10. ルイジアナ美術館(2023/8/29)
今日はルイジアナ美術館に行ってきた。快晴ではなかったけれど、雨が降ることはなく、過ごしやすい日だった。
1時間弱かけて、ついに念願のルイジアナ美術館に到着。最寄りのHumlebæk駅から、ルイジアナ美術館に行くのだろうなという人がたくさんぞろぞろ歩いていたので流れに身を任せて徒歩10分ぐらいで到着した。11時半くらいに着いたのだけれど、思っていた以上に混んでいた。チケットを買うための行列ができていたので、並ぶのが嫌な場合は事前にオンラインで買っておくのが良いかもしれない。でもそんなに待たなくてもすぐに買えたので、個人的にはどちらでも良いかなという印象。
学生は125dkで入れるので(18歳以上は145dk)受付で学生ですと伝えたところ、学生証はあるかと聞かれた。実はまだ持っていない。3週間ほど前に申請はしていて、受け取り待ちの状態が続いている。まだ受け取れていなくて…と伝えたところ、お兄さんは「ああ良いよ良いよ、大丈夫」と笑顔ですんなり通してくれて感動。日本だったら学生証なかったら問答無用で受け入れてくれないと思う。見るからに留学生の見た目をしているのもあったとは思うけれど、デンマークのゆるやかさを感じた。
Enter Art Fairの時も感じたけれど、この国のアートの楽しみ方はとても自由だ。ルイジアナ美術館の場合は、敷地がびっくりするぐらい広くて建物の外にも中にも至るところにアートが溢れているので、順路を決めようにも決められないのだとは思う。屋内と屋外を行き来できる出入口がたくさんあって、気ままに外に出たり中に入ったりできる。屋内もみんないろんな方向から来て自分の見たいように進んでいく。床に座り込んでずっと映像作品を見ている人もいるし、屋外の広い芝生の上で寝転んで休んでいる人もいる。ベビーカーを押しながら鑑賞している人がいるのも印象的だった。誰にでもアートが開かれていて、何にも縛られずにただ見たいように見て、感じたいものを感じる。自由だ。この自由さを私はとても気に入っているけれど、どこから見れば良いのか、どこを見たのか見ていないのかわからなくなり、同じ所をぐるぐる回って迷子になりかけた。
この自由さの中で、草間彌生さんの展示だけが秩序立てられていた。壁が鏡になっている小さな部屋で、一度に入れるのは4人まで。ひとり当たり最大1分で出て来てくださいと立札が立っていて、行列ができていた。草間彌生さんの作品がルイジアナ美術館で常設されていて、人々がそれを見るために列を作っているという状況に、日本人として何だかうれしくなってしまった。日本を離れると日本人としてのアイデンティティが強まるように感じる。
自分の順番が来て中に入ってみると、宇宙空間のような異世界に迷い込んだ感覚になった。大小さまざまな丸い電球のような灯りがたくさん吊り下げられていて、色がさまざまに変化する。四方の壁が鏡になっているので、4人しか入れない狭いはずの部屋がどこまでも広がっているように錯覚する。草間さんと言えば水玉模様だけれど、私がイメージする草間さんの水玉模様はもっと鮮やかな色合いで、光を使って水玉を表現した作品は新しい草間彌生を見たような感じがした。
他にも映像作品、彫刻、オブジェ、音楽とダンスと映像の融合など、本当に様々な現代美術を楽しめる。2~3時間ほどいたけれど、見逃している作品がある気がするのでまた行きたい。次は家族が来た時に。