20240207
久しぶりのおひさま
ここ数日はずっと出逢えずじまいだったから、とびきりうれしい
朝陽が部屋に差し込んできたころにベランダに出る
部屋のなかに留まった子と、壁越しに影絵遊びする
影ってなんでこんなにおもしろいんだろう
いくつになっても夢中になっちゃうな
きょうの一時預かりは一番乗りだった
いつもは子どもたちで賑やかなお部屋もしんとしていて、朝特有の厳かな空気が漂っていた
そのせいなのか、久しぶりに別れ際に大泣きの子
先生たちも「めずらしいねぇ」なんて笑いながら、おおらかなようすで快くお預かりくださった
きょうは印刷にまつわるリサーチの日
足を使って生身の情報を集める
じかに触れたり、知見のある方から話を伺う
五感を通して、ときに第六感もはたらかせながら吸収していく
そうやってうっすら層を重ねるように蓄積されたものは、やがて欠かすことのできない無形の財産となるだろう
そう捉えると、地層と智慧って似てるというか、わたしのなかでは重なるんだよなぁ
右も左もわからないところからはじめて、ひとつひとつ明らかにしていく
途方に暮れるような長い道のりだけれど、愚直なまでに一歩一歩、着実に踏みしめて手応えを感じながら体得するのが性に合っている
お昼はちょっとぜいたくにひとりビストロごはん
驚くほど迅速にサーブしてくれるのに、お味はたしかなんてすばらしい
たしか以前にも記したことがあるけれど、おいとまするときのあいさつも気持ちのいいお店だ
幸運なことに、近くに勤めている友人とタイミングが重なって、ちょこっと会えることになった
預け先からすぐ近くのカフェで待ち合わせる
レモネードを飲みながら、しばし読書タイム
読みかけの本もいよいよクライマックスに差し掛かる
どんなにやること抱えていたとしても、ほんとうにそうしたければその時間ってつくれるものなんだなぁ…と、まるで他人事かのように鳥の目線から感心する自分に気づく
集中力だけでなく、想いの強さも背中を押してくれているのかもしれないね
ほどなくして落ち合い、しばし歓談
近況報告から共通の友人の話題、おすすめのあれやこれ、たわいもないことに至るまで、短いあいだにいろんなことを交わした
途中、お迎えの時間で中座する
お部屋に入ると坊やは起きていた
遊びに夢中になっていたものの、母の声と姿があらわれるやいなや、泣きべそかきながら駆け寄ってきた
いつものごとく引き続き遊ぼうとするから、それとなく気を逸らしつつ帰るようにと促すと、なんとかその気になってくれて安堵する
そこから手をつないで階段を降り、園をあとにした
ふたたび友と合流
彼らにとっては数ヶ月ぶりの再会
その空白の時期に赤子から少年へと変貌を遂げていたから、なんだか新鮮だったみたい
最初こそようすを窺っていたけれど、相手から向けられた好意がわかったのか、次第に信頼を寄せるようになり、しまいには心をひらいていっしょに遊んでいた
わたしはシャイな面を持ち合わせていないから、「このひとはシャイなんだなぁ」と心得ることはできても、当人の心の機微までは推しはかることができずにいた
それが、シャイな坊やのふるまいを近くでみられるおかげで、「なるほど、こんなふうなのね」っていう具合に、その実態がよくわかってきた
とても意義深く、発見や気づきに満ちている
これまでは、身をもって体験し得ないことは”わからないもの”であり続けたけれど、他者である子とそばにいることで、体験を伴わずとも多少は認識や理解が進むきっかけを与えてもらっている
これはなかなかおもしろいことだ
もっとじっくりと味わうためにも、観察に精を出していきたい