階級など存在しなかった人類の始まりに〈03〉#Black_Lives_Matter
伊能忠敬が日本地図を作り始めたのは56歳の時。21世紀最大の功績とも言われているiPS細胞を山中教授が発表したのは50歳の時。研究者らはこの長い歴史の中でまだ見ぬものを探し続け、何歳になっても情熱を注いでいる。
今回、新たにマヤ文明の遺跡を発見した日本人らがいる。メキシコ南部で観測されたその遺跡は、紀元前1千年以上前のものとされ、世界最古かつ最大の可能性があるという。海底や目に見えない細胞ならまだしも、相当研究されてきたはずのマヤ文明だが2020年になっても新しい発見があるとはロマンを感じる。と同時に探索を重ねた研究者の方々の功績を称えたい。
注目が集まっているのはその古さが理由だけではない。研究者らによると「この遺跡の建築は階級が存在しなかった時代の時であり、強大な権力者は存在せず人々が自発的に集まり作られた可能性が高い」からだ。文明はかつてから人々の階級や差によって文明が築かれたとされており、今回文化人類学も大きく覆される可能性がある。
我々人類はいつしか奴隷制度や人種、性別など、生まれた時点で差が生まれるような時代を経てしまった。現在アメリカで問題になっている人種差別問題も未だに根強い歴史と闘っているところである。
今回の発見はまるで、「階級など必要ない。それぞれが集まって作り上げられるものがあるのだ。私のように。」と語りかけられているようだ。3000年以上この地球を見てきたマヤ文明の遺跡に。