロマーを要求するガーディアン。ホンジュンはガーディアンに向けてクロマーを投げますが、ヨサンはそれを奪い、クロマーを回して地面に叩きつけ、壊してしまいました。
壊れたクロマーの力で元いた世界に戻って来たメンバーたち。しかし、そこにヨサンの姿はありませんでした。
ZERO : FEVER EPILOGUE
ヨサンを残し、壊れたクロマーで元の世界に帰って来たメンバーたち。そこはユノの兄が事故に遭う前、過去の時間帯でした。
博物館にマヤ文明の遺物として展示されているクロマーを見つけたメンバーたちは、この世界のクロマーを盗んでまたZ世界に行き、ヨサンを助け出そうと計画します。
しかし、再び兄を取り戻したユノは言いました。
「俺はここに残るよ。兄さんから離れることは出来ない」
時を同じくして、新興宗教団体・サイエンサルバールもクロマーを狙っていました。教主・ヘンリージョーいわく、クロマーは滅亡を控えた人類を救う鍵だというのです。
作戦当日、サイエンサルバールの暴動に巻き込まれながら、なんとかクロマーを入手したメンバーたち。
メンバーたちのピンチに、一度はチームを離れたユノも駆けつけ、メンバー7人が揃います。しかし、喜びもつかの間。ユノを追いかけてきた兄が、再び元いた世界と同じ時間、5時7分に事故に遭ってしまいます。
悲しみに暮れるユノたちの元へ、刃物を持って迫りくるヘンリージョー。
「クロマーを回せ!」というユノの叫びの中、ウヨンはクロマーを回すのでした。
一方、ヨサンが囚われているZ世界。ガラスの棺に閉じ込められたヨサンの前には、生体エネルギーを奪われたレジスタンスが石像のように並んでいました。
暗闇の中で絶望にくれるヨサン。そこへ、どこからかラッパの音が聞こえてきます。
飛び出していくガーディアンたち。ドアの向こうからは打撃音とうめき声が聞こえてきます。ドアが開くと、そこにはアンドロイドガーディアンと戦う黒いフェドラの男たちが。
そのうちの一人がガラスの棺に近づき、優しい声でヨサンを呼びます。
「ヨサン」
黒いマスクをおろした先にいたのは、ソンファでした。
同じくZ世界、レジスタンス「黒い海賊団」の地下隠れ家。
めっきりやつれた様子のレフトアイの元へ、信号が届きます。
〝・・・ ・--・-- -- -・-- -・ ・- -- ・
・- - ・ ・ --・・〟
あわてて信号を書き留めるレフトアイ。次第に彼の顔に希望が広がります。
「彼らが帰ってきたぞ!」
レフトアイが叫ぶと、黒い海賊団の歓声が地下隠れ家に響き渡りました。
テーブルの上に置かれた紙には、レフトアイの乱れた字でこう書かれていました。
〝SAY MY NAME. ATEEZ〟
THE WORLD EP.1 : MOVEMENT
「完全な世界。完全だからこそ我々の世界は安全です」
スピーカーから、支配者・Zの声が響き渡るZ世界。人々は耳の下に挿し込まれた統制チップによって感情をコントロールされ、機械の部品のように生きていました。
そんな人々を統制から解放するべく、都市のあちこちでゲリラパフォーマンスを繰り広げ、遮断機をまくATEEZと黒い海賊団。
廃棄チップを使って作られた遮断機は、耳の下にあてると政府の統制から抜け出すことができます。
ATEEZたちの目的は、人々が強制的な統制を脱し、自らの道を選択できるように機会を開くことでした。
そうしていくばくかの人々を解放するATEEZたちでしたが、政府の統制はますますシステム化していくばかり。可能な限り多くの人々を一度に覚醒できるようにするため、彼らはこの時代〝最高の学校〟と呼ばれるプレステージアカデミーに潜入する作戦を企てます。
そんな折、一人の少年が黒い海賊団のバンカーを訪ねてきます。
「お願いです、うちの兄を助けてください」
ATEEZのパフォーマンスによって統制を脱した少年は、この世界がどれほど恐ろしいものか悟り、同じ家に住む兄の理解を得ようとしました。しかし兄は少年を通報しようとし、少年はとっさに兄のチップに遮断機をあててしまいます。感情をはじめて感じた兄は、恨めしい目で弟を見つめていました。
もうすぐ学校の卒業試験を控えた兄は、感情があると知られれば、不良品としてガーディアンズアイランドで廃人処分されてしまうかもしれません。不安に駆られた少年は、黒い海賊団に助けを求めたのでした。
メンバーたちは頭を抱えます。少年の兄を助けるため、プレステージアカデミーを差し置いて他の学校で作戦を行えば、プレステージアカデミー潜入作戦の実行が危うくなるかもしれません。
