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20231117

雨予報は当たり、午前中いっぱいは降ったり止んだり
正午をまわる頃にピークを迎えたのち、ようやく雨脚が弱まった

午前中はドゥーラさんにお任せしてひとり時間
ずっと気になっていたメールにやっとこさ着手したり、こまごまとしたあれこれを進められて満足したのち、小一時間ほどちかくのコーヒー屋さんに出かけて読書など

このところ読みかけていた、自由学園100周年に際して刊行された一冊もいよいよ佳境を迎えた
どの章、どのトピックをとっても、当学園のすばらしさがはちきれんばかりと詰まっているから、読みながらドキドキが止まらない
叶うことなら幼少期に戻って、この場所でもう一度人生やり直したいと願ってしまうほどに魅力的だ
生徒さんたちの自立を基礎とした自治で成り立つ世界
さぞかし彩り豊かで鮮明、そして濃密なことだろうなぁ

雨がおさまった直後、子を連れて外へと繰り出す
大切な友人との、月に一度のお約束
はるばるこちらへやってきては、多忙な合間を縫って会う時間をつくってくれること、毎度ながらほんとうにありがたい
今月もみんなそろってすこやかに会えることがうれしくって

今回は、写真美術館の新進作家展へ
ご縁ありお世話になっている友人が出展していることもあり、たのしみに向かった

その方の作品群は、いつもながら、息を呑むほどに気迫があった
いい意味でいつもどおり、通常運転だった
今回は美術館という空間だったけれど、たとえどんな舞台であろうとも、いかんなく自分なりの色を発揮していた

にんげんだもの、本人の内外には、たとえば心境だったり環境や状況といったさまざまな抗えぬ揺らぎもあるだろう
けれどそうした大波小波はまったく作品には影響を及ぼさない
そのブレなさには安定感があって安心したし、まぶしくもあった

友人としてはその活躍ぶりがうれしいのだけれど、不思議と身内のような感慨深さに溺れる事態にはならなかった
きっと、その徹底したスタンスに安心感を覚え、いち観賞者に徹することができたのだろう
初めてその写真家と、その作品群と対峙するような感覚で、たっぷり味わせてもらった

今回の出展者のみなさんに共通しているのは、”孤”であること
それは”孤独”ではなく、”孤高”というのがしっくりくる

ー他者が社会がどうであれ、自分はこうあるんだー
そんな心の声がきこえてくるような、生きざまを見事に体現するかのような作品が揃っていた
しなやかな強さを感じて、頼もしく思えた
そういった意味では、いまの時代の断片を顕すような鮮やかな面々だった
なにかと気ぜわしくなる年の瀬を前に、ゆっくり観られて、感じ入ることができてよかったなぁ

会場の序盤でお昼寝しはじめた子
おかげさまでゆっくり観させてもらえた
肝心なときに時間を与えてくれる坊や、いつもありがとう

目が覚めるのを待ちながら、コーヒーブレイク
ともに進めている、とある案件のお話をしたり、自由学園のことが話題にあがったり
短いあいだだったけど、いい交歓となった

じき起きた坊やはまもなく活発に動き出すものだからそそくさとお店を出て、キッズスペースで遊んだり、あたりを散策する
そうこうしていたら、すっかり日が暮れていた

街はイルミネーションがはじまっていて、図らずもちょっと早めにクリスマス気分を味わえた
来月になるとすっかり冷え込むし、人出も増えるから、いまのうちに先取りで満喫するのもいいね

別れ際、細くとも存在感のある三日月…よりすこしふくよかな月がみえた
街灯のオレンジランプもあいまって、なんだか胸がキュッとした
彼女が「都会の情緒ってあるよね」とつぶやいた
ほんとうにそうだ

雨あがりに加えて、冬のはじまりならではの澄んだ空気
この夜のとばりの独特な風情、都会のはらむ色気をふたたび味わえるなんて…!
子といると、だいたいこの時間帯はすでにおうちのなかだから、しばらくこうした情緒に出くわすことなんてないだろうと放念していただけに、思いがけず遭遇したことでこみ上がるものがあった

ほんの一瞬の、ひときわうつくしい光景
なんだかご褒美のようなひとときだった

外の冷え込みとは裏腹に、ほくほくとした心地でお別れした

次回は大事な友人を連れて、我が家を訪ねてくれるという
ささやかな、あたたかいクリスマス会をしよう
はやくも来月が待ち遠しくてならない

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tinytacco
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