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20240602

数日にわたり、日がな「バスに乗りたい」とアピールしていた坊やのリクエストにお応えして、バスに乗って出かけることにした

始発から終点まで乗ってみる
いちばん後ろの座席、右端に寄って席につく
一段と高くなった座席に大きな窓ガラス、それに右側ならば対向車線の往来も見放題だ

窓際にちょこんと座る子の姿に、「こんなにおおきくなったんだね」と感慨深くなったりしてね
なにせ、抱っこひもに収まって同乗してきた期間が長かったものだから
最近はもう、往復バスならベビーカーも持たずに出かけることも増えた
荷物が減るのは助かる反面、絶えずすばしっこく、じっとしてなどいないのだから、大変さは甲乙つけ難い

大通りを走り、途中で住宅街に近いエリアを抜け、幹線道路を超えて緑の坂道を下り、川沿いの街に至る
反対側を行く多種多様なのりものがうれしくって時折声をあげるものの、じき静かになった
どうやら夢中になるあまり、ことばを忘れて魅入っていたようだ
ものすごい集中力、やっぱり一途だね

半分を折り返してしばらくすると飽きてきたようで、動きはじめるようになった
ばば(母)とかか(わたし)間に座ったり、後ろ向きに座ってみたり
チャイルドシートはおろか、シートベルトさえないのだから危ないなんてものではない
ヒヤリとしながら諭す声は、自ずと低くなり尖りそうにもなる

さすがに限界がきたようで、とうとう仰向けになってぐずりだした坊や
どうしよう…!
と思ったそのとき、母の隣に座っていらした女性が声をかけてくださった
おそらく、母とも同年代くらいだろう
突然のお声がけに、いまにも暴れそうなエネルギーがすっとおさまっていった

自動車好きな一面や、履いているスニーカーのこと
彼にまつわるあらゆることに関心を寄せ、話題にしていただいた
自分に関心を抱いてくれるひとがいることで安心したように映った

おかげさまで無事に終点に到着
降りたところでバスに「ばいばーい」と手を振り、件の女性にもお別れをした

バスロータリーやタクシープールに面した腰掛け(ベンチではなく、オブジェ風情にも映る造形)でおやつのパンをほおばり、水分補給をして小休止
我々も近くでコーヒーを調達し、いっしょにほっと一息した

きょうは母が所用があるため、早々と帰宅しよう
帰りは電車に乗ってね

はじめて運転席の真後ろから窓を覗き込んだ坊や
度々歓声があがっていたのがかわいらしかった

ベビーカーでないと身軽なぶん、こんな体験もできるんだね
成長とともに世界がひろがっていくのはおもしろい

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tinytacco
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