20231229
アラームで起きる朝
機内モードを解くと、メッセージが届いていた
今朝は大切な友人たちと午前中に会う約束をしていて、そのうちのひとりからの連絡だった
どうやら彼女の子どもが発熱したとのこと
会いたい気持ちは山々だけど、ここで油断してぶり返した苦い思い出がある身としては、しっかり養生して治りきってほしい
残念だけど、年明けにあらためて会おうと提案し、その方向へと流れが生まれた
突然、ぽかんとできた空白
ぐずった子もふたたび眠ってしまったから、しばらく布団から出ずに、ぼーっとiPhoneを眺めたりしていた
いよいよ起き出し、朝ごはんの支度をしていると、足音も立てずキッチンにやってきた坊や
いっしょに朝食を摂ることに
食べ終えて片付けをしているうちに、やっぱりきょう会いたくなってきた
すでに出かけないモードに切り替わってるだろうし、前後の予定もあるだろうから…と逡巡しながらも、その気持ちにフタなどできない
そこで、勇気を出して、もうひとりの友人に連絡してみた
ほどなくしてお返事が届く
「3人で会うのは心待ちにしつつ、きょうはふたりで会おう」ということになった
この時点で我々はまだパジャマ、そこから身支度をはじめる
なにかとバタついたけれど、なんとかととのえつつ、想定よりもすこし遅れて家を出た
しばらくお待たせしてしまったけれど、無事に落ち合うことができた
道中で、来られなくなった子にもふたりで会う旨を伝える
すると、すぐさま返事をくれた
子の容態が大事には至らなかったから、単独で駆けつけてくれるとのこと
思いがけない展開に驚くも、今年のうちに3人+我が子で会えるなんて…!
先に落ち合った我々はランチタイム
笑いながらごはん食べたり、こぼした水滴を自ら拭きあげたりと、ひたすら動き回る陽気な子に目をかけながら、会えなかったあいだのいろんなことを話した
限られた時間のなかでも、ほんとうに大切にしていることをきちんと伝え合える
きちんと受け止めてもらっているのを感じて、安心する
案外、誰とでもできることではないから、そうできる友がいてくれるのはしあわせなことだね
食べ終えて話に夢中になっていたころ、いよいよお待ちかね、彼女が到着した
店外の席に移動し、歓談の続きを
ようやく靴を履き、自由になった子は、水を得た魚のごとく、ここぞとばかりに駆けるように歩き回るものだから、追っかけながらの聴き手だったけれど、顔が見られただけで充分だ
じき、先に会っていた友がおいとまする時間がやってきたので、笑顔で見送る
さすがにじっとしていられない坊やを見るに見かねて、後からきた友と3人で、あたりを散歩することにした
自分でベビーカーを押したり、空を見上げてヘリコプターを指差したり、藤棚や植栽をみつけてはしげしげと眺めたり
絶えず動くものだからとうとう疲れたのか、ベビーカーに乗ってもらうにも全力の海老反りで抵抗する
そこをなんとか…!と乗ってもらうと、ほとなくして落ち着いたようだ
ある程度進んだところで方向転換すると、河川敷に出られる道へとつながっていた
きらきらとひかっていて、とってもきれい
吸い込まれるようにして、そちらへと導かれていった
橋を渡る電車が往来するたびに、ブンブンと手を振る子
きょうも推し活が充実していていいね
次第に反応が薄くなってきたなと思って顔を覗き込んだら、ほとんど目を瞑っていた
背もたれを倒してやる
川のそばを歩いていると、いろんな景色が広がっている
サギの群れが水辺に集うようす
フル装備で自転車にまたがる父と娘
ちいさなテントを張ってまどろむ親子連れを見かけたときには、なかにいる男の子があいさつのような声をかけてくれたりね
快晴だし、例年よりもあたたかな陽気で、散策にもってこいの日だった
ほがらかな休日、ということばがぴったりの午後だったなぁ
駅にたどり着いて、ホームでお別れ
よいお年をね!
子が引き続き眠ってくれていたから、一軒寄り道をと、とあるお花屋さんに足を伸ばした
実店舗を構えてから未だお伺いできずに月日が経っていたけれど、今年のうちになんとかすべり込めた
久しぶりにお会いした店主さんは、いつものようにおだやかでやわらかい笑顔で出迎えてくれた
ミニマルでありながら粋で
研ぎ澄まされていながらもあたたかみの宿る
とっても素敵なお店だった
寝入った子の姿をみて、その成長ぶりにおおいに驚いていた
そうだよね、1年近く前には、まだまだ赤ちゃん然としていたもの…!
いまや少年そのものだ
あらたなる年を迎え入れるためのお花をいただいて帰る
また来年、今度は起きているときに再訪しよう
なんともまぁ、福々しい日でありました
きょうもまんまるだ◎