「学校はどこ?」尋ねる声に少年は言いました。
「プレステージアカデミーです」
メンバーたちはお互いを見つめます。
「ちょうどよかった、俺たちもそこへ行こうとしてたんだ」
THE WORLD EP.2 : OUTLAW
少年の兄を救うため、そして多くの人々を覚醒させるため、プレステージアカデミーに潜入したATEEZたち。
生徒に紛れてヨサンとソンファが少年の兄に接触しますが、感情に疑問を持つ少年の兄は難色を示します。
混沌や苦痛があってこそ成長できるのだ、と兄を説得する二人。しかし、校舎を巡回していた学生団体・サンダーの来訪によって話は中断してしまいます。
少年いわく、サンダーは生徒たちを監視するために作られた学生団体で、団体長はZから直接認証を受けるほど認められているといいます。その団体長は、冷たさを体現したような少女でした。彼女を見たソンファは驚きます。
「なんでここに?」
少女はソンファが元いた世界、A世界で、ソンファにBe Freeと書かれたブレスレットを残して消えた少女だったのです。
それまで論理と効率にとらわれていたソンファは、ビートにのって自由に踊る少女を見たあの日から変わり始めました。その彼女が、Z世界では統制に忠誠を誓う学生団体の長になっています。いつか彼女が自分の人生を自由にしてくれたように、彼女をこの世界から救わなければならない、とソンファは決心するのでした。
その日の午後。少年の兄は卒業試験不合格を案じ、人生に絶望して最上階から身を投げようとしていました。
少年の兄を必死に止めるウヨン。その様子を下から見ていた少年が兄へと悲痛な叫びをあげますが、ガーディアンに見つかってしまいます。
焦った兄は足を踏み外し、空中に投げ出されました。
とっさにクロマーの空間移動機能を使用するユノ。ユノが兄を救って地上の弟の元へ届けると、兄弟は抱き合い、安堵しました。
喜びもつかの間。クロマーを発見したガーディアンたちが、四方から駆けつけていました。ATEEZはクロマーを利用して各自の位置に散らばり、パフォーマンスをはじめます。
ATEEZの歌とダンスにのって、次々に感情を取り戻していく人々。その様子は、まるでA世界でしか見ることのできないコンサート会場のようでした。
ATEEZたちはあらかじめ確保しておいた脱出口を使って人々を外へ送り出すと、ハイファイブをして喜びました。しかし喜びもつかの間、少年がガーディアンに捕まってしまいます。
ソンファは少年の元へ走りますが、何者かに手をつかまれて足を止めます。それはサンダー団体長の少女でした。ソンファは少女が引き寄せるまま、煙の中へと消えてしまいます。
一方、Zの執務室。Zはプレステージアカデミー校長を呼び出し、今回のテロに対する処分を言い渡します。
降格処分を覚悟して頭を下げる校長でしたが、Z専用ガーディアンは銃を取りだし、校長はその場で射殺されるのでした。
THE WORLD EP.FIN : WILL
プレステージアカデミー襲撃事件から数か月。世の中はシステム化された人々とシステムを脱した人々に分断され、対立が激しくなっていました。街の風景は一変し、感情誘発者によってあちこちに〝Wake Up〟〝Be Free〟などのグラフィティが描かれていました。
政府は黒い海賊団をテロリストとして発表。街にはATEEZの顔が描かれた手配書が貼りだされ、広場には見せしめとして処刑された感情誘発者が晒されていました。同胞を失った感情誘発者たちは亡骸の元で嘆きます。
「これ以上、こんな世の中で生きてはいけない」
「黒い海賊団とATEEZに知らせなければならない。私たちの存在を」
そして物語は、ふたたびプレステージアカデミー襲撃事件直後、黒い海賊団のバンカーへ戻ります。
少年が連れ去られ、重い空気の黒い海賊団バンカー。そこへ、サンダー団体長の少女とどこかへ消えたソンファが帰ってきます。
ソンファいわく、サンダーは学生団体に偽装したレジスタンス団体だというのです。サンダーの目的は、Zの居場所を突きとめること。
そもそも中央政府の前身は、Zが代表を務めていた科学宗教団体・サイエンサルバールでした。その団体が政党を作り、勢力を広げて現在の世界を事実上支配しています。そのためZと政府中枢の集まったZの隠れ家は世界の統制システムそのものであり、絶対になくさなければならない場所でした。
サンダー団体長が少年につけておいたGPSによると、少年は廃人場にいるようでした。ひとまずメンバーたちは少年を救うため、次の目標を廃人場に定めます。
