
20231130
霜月晦日
子の体温はすっかり36°台で安定したようでひと安心
リハビリも兼ねていつもの森へ
「くっく履く?」と訊ねると、履きたいような反応がかえってくる
装着してベビーカーを降ろすと、ゆったりと歩きはじめた
近くにいた1歳児のご一行と手を振り合ったりと、まんざらでもなさそうなようす
とはいえ、いつものように駆けまわるほどではなかったようで、ほどなくして自分からベビーカーに乗り込んだ
いつもは名残惜しくて、もっと遊んでいたくて、海老反りになって泣くこともあるほどだから、自ら乗るだなんてほんとうにめずらしいこと
やはりまだ、本調子ではないのかな
たまたま、気分でなかっただけかもしれないけれど
帰宅してお昼ごはん
準備の前に、はじめて甘酒をなめさせてみる
麹屋さんのつくった無添加のものだから、きっとちいさなひとでもだいじょうぶ
口に運ぶとお米のつぶつぶが気になるようで、すこしすりつぶしたらお気に召したようす
しまいには催促するまでになった
ごはんを食べ終わっても昼寝するようすがない
森での出来事を考慮したとしても、もはや概ね通常運転となったわんぱく坊やの気力体力を考慮するに、すこし外の空気に触れたほうが眠気を誘うだろうし、退屈しないだろう
そう判断し、行きたかった展覧会に付き合ってもらうことにした
作家さんは友人のお母さん、そして我が相棒の義母にあたる方
一度ご実家に滞在させてもらったご縁があったのもあり、なんとしても拝見したかったのだ
きのうの発熱で断念せざるを得ないな…と、一度は涙を呑んだけれど、劇的な回復力のおかげで、そろっておじゃますることができた
(坊やは到着目前に眠ってしまったけれど)
“71歳での初個展”
それをきいただけで、震えたつような感慨深い心地になる
これまで取り組んできたことを、展覧会というかたちでお見せするということ
いったいどんな心地なんだろう
集大成といった感覚なのだろうか、それともここから帆をあげて進んでいくぞという意気込みなのだろうか
想像するだけでワクワクする
当の作品群は、ほんとうにすばらしいものだった
丹念に削り出された造形は圧倒的にうつくしく、そこに在るだけでその場の空気を一変させるような存在感を放っていた
素材の選定においても、たとえば硯石やアルミニウムといった、一般的には決して価値の高くはない類のものにまなざしを向けていた
彼女が手をかけ、磨きをかけることで、ひとつの芸術作品へと昇華される
そうして、価値が創出されるのだ
じっくりと向き合い、かたちづくり、作品集をつくり、展覧会をしつらえる
そのすべての過程に、愛と敬意が備わっているのがわかった
そして、家族のチームワークが光る展覧会でもあった
実の息子や娘が会場に在廊して、来場された方々への応対をする
そして会場構成を担うのが息子の妻(つまりは我が相棒)というのもまた、ぐっとくるものがある
お互いに尊重しあっているからこそ成り立つ、奇跡のフォーメーションだなぁと感心しきりだ
未来に向けて想いをめぐらせることも増える年の瀬を前に、勇気をもらえたなぁ
ありがとう、ありがとう!
いいなと思ったら応援しよう!
