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【詩】十二月の美容院

「十二月の美容院」

何の矜持があってか
美容院で無駄話

十二月という特別な月に
何も特別でない自分が浮いているようで
黙っていればいいものを
パッチワークのように取り繕う

端切れを集めて縫い合わせても
チグハグになるだけで
動揺が隠せないまま
カーリングのストーンのように滑っていく

不幸である事が
許されない場所がある

せっかく髪を綺麗にしてもらったのに
ゴジラの如く破壊して帰ってきた

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