廃人場では、廃人処理を待つ人々が幽閉され、溶鉱炉で処理されていました。
メンバーたちは青い蝶の形をしたドローンで廃人場の内部を調べ、少年が中にいることを確認すると、廃人場に乗り込みます。
廃人場に入ったメンバーたちは二手にわかれました。ホンジュン、ユノ、ヨサン、ジョンホはアンドロイドガーディアンと戦闘を開始。ソンファ、ミンギ、サン、ウヨンはクロマーを持ち、幽閉された人々を黒い海賊団のバンカーに移送する役割を担っていました。
クロマーなしで戦っていたメンバーたちは追い詰められ、海賊団バンカーに応援を要請します。しかし、折しもバンカーには大勢の武装したガーディアンたちが押しかけていました。
「一体どこから情報が漏れたんだ?」
動揺するバンカーのメンバーたち。ひた隠しにしていた黒い海賊団バンカーが知られるのは、内部スパイがいなければ考えられないことでした。
絶体絶命の状況で、誰もが諦めたとき。バチッという音とともに、滑稽な仮面をつけ、スティック状の改造スタンガンを持った人々がバンカーに現れました。仮面たちは次々とガーディアンを倒していきます。
彼らが味方だと判断したメンバーたちは、この場を仮面たちにまかせ、廃人場のメンバーたちを助けにクロマーを回しました。
廃人場に登場したメンバーたちはガーディアンの武器を奪いますが、ヘッドガーディアンから少年を盾に脅され、あえなくロープで捕縛されてしまいます。しかし、メンバーに黙ってついてきていた少年の兄に助けられ、隠れてロープを切ることに成功します。
ヘッドガーディアンはクロマーを手に入れると、少年を解放しました。少年はヘッドガーディアンを見て言います。
「もう僕の役目は終わったんですよね?」
その問いに対し、「特別に既存階級以上へ復帰させてやる」と答えるヘッドガーディアン。
二人のやりとりに、メンバーたちと少年の兄は呆気にとられました。少年は海賊団バンカーを訪れるより先にヘッドガーディアンに掛け合い、バンカーの場所を教える代わりに自分たち兄弟を見逃してもらう取引をしていたのです。
少年の裏切りに、兄はたまらず少年を非難しました。兄の説得を受け、少年の気持ちが揺らぎます。しかし、ヘッドガーディアンは少年の首根っこをつかみ、兄を溶鉱炉に落としてしまいました。兄を失った少年は、ヘッドガーディアンを道連れに溶鉱炉の中へと落ちていきました。
そのとき、遠くで「ドン!」という音がしました。爆弾が爆発する時間になったのです。ATEEZがクロマーを使って廃人場を脱出するやいなや、建物のあちこちで青い蝶が爆発し、廃人場はまたたく間に崩れていきました。
サンダー本拠地内部にある庭園。ATEEZと黒い海賊団、サンダーのメンバーたちは、戦いの犠牲者に黙礼を捧げていました。バンカーでATEEZを助けた仮面の人々は、サンダーのメンバーたちだったのです。
政府の監視から外れたこの小さな村は、グライムズ姉弟が最初に居を構えた場所でした。ソンファはサンダー団体長の少女と村を散策しながら、少女からレジスタンスになるまでの経緯を聞きます。そして少女がグライムズ少女と出会って「美しさ」を感じ、感情の統制に気づいたと知り、少女をかつての自分と重ねるのでした。
「僕たちが知らなかったサンダーがいたように、もしかしたら、この世界には僕たちと志を同じくするたくさんの人々がいるかもしれない。彼らは僕たちとともに戦っているだろう」
ソンファのその言葉は、少女の不安を確信に変えました。正しい選択をした、という確信に。
プレステージアカデミー奇襲作戦の後、サンダー団体長の少女は卒業試験を一位で終え、Zの儀典管理職に任命されました。
勤務初日、少女はZの執務室に足を踏み入れます。執務室のガラスの壁には、統制チップと連動した感情エネルギーの微粒子がつまっていました。
「この数多の分子の中で、あなたのものはどれでしょうか?」
Zは少女に尋ねます。統制を脱した感情誘発者であれば、そこに分子はありません。
しかし、少女は毅然として「自分の分子はここにある」と主張します。少女は統制チップをコントロールする術を身につけていました。少女の耳元に黄色い光を確認すると、ようやくZは満足そうな笑みを浮かべます。
「では、感情誘発者に対するあなたの意見は?」
Zが尋ねました。
少女は冷たい顔で答えます。
「不要な不純物です」
FIN.
ストーリーは以上になります!
▼本編もよろしくお願いします!
▼世界観の全体像が気になる方